東芝デジタルソリューションズ株式会社

イベント レポート

2017年11月9日(木)、10日(金)

イベント

地方自治情報化推進フェア2017レポート

2017年11月9日と11月10日の2日間、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が主催する地方公共団体向けの国内最大級イベント「地方自治情報化推進フェア2017」が、東京ビッグサイトにて開催されました。今年のテーマは「ICTでつながるひろがる地域とわたし」。東芝デジタルソリューションズでは、「働き方改革」「医療・介護・健康」「防災・減災(安心・安全)」という3つの分野について、自治体の課題解決を支援する6つのソリューションをブース展示で紹介し、併せて4つのブース内プレゼンテーションと、2つのベンダープレゼンテーション、働き方をアシストするAI技術の活用と、ビッグデータ分析による地域包括ケアにおける地域マネジメントのあり方についてパネルディスカッションを実施しました。その概要を紹介します。

ベンダープレゼンテーションの紹介

新たな働き方をアシストするAI技術
〜コミュニケーションAIを活用した今すぐできるオフィスワークの効率化〜

厚生労働省の提唱する「働き方改革」。その実現のために重要な、業務の効率化を支援するのが東芝のAI技術です。東芝のAIには(1)音声・画像認識などで人の意図を理解する“コミュニケーションAI”と、(2) 自治体や企業などで蓄積された業務データなどを解析し、システムの最適化・自律化を支援する “アナリティクスAI”があります。東芝デジタルソリューションズの宮武 拓登は、前者のコミュニケーションAI RECAIUS(リカイアス)について「民間企業様で実績があり、働き方改革の観点から地方公共団体のどの部局様でも十分にご活用していただけるサービス」と説明。活用シーンとして@メールや電話での「問合せ・相談」、Aデータ入力や議事録作成などの「日々のオフィスワーク」、B避難勧告や自動翻訳などの「読み上げ・アナウンス」、そしてC外回り業務の際の「巡回・訪問記録」を挙げました。@の例として、庁舎内で行う住民からの「問合せ・相談」対応でのチャットサービスを紹介。スマートフォン上のチャットや電話による問合せでもAIでコミュニケーションが可能です。「先進的な自治体ではAIを検討、活用を始めています。RECAIUSは働き方改革を支援できるソリューションだと自負しています」と宮武は語りました。

地域包括ケアシステムの最適ケア実現に向けてビッグデータ分析を適用

東芝デジタルソリューションズ 参与 近藤正史より、自治体の各部署がバラバラに保有している医療介護等の長期履歴のビッグデータを有効活用することで各地域の実態に合った地域施策や事業者施策の立案と各施策の定量的な効果検証や改善検討が可能になること、名寄せした高齢者データベースの分析によって地域マネジメントPDCAサイクルの確立が図れることを紹介しました。さらに、データ分析活用例として自立支援・介護重度化防止、総合事業、医療・介護連携の3事業を説明しました。

認知症の権威であるつくば大学大学院 水上勝義教授は、3事業への期待とビッグデータ分析システムで質的な内容を検討し、いいものを抽出しながら他の地域に適用できるようになることが重要だと語りました。最後に、ケアの世界は人と人の触れ合いが基本にあり、人に対する配慮とかもビッグデータ分析に取り込まれてくると大変よいものになると思うとコメントをいただき、近藤より「難しいですが頑張ります」と締めくくりました。

展示の紹介

官公庁・自治体向けグループウェア[働き方改革]

働き方改革を実現するためには、単に働く時間を短くするだけでなく、今までよりも短い時間で、今までと同じ業務量をこなすことが求められます。そこで有用となるのが、コミュニケーションツールとしてのグループウェアです。東芝デジタルソリューションズでは、官公庁・自治体向けの機能を追加したグループウェア「desknet's NEO.Gov」を提供しています。

desknet's NEO.Gov」は、スケジュール、施設備品予約、来庁者管理、庁内メール、アンケート、職員名簿など標準で25種類のアプリケーションを装備しており、さらに官公庁・自治体向けに“行事予定”や“幹部スケジュール”、“全庁掲示板”などの専用機能を提供することで、さらなるコミュニケーションの活性化で働き方改革を支援します。

給与支払報告書OCR[働き方改革]

今年からマイナンバーの運用が開始されたことに伴い、給与支払報告書の様式はA6サイズからA5サイズへと変更され、入力すべき項目も約2倍になりました。こうした給与支払報告書のデータ入力作業を効率化できるソリューションが、「給与支払報告書OCR」です。
給与支払報告書OCRでは、東芝独自の帳票レイアウト解析知識処理技術を利用することで、カラーイメージ処理を施した総務省様式を基準フォーマットとして、総務省様式とは微妙にレイアウトの異なる各事業者の給与支払報告書でも読み取ることを可能にします。多種様式の認識が行え、データ化作業の効率化を支援します。

定型業務の自動化「RPA」(参考出展)[働き方改革]

現在働き方改革が叫ばれている一方、国内では少子高齢化による労働人口の減少が進み、そもそも働き手がいない、あるいは次世代に技術の継承ができないといった深刻な問題が出てきています。こうした課題を解決するソリューションが、自治体の定型業務を自動化する「RPA(Robotic Process Automation)」です。
RPAでは、業務で行うPC上の操作をシナリオとして事前に登録しておくことで、例えば複数のシステムから多種多様なデータを抽出して表やグラフを作成するといった作業を自動化することが可能となります。
またRPAに加えて、RPAの導入を支援するRPA業務改善アセスメントやRPA評価導入サポートなどのサービスも提供しています。

要介護認定支援システム[医療・介護・健康]

自治体の介護保険課様が携わる業務として、要介護認定があります。この業務を支援するソリューションが、要介護認定支援システム「ALWAYS J」です。
例えばALWAYS Jでは、段階別進捗管理機能により、住民からの認定申請受付→認定調査→一次判定→二次判定(認定審査会)→認定結果通知という一連のプロセスにおいて、各申請者が現在どのステータスにあるのかを一覧で簡単に把握することができ、進捗の遅れている申請者のプロセスについてはアラームを自動表示します。またOCR装置を使えば、認定調査票や主治医の意見書を自動で読み込んでデータ化することができるので、審査会用の資料作成業務を大幅に低減することも可能です。

地域包括ケア事業支援[医療・介護・健康]

自治体が保有する医療介護などに関するビッグデータを有効活用することで、各地域の実態に即した地域施策や事業者施策の立案だけでなく、施策そのものの定量的な効果検証までが可能となります。こうした取り組みを支援するのが、地域包括ケア事業支援ソリューション「ALWAYS-ICC」(14件の特許出願中)です。
「ALWAYS-ICC」では、自治体が保有する高齢者基本データ、介護保険データ、医療保険データ等を活用することにより、地域マネジメントにおける「自立支援・介護重度化防止」、「総合事業」、「医療・介護連携」の3つの事業領域で、課題分析から事業計画の立案、事業実施、その後の実績評価という、PDCAサイクルを支援します。

防災情報共有システム[防災・減災(安心・安全)]

地震や台風など自然災害のリスクが高い日本では、自治体に地域住民の安全と安心を守るための対策が求められます。こうした取り組みを支援するのが、東芝デジタルソリューションズの提供するクラウドサービス「防災情報共有システム」です。
防災情報共有システムでは、スマートフォンやタブレット端末を利用した災害現場からの情報入力と情報共有を可能にし、さらに各機関から寄せられた災害情報を地図上にマッピングして表示することで、被災地の特定や被害状況の確認を速やかに行うことを可能にし災害対策の意思決定をサポートします。また、L-ALERTや防災無線と連携し災害情報や非難情報を素早く住民に伝達します。

ブース内プレゼンテーションの紹介

ブース内では4つのプレゼンが行われました。

自治体定型業務を自動化「RPA(Robotic Process Automation)」

「RPA」は、自治体の定型業務を自動化するソリューションで、仮想知的労働者(デジタルレイバー)とも呼ばれるものです。業務で行うPC上の操作をシナリオとしてRPAに事前に登録しておくことで、転記作業などさまざまな定型業務を自動化することができます。

コミュニケーションツールの利活用と働き方改革

働き方改革を支援するソリューションとして、官公庁・自治体向けの機能を追加したグループウェア「desknet's NEO.Gov」に加えて、紙やExcelで行われているさまざまな業務処理をWebシステム化するカスタムメイド型の業務アプリ作成ツール「AppSuite」、テレワーク環境でのリアルタイムコミュニケーションを実現するビジネスチャット「ChatLuck」などコミュニケーション活性化を支援します。

ビッグデータ活用による地域包括ケア

地域包括ケア事業支援ソリューション「ALWAYS-ICC」は、自治体が保有する医療介護関連のビッグデータを活用することで、課題分析→事業計画→事業実施→実績評価という地域マネジメントのPDCAサイクルを支援します。

人とAIのコラボレーションがもたらすワークスタイルの革新 〜RECAIUS“Next Stage”〜

コミュニケーションAI「RECAIUS」は、例えば会話音声をリアルタイムでテキスト化することで、会議や現場における記録業務の手間を削減し、業務効率の向上や業務品質の均一化を支援します。自治体はRECAIUSを活用することで、新たなワークスタイルの実現を目指すことができます。