列車のダイヤを検討する上で基準となる運転曲線(ランカーブ)の作成をクラウドサービスにより運用を開始。
これまで困難であった走行シミュレーションを数分で行い、最短時間を求めるだけでなく加速とブレーキによる乗り心地や、消費電力の違いなど、様々な視点で走行パターンを検討できるようになった。
- 運転曲線作成は、手書きで行っていたため専門知識と多大な労力が必要で、1枚の作成でも数時間に及び「様々なシミュレーション」が困難。また、最終的な作図は、限られた期間の中で、都度データ投入から開始していたため、大きな負担となる。
- 長年切望していた運転曲線作成のシステム化を、クラウドサービスを利用することにより安価な月額費用で実現し、新たな視点から様々な走行シミュレーションを行う。特殊な速度制限を設けた運用の検討や、車両編成の変更や新型車両の導入など、経営にも重要な検討が可能になる。
ソリューション事例概要
導入の背景全文を読む
- 開業以来、運行ダイヤ作成に欠かせない運転曲線の作成を手書き・手引きにて行ってきたが、多くの時間と手間が必要なため、システム化を切望。
- 新型車両の導入を進めることで、乗客の利便性を向上させるための新たな施策に積極的に取り組んでいる。
導入の経緯全文を読む
- システム化には数千万以上の規模の投資が必要となり、自社での導入が困難だった。
- 運転曲線作成のためのデータ入力だけで2ヶ月あまりを要するだけでなく、高い専門性を要し、最大6ヶ月もの作成期間が必要なケースもある。
- 入力したデータを保管しておくことができず、修正のために再度データ入力せざるを得ないこともあった。
導入のポイント全文を読む
- わずか数万円程度の月額費用だけで高度な運転曲線の作成システムが利用できる「鉄道輸送計画ICTソリューションSaaS(TrueLine®」を採用。
- 固定資産としてシステムを保有する必要がなく、高度な仕組みを安価に活用できる。セキュアな環境もサービス側で実装する点を評価。
- クラウドなら常に新しい仕組みが継続的に実装されるだけでなく、サービスを利用する鉄道会社が増えることで最新のノウハウを月額利用の中で手に入れることに期待。
- 実際の利用シーンを具体的に想定した形の提案など、鉄道に関する東芝ソリューションの豊富な知識も高く評価。
導入の効果全文を読む
- 自動的に運転曲線がプロットでき、任意の点をクリックしたりドラッグしたりするだけで自由自在に変更することが可能。半日かけてプロットしていたものが、わずか数秒単位でシミュレーション。
- 消費電力や乗り心地の観点など、これまで時間や手間の面から試みることが難しかった新たな視点でシミュレーションできる。
- レスポンスがスピーディなだけでなく、バックアップもクラウド側で実施。場所や時間に縛られることなく活用することにより、作業効率の向上に大きく貢献。
将来展望全文を読む
- 様々な鉄道会社のプラットフォームになることで、新たな機能やノウハウが適宜利用できる。今後も会社の経営に大きく貢献することを期待。
お客様の情報
- 名称:
- 株式会社ゆりかもめ
- 設立:
- 1988年4月25日
- 代表者:
- 代表取締役社長 宮川 昭
- 本社所在地:
- 東京都江東区有明3丁目13番1号
- 事業概要:
- 新橋から豊洲までの区間を運行する東京臨海新交通臨海線を運営する鉄道会社。
利用客数平均107,000人/日(平成24年度)。
専用の高架軌道を自動制御しながら走行する新交通システムを採用、乗客の利便性向上に向けた様々な施策を展開。 - 導入プロダクト:
- 鉄道輸送計画システムICTソリューションSaaS(TrueLine®)
- URL:
- http://www.yurikamome.co.jp
本記事は2013年9月30日に取材した内容をもとに構成しています。記事内における数値データ、組織名、役職などは取材時のものです。