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銀行のオペレーショナルリスクの解決と,業務の効率化を支援
お客様との“協創”から生まれた,事務規定管理のイノベーション

「東芝ソリューションは,得意分野であるリスク管理ベースでの銀行業務提案を!」
−始まりは,お客様の一言だった。金融業界の標準システムを目指し,オペレーショナルリスクを統合的に管理するソリューションは,静岡銀行様との共同開発の中で切磋琢磨しながら育まれていった。

支えるチカラ 2010年5月28日

参考出品から生まれた,2社の共同開発プロジェクト

 2006 年度末,金融機関の新しい自己資本比率規制であるバーゼルⅡ,また,国内ではJ-SOX 法が施行され,金融業界ではオペレーショナルリスク管理を含む,内部統制の強化が求められるようになった。東芝ソリューションは,オペレーショナルリスクを回避する「事務品質アラーム®」に続き,事務規定や取り扱い要領を一元的に管理する製品「MetroCube®」を企画し,「東芝ソリューションフェア2007」に参考出品した。
 静岡銀行の飯尾秀人理事部長は,フェアで「MetroCube」のコンセプトを見て「当行の考え方と非常にマッチしている」と評価した。「静岡銀行様は,『MetroCube』の前身となる製品『事務品質アラーム』のファーストユーザーで,当社とは5年来の付き合いがありました。飯尾部長に“東芝ソリューションには,重要な経営課題の一つであるリスク管理のIT化を任せている”と仰っていただき,とても嬉しかったことを覚えています」(金融ソリューション営業事業部 銀行システム営業部 アソシエイトパートナー 林 泰久)。
 こうして翌3月には正式採用が決まり,飯尾部長の「必要な情報は,すべて提供する。共同開発をしよう」という一言から「MetroCube」の共同開発プロジェクトがスタートした。

林 泰久林 泰久 Hayashi Yasuhisa
金融ソリューション営業事業部
銀行システム営業部
アソシエイトパートナー

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不可能を可能にした,共同開発

 銀行の業務のほとんどは規定によって定められ,マニュアルにまとめられている。しかし,紙のマニュアルは必要な情報が見つかりにくいうえ,扱いにくい。これを,誰が見てもすぐにわかるような規定にするのはもちろん,リスクコントロールも考慮のうえ,業務構造に基づいた事務規定および業務フロー管理を実現することが,静岡銀行様のご要望だった。使いやすい製品にするためには,業務の内容を完全に理解し,お客様の課題がどこにあるかを推察して取り組まなければならない。
 共同開発を進めていくうえでのキーマンは,飯尾部長だった。定期的に行われる会議の席で,飯尾部長が「懸案となっている課題はすべて,責任者である私に報告してほしい。すべて,私が責任をもって対応する」と公言されたことから,担当者の中で,事務規定や取扱要領に関するノウハウを積極的に提供しようという気運が広がり,開発がスムーズに進んだ。これは,静岡銀行様と当社の関係が「お客様」,「ソリューションベンダー」という枠を超え,共同開発の「同士」として取り組もうとする,飯尾部長のリーダーシップのおかげだった。

完成形がイメージしやすい,「動く仕様書」

 このように,理想的な環境を得て順調に進んだ共同開発だったが,一つ問題があった。それは,開発期間を極力短縮するため,通常の段取りで進めていては間に合わないことだ。
 そこで,アライアンスパートナーである,デジタルコースト株式会社 代表取締役社長荻島 浩司は知恵を絞り,開発前に作成する要件定義をした仕様書を,「動く仕様書」にした。「紙の仕様書だと,お客様がイメージをつかみにくく,製品が完成したときに“こんなはずではなかった”となる可能性があります。今回のプロジェクトは時間が少なかったため実際に動かして確認できるプロトタイプのシステムを用意しました」。この方法はとても効果的で,要件定義の段階で完成形に近いものができあがったため,実際の製品を見たときの手戻しが発生しなかった。

荻島 浩司荻島 浩司 Ogishima Koji
デジタルコースト株式会社
代表取締役社長

ただし,思惑違いもあった。プロトタイプが固まった時点で,お客様が「要件はこれで決まった。あとは,デザインだね」と仰った。「確かに開発者が考えるデザインは機能重視になりがちで,使いやすさや美しさという点では物足りません。そこで東芝のデザインセンターに相談し,インターフェースを含めたデザインのブラッシュアップをしてもらうことにしました。これが功を奏し,最終的にはとても使いやすい製品が完成しました」( 金融ソリューション事業部QualityGymプロジェクト 参事 林 政浩)

林 政浩林 政浩 Hayashi Masahiro
金融ソリューション事業部
QualityGymプロジェクト 参事

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静岡銀行様の協力を得ながら,業界標準を目指す

 こうして開発が進むなか,東芝ソリューションの担当者が常に感じていたのは,静岡銀行様の期待の高さだった。飯尾部長は,「せっかく作るからには,次の世代の基盤になるものにしなければ」と仰った。同行が特に重きをおいていたのは,人員配置だった。行内の処理はなるべく合理化し,バックヤードのスタッフを減らして,お客様に直接対応する業務のスタッフを増やすためには,規定や手続きを明確化し,その手順を整理しておかなければならない。実は,こうしたことは静岡銀行様に限らず,他行においても,同じニーズがある。静岡銀行様は「これを業界標準にしよう」と,汎用的な製品作りに積極的に関わった。
 また販促活動にも協力的な姿勢を示し,他行が導入検討する際に,静岡銀行様の事例を見学したいという要望があれば,快くこれに応じた。現在では,多くの銀行,信用金庫などから問い合わせが来るようになった。

 これからの金融業界は,オペレーショナルリスクに対する管理能力が問われるようになる。多くの銀行では,これまでいくつものサブシステムを使って業務を進めてきたが,今後は事務規定や取り扱い要領を一元的に管理する体制が求められるようになる。東芝ソリューションは,このニーズに応え,システムを全面的に支えていくための準備を進めている。今後は,静岡銀行様の協力を得ながら「MetroCube」の継続的な機能強化と,業界標準となる規定管理システムの構築に注力していく。
 金融ソリューション営業事業部銀行システム営業部プロデューサー小林辰生は,今後の展望について次のように語った。「私たちの理念は,銀行のオペレーショナルリスクを減らし,業務の効率化を支援することで,世の中に貢献すること。これからも静岡銀行様と協力し,よりよいソリューションを育てていきます」。

小林 辰生小林 辰生 Kobayashi Tatsuse
金融ソリューション営業事業部
銀行システム営業部 プロデューサー

事務統合DBを中核とした事務管理システムの協調

  • データベース化の意味
    行内共通の業務構造DBを作成することにより,各種事務関係ソリューションを統合し,多角的な分析を行うことで,BPR,内部統制,オペリスク管理のPDCAを実現する。

業務構造DB

  • OLAP:OLAPはonline analytical processingの略。
    複雑で分析的な問い合わせに素早く回答を行う方法,経営報告,BPM(business performance management)予算作成,計画作成等に利用する。

広報担当者からひとこと

静岡銀行様のご協力により,東芝ソリューションの経営理念である「協創」が,実現できた事例を取材しました。MetroCube®の開発にあたって,「飯尾部長のリーダーシップのおかげで,スムーズに進んだ」と,担当者が強く語っているのが印象的でした。

  • *この記事内容は2009年6月に取材した内容を元に構成しています。
    記事内における数値、組織・役職名などは取材時のものです。

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