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東芝ソリューションのXMLデータベース技術が情報処理学会の「喜安記念業績賞」を受賞

2010年6月1日
  • 東芝ソリューション株式会社

 東芝ソリューション株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:梶川 茂司)のXMLデータベース技術が、社団法人情報処理学会の「平成21年度 喜安記念業績賞」を受賞しました。同賞は、情報技術に関する新しい発明、新しい機器や方式の開発・改良、事業化プロジェクトの推進において、顕著な業績をあげ、産業分野への貢献が明確になったものに授与されるものです。今回の受賞では、当社のXMLデータベース研究・開発への取り組みが「従来困難であったXMLデータベースの大規模化の道を切り開いた」と評価されました。

 XMLデータは、電子取引をはじめとするインターネット上のさまざまなデータ交換や非定型の業務文書などの表現に適した、データ構造の柔軟性を特長とします。近年、XMLデータの活用範囲が急速に広まったことにより、企業・組織が扱うXMLのデータ量が増大する一方で、そのデータ管理において「大容量データでは検索スピードが低下するため、データベースの大規模化が難しい」ことが課題となっていました。

 当社は、独自に研究・開発した「構造自動抽出技術」・「問合せ最適化技術」(図1参照)を基に、テラバイト級のXMLデータでも高速処理するXMLデータベース「TX1」を2005年に商品化し、XMLデータベースの大規模化のご要望にお応えしてきました。さらに、TX1最新バージョンでは、データベースを分割し並列検索する「分散並列検索技術」(図2参照)の開発・実装により、数十テラバイトクラスの大容量データでも高速処理することを可能にしました。

 TX1は、これらの特長を生かし適用ソリューション分野を広げ、特許情報検索、新聞コンテンツ管理、電子申請情報管理、防災情報共有、規程管理など、さまざまな情報システムに活用されています。当社は、今後ますます増え続けるXMLデータのより適切な管理、情報資産としての活用を実現する技術の研究・開発を通じて、社会や企業のイノベーションに貢献してまいります。

TX1は東芝ソリューション株式会社の登録商標です。
情報処理学会について
 1960年に、コンピュータとコミュニケーションを中心とした情報処理に関する学術、技術の進歩発展と普及啓蒙を図り、会員相互間および関連学協会との連絡研修の場となり、もって学術、文化ならびに産業の発展に寄与することを目的に設立。同学会は、我が国の情報技術の開発・普及をリードする最も責任のある学会として、情報関連分野の急速な拡大と多様化に対応すべく、学術・技術の研究活動をさらに一層活発に進め、情報化社会の健全な発展に向けてその役割を果たしています。

 

図1:「構造自動抽出技術」・「問合せ最適化技術」

図1:「構造自動抽出技術」・「問合せ最適化技術」

「構造自動抽出技術」:XMLデータから構造を自動的に抽出して索引化(構造索引)する技術
「問合せ最適化技術」:抽出した構造と語彙を統計的に分析して最適な問合せプランを生成する技術

図2:「分散並列検索技術」

図2:「分散並列検索技術」

分散並列検索技術(Distributed Parallel Search(DPS))では、複数のTX1サーバを管理する 「TX1コーディネータ」が、それぞれのTX1サーバに対して同時かつ並列に検索の要求を行う。
この技術により、数十テラバイトクラスの大容量XMLデータでも、高速検索が可能。

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