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東北 久慈市様の『電力見える化』に、東芝グループの総合力を発揮

岩手県北東部の太平洋岸に立地する久慈市様は、市内の学校や公共施設の、ネットワークで管理した電力使用状況を大型ディスプレイで表示する「電力見える化システム」と太陽光発電装置を導入。案件を受注したのは東芝の東北支社。東芝ソリューションは東芝グループとして、その案件のプロジェクトリーダーを任され、本プロジェクトを完遂させたのである。

今回は、キーマンとなったプロジェクトリーダーおよび営業や現地の支援を担当した社員たちの取組みを紹介したい。

Project 2013年7月4日

『電力見える化システム』の導入によって環境とエネルギーを考える。
〜被災地域情報化推進事業として〜

つりがね洞つりがね洞
※写真をクリックすると久慈市様の観光サイトにジャンプします
※別ウインドウで開きます

 久慈市様は、岩手県北東部の沿岸にあり、西側は標高1,000m以上の山嶺を有する北上高地の北端部、東側は太平洋に面して、小袖海岸などで知られる「陸中海岸国立公園」の北の玄関口となっている、人口3万6,000人余りの自治体だ。総面積のうち、森林面積が87.3%を占めており、平庭高原の白樺林や久慈渓流が織りなす久慈平庭県立自然公園がある。
また、国内最北端の海で漁をする「北限の海女」のまちで、2013年4月放送のNHKの連続テレビ小説『あまちゃん』の主要舞台(番組では「北三陸市」)となっている。

 東日本大震災の巨大津波で大きな被害を受けた同市は、国の平成23年度被災地域情報化推進事業に応募。そして交付決定を受けスマートグリッド通信インタフェース導入事業に取り組むこととなった。この事業では、市内の小中学校24校と市役所などの公共施設5カ所、計29カ所において、電力使用量を見える化するシステムを導入、電力の使用状況をネットワークで一括管理し、使用状況をグラフィックに表示する。設定値を超えそうな時にはアラームなどで、児童や生徒、教職員、市民に、電力の使用状況を知らせて節電を促す。併せて、小学校2校には、太陽光発電設備、小学校1校に太陽光発電設備と蓄電池設備を設置、節電対策モデルとする。

『とりあえず動こう』という気持ち。

東芝ソリューション株式会社 東北支社 東北ソリューション技術部 東北ソリューション技術担当 主任 斎藤 憲二東芝ソリューション株式会社
東北支社 東北ソリューション技術部
東北ソリューション技術担当
主任 斎藤 憲二

 久慈市様は、スマートグリッド通信インタフェース導入事業を行うにあたり、入札を行った。応札したのは、東芝ともう1社、合計2社であった。東芝は、東北支社にある東北復興推進室が中心となり、東芝の太陽光や蓄電池の部門と東芝ソリューションの電力見える化システムを担当する部門と共に万全の態勢を組み、久慈市様へご提案した。

 入札の結果、東芝が落札。そして、電力使用量の見える化システムと太陽光発電・蓄電池設備の導入という大きな仕事のプロジェクトマネージャーは、東芝ソリューション 東北支社 東北ソリューション技術担当の斎藤が担当することとなった。斎藤は次のように語る。
「電力見える化システムの導入は、東芝ソリューションとしては多数の実績があります。しかし私にとっては初めての仕事でした。また、太陽光発電・蓄電池設備の導入については、東芝の事業部と連携しながらやっていくことになります。色々な不安要素が頭に浮かびましたが、すぐに気持ちを切り替え、『やれといわれたら、とりあえず動こう』と思いました。」

 久慈市様からも東芝ソリューションの社員が何故プロマネを務めるのか質問があったが、東芝グループが総力を挙げて取り組むという意味では、電力見える化システムで多くの実績がある東芝ソリューションがプロジェクトを統括し、担当することが、このプロジェクトにとってベストチョイスという考えであった。

「分からないことは専門知識のある人に決めてもらう」というプロジェクト運営

東芝ソリューション株式会社 製造・産業・社会インフラソリューション事業部 スマート・エネルギーソリューション技術部 スマートコミュニティ・ソリューション技術担当 主任 吉江 澄人東芝ソリューション株式会社
製造・産業・社会インフラソリューション事業部
スマート・エネルギーソリューション技術部
スマートコミュニティ・ソリューション技術担当
主任 吉江 澄人

 プロジェクト運営を振り返り、斎藤は語る。「私は、今回、東芝のプロジェクトリーダーになっているので、東芝としての立場で物事を考える必要がありました。自分に分からないことはすべて専門知識を持った担当者に決めてもらうことにしました。また、自分が知識を持っていて、分かることも自分のところにためておかないで、担当に流すことにしました。同じチームの仲間として相手を信頼し、プロジェクトを運営する。そう決めました。」

 このプロジェクトで一番難しかったのは、太陽光発電設備と蓄電池設備、電力見える化設備(デマンド機器)の設置に関する工事仕様の設計だった。設計作業では、太陽光発電パネルの並べ方や枚数、配置場所、配線などを図面にする。それが各学校や公共施設で設置作業を行う工事業者の入札のための設計書になる。そして、2013年1月の定例会議で、業者も交えて設計の確認を行い、詳細まで書き込んだ設計図を工事業者に渡して、無事に設置工事に入っていったのである。

 システム開発から現場での、電力見える化システムに関係する機器の納入や据え付け調整、工事業者への依頼や指示などを担当したスマートコミュニティ・ソリューション技術担当の吉江 澄人は語る。「現地を調査して、細かな指定を行いましたが、場所によっては予定した機材が使えず、見直しをしなければならないところもありました。また、設置工事後の現地確認にて情報が上手く採取できず、現地確認スケジュールに合わせるべく、機器メーカーとの原因確認に奔走したこともありました。工事業者に原因例を提示する為の情報収集が大変でしたが、プロジェクトの計画通りに完了させることを最優先し、必死で対応しました。斎藤からメールや電話が入ると、現場で何か発生したか? と、ドキドキすることが多かったのも事実ですが、対応しなければPJに関わる全ての人に迷惑をかけることになりますから、その責任の重さと結果を出すことを意識し、必死に取組みました。斎藤の“専門知識にある人に任せる”という事が生み出したパワーを、今回のプロジェクトで痛感しました。」

関係者との繋がりから生まれる、東芝グループの底力。

東芝ソリューション株式会社 東北支社 東北ソリューション営業部 営業第二担当 営業専門職 前田 爾東芝ソリューション株式会社
東北支社 東北ソリューション営業部 営業第二担当
営業専門職 前田 爾

 電力見える化システムは、設置先の市役所や学校などの施設を停電させて、取り付ける。そのため、工事日は土日で、あらかじめ日程が決まっており、その時までには部材は必ず揃っていなければならない。そこで、調達先メーカーとの調整などを担当したのが東芝ソリューション 東北支社 東北ソリューション営業部 営業第二担当の前田 爾である。今回は、東芝の営業担当者がお客様との窓口業務を担当することになったため、東芝ソリューションの前田は、営業としてお客様との接点以外で進めるべき調達先との調整業務を担当することとなったのである。

「現場に設置機材を送る1−2月は、考えていた以上に納期調整が必要でした。機材の中には、電力センサーなどもあるので、別々のメーカーから個別に出荷してもらわなければならなかったり、部材を現地に送ってみると、現地調整の段階で最適なものは別な物だったことが判明して現場の希望で変更を求められたりして、追加送付が必要になったケースなどもありました」と前田は語る。これらをサポートしていたのは、東芝ソリューションの子会社で保守を担当している、東芝ITサービスのメンバーだった。

 吉江は、29カ所の現場で必要な機器の納入や据え付け調整、工事業者への依頼や指示などの他にも、同時に別な仕事も進めていた。電力使用量を表示するディスプレイ画面のデザインについては、東芝のデザイン部門のメンバーとコンセプトを話しながら、一緒に創っていった。画面デザインは、児童や生徒、市民が注目してくれやすいように、節電目標を達成していくと、花が咲いたり、四季折々に咲く花が変わっていって、卒業時期の3月に一番賑やかになったりするよう、工夫した画面ができあがった。また、久慈市様の公式ホームページのトップ画面に、電力見える化システムによる施設ごとの毎日の電力使用量が表示されるような作り込みも行った。

 前田は語る。「営業担当としては、お客様との直接的なコミュニケーンが取れない中での短納期手配納品調整作業となりました。そこで、自部門、管理部門および調達部門、ほか調達先メーカーへの情報共有調整に注意を払い、短納期対応を無事にやりきることができました。プロジェクト体制に表記されていない協力者のありがたみと、東芝グループの底力を実感できた瞬間です。」

企業や自治体に、『電力見える化システム』の積極的な活用を提案

 こうして、久慈市の小中学校24校と5カ所の公共施設で電力見える化システムの稼働が開始し、毎日使用電力量が大型ディスプレイで表示されるようになった。このプロジェクトは、東芝の総力を結集させたからこそ、実現することができたのである。
(東芝:太陽光発電・蓄電池/東芝ソリューション:システムインテグレーション/東芝ITサービス:現場での支援)

「今回は、お客様にも恵まれました。教育委員会様が窓口で、ご担当は中村様お一人でしたが、中村様がしっかりとポイントを押さえ、私たちが至らなかった部分にも辛抱強くご対応して下さったことで、なんとか形にすることができました。私たちにとって、プロジェクトは変則的な形でしたので、お客様やメンバーに掛かる負担が大きかったかもしれません。でもそれを皆で乗り越え、ここまで来ることができて、ホッとしています。」と斎藤は語る。

 任せる斎藤と、任されるメンバーたち。任されることの重圧を感じたのは、先に記載した吉江や前田だけではないだろう。太陽光発電設備と蓄電池設備などを担当した東芝の社員も同様のことを実感しているに違いない。このように専門知識のある者が、自分の担当部分を的確に判断し、責任を持って進めたこと。これが最終的にこのプロジェクトを最も効率的で確実に進める要因になったのである。

 東芝ソリューションは今回の久慈市様での導入経験を生かし、電力見える化システムを全国の自治体や企業などに積極的に提案し、環境・エネルギー教育や省エネ意識の啓発、そして電力消費量の削減に役立てていく。今後も東芝グループは、関係者が一体となり、絶えず総力を挙げてお客様と、その先にいる多くの人たちのために、尽力していく。

◆本取組みについての報道発表はこちら。
https://www.toshiba-sol.co.jp/news/detail/130704.htm


◆久慈市様について
久慈市観光イメージ(北限の海女、久慈渓流、平庭高原)
久慈市様のホームページ http://www.city.kuji.iwate.jp/
※写真をクリックすると久慈市様のホームページにジャンプします
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  • ※この記事内容は2013年6月に取材した内容を元に構成しています。
  • ※記事内における数値、組織・役職名などは取材時のものです。
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