ニュースリリース

2017年10月31日

AIによる店舗オペレーション分析の自動化を目指した実証実験を開始
~ ラグビー映像分析技術を、サービス業における店員行動の「見える化」に応用し、未来型の店舗づくりに活かす ~

東芝デジタルソリューションズ株式会社

 東芝デジタルソリューションズ株式会社(神奈川県川崎市、取締役社長:錦織 弘信 以下、当社)は、トリノ・ガーデン株式会社(東京都港区、代表取締役:中谷 一郎 以下、トリノ・ガーデン)がコンサルティング業務の一環で行う飲食店のオペレーションの「見える化」サービスによる業務効率化に向け、当社のAI技術を用いて店員の行動を自動分析する実証実験を行います。

 トリノ・ガーデンは、店舗内のオペレーション(接客作業)を科学的に分析することで生産性を高めるコンサルティングを展開しております。飲食店のケースでは、テーブルタッチ回数注1などをKPI(重要業績評価指標)注2に設定・データを測定し、「見える化」することで、店舗経営者・管理者による業務改善施策の検討・意思決定をサポートします。しかし、店舗内の状況を目視で確認し、手動で分析するため、多大な時間・労力がかかるという課題がありました。
 今回の実証実験では、当社のAI技術で実現したラグビーの試合での映像分析技術を応用し、店舗映像から店員行動の切出し・分類・タグ付け注3を行い、テーブルタッチ回数の自動集計を実現します。これにより、店舗経営者や管理者などは、意志決定に必要な情報を簡単に把握でき、改善施策の立案・検証を実施しやすくなります。

 今後は、当社が持つコミュニケーションAI「RECAIUS™(リカイアス)」とアナリティクスAI「SATLYS™(サトリス)」の2つのAI技術を活かし、映像・音声・センサー情報など、さまざまなメディアデータを活用した行動分析・抽出技術を高めると共に、あらゆる企業・団体との共創をすすめて業界横断の知識・ノウハウをAIに取り入れることで、「未来型」の店舗経営に役立つソリューション・サービスの展開をすすめます。

<エンドースメント>

今回の発表にあたり、抽出すべき特定行動やKPIダッシュボード注4化に関する多くのノウハウを持つトリノ・ガーデン株式会社 代表取締役 中谷 一郎様より、以下のコメントをいただいています。

「過去実績から、飲食店において、店舗スタッフがお客様のテーブルに何回接客訪問したか(テーブルタッチ回数)の情報は、顧客の満足度との相関関係が高く、最終的にその店舗の近い将来の経営状況に影響を与えるKPIとして非常に価値のある情報になります。 しかし、我々のスタッフが店舗のカメラ映像からタッチ回数を手動で計測しKPI ダッシュボード化するため、非常に労力がかかり、多くの店舗で定常的にレポートを作成するのは困難でした。 今回、東芝デジタルソリューションズ様のラグビーの特定行動をAIで行動推定する技術を応用し、テーブルタッチシーンを抽出し、自動的にKPIダッシュボード化することができました。これにより、大手チェーン店様への定常的なレポーティングサービスが可能となるのは、私たちのお客様にとっても画期的な成果となります。」

図1:AIを活用し、各種メディアデータから意思決定に役立つ情報を自動でレポート生成

図1:AIを活用し、各種メディアデータから意思決定に役立つ情報を自動でレポート生成

注1:
テーブルタッチ回数。飲食店において店舗スタッフがお客様のテーブルに接客訪問した回数。
注2:
KPI(key performance indicator、重要業績評価指標):目標達成のために設定する定量的な指標
本件の場合は、「テーブルタッチ回数(何回接客訪問したか)」など
注3:
タグ付け:「テーブルタッチ中」「移動中」などそれぞれの動作にタグ付けすること。
注4:
KPIダッシュボード:KPIを可視化したツール。パソコンモニターなどで関係者が状況・課題を共有できる。

■トリノ・ガーデン株式会社について

 トリノ・ガーデン株式会社は、店舗や業務のオペレーション改善サービスを起点に、お客様の業績を向上させるコンサルティング会社です。「熟練者の作業標準化」や「外国人労働者の短期戦力化」など、IoTを活用し「人の動作・流れ・オペレーション」の見える化により、業務効率の改善と、リピーターが増える仕組みを提供しています。

トリノ・ガーデン株式会社 ホームページ
https://tollino-garden.com/
店舗オペレーション研究所(トリノ・ガーデンが運営)
https://store-operation.jp/

■東芝コミュニケーションAI「RECAIUS™(リカイアス)」について

 音声や映像から人の意図を理解しビジネスと生活の安心・快適な活動をサポートするサービスです。東芝が長年にわたり研究開発してきた、音声認識、音声合成、翻訳、対話、意図理解、画像認識(顔・人物画像認識)などのメディア知識処理技術(メディアインテリジェンス技術)を融合し体系化しました。RECAIUSは、新しいライフスタイルやビジネスの創出に貢献します。

RECAIUS(リカイアス)ホームページ
https://www.toshiba.co.jp/recaius/

■東芝アナリティクスAI「SATLYS™(サトリス)」について

 東芝アナリティクスAI「SATLYS™」は、東芝140年の「ものづくり」の実績から得た知見をAIの設計に活かし、高精度な識別、予測、要因推定、異常検知、故障予兆検知、行動推定などを実現します。SATLYSを活用した検査データ解析、センサーデータ解析、業務データ解析、行動データ解析などのソリューションを通じて、お客様のデジタルトランスフォーメーションを加速します。

・2017年10月30日発表プレスリリース:
AIによるビジネス変革を加速する 東芝アナリティクスAI 「SATLYS™」を提供開始
https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution/news/2017/1030.html

■ラグビーの映像分析について

 現状、ラグビーの試合映像を活用した戦略立案には、ソフト等で分析可能な状態にするため事前にスクラム・タックル・トライなどのプレーの種類ごとにタグ付けが必要です。しかし、映像を目視確認し、プレーごとにタグ付けする手作業が必要であり、膨大な時間がかかるなどの課題がありました。これを、東芝のAI技術で、ラグビーの試合映像からプレーの自動切出し・分類・タグ付けを可能にしました。

本技術は、トリノ・ガーデン株式会社と東芝デジタルソリューションズ株式会社が共同で特許を出願しています。
RECAIUS,SATLYSは、東芝デジタルソリューションズ株式会社の日本またはその他の国における登録商標または商標です。
その他、本文章に記載されている社名及び商品名はそれぞれ各社が商標または登録商標として使用している場合があります。

以上