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導入効果
危機回避に直結する事務業務の可視化
2005年12月、同行のリスク統括部と東芝ソリューションは共同でシステムの構築に着手した。システムをそのまま使うのではなく、同行の業務に合わせて追加の開発を行なう必要があったからだ。2006年11月からの本格稼動に向けて「事務品質アラーム®」導入過程の今、「リスクデータの分析に着手していますが、業務プロセスの見直しが期待できるツールとして、大きな手応えを感じている」(滝澤グループ長)と評価する。同行は、導入にあたって 3,000以上もある事務業務プロセスから、特に重要な500プロセスを抽出してモデル化した。様々な視点から情報を収集・分析し、オペレーショナル・リスクを効率的に管理しようとしている。「どのプロセスにリスクがあるのか一目瞭然になることで、プロセスそのものを変える、人間がやっていた業務を機械に置き換えるなどの対策を打ちやすくなる」とリスク統括部オペレーショナルリスクグループの児玉辰彦氏は話す。また、貴重な情報となる顧客の意見や要望をデータベース化する機能もカスタマイズにより追加した。「電子化によって、お客様へのフィードバック時間の短縮を実現できました。今後はテキストマイニングの機能なども盛り込み、経験の浅い行員の支援やスキルアップを目指した教育面での活用など、ナレッジマネジメントの促進も視野に入れています」(滝澤グループ長)。
将来展望
システム化がもたらす銀行の健全性
リスク統括部
オペレーショナルリスクグループ
グループ長
滝沢 聡康 様(上)
リスク統括部
オペレーショナルリスクグループ
児玉 辰彦 様(下)
事務リスクの管理で最も困難なのは、行員の意識の徹底だ。同行は、事務リスク管理を各部署の自発性に委ねていた。しかし、ミスが発生した場合、報告したくない、と思ってしまうのが人間の心理だ。だが、それでは管理側は困る。そこで、リスク管理をシステム化すれば、それを解決できると同行は考えた。データベースへの登録としてルーチン業務の中に組み込んでしまえば、心理的な障壁がなくなるというわけだ。「システム側で収集したデータから背景を分析すれば、再発防止策だけでなく、潜在的なミスの芽まで見えるようになります。さらに、対策を実施した後の改善状況についても経営陣を含む関係者がモニタリングできるようにもなります」(滝澤グループ長)。同行は、原価計算システムで一つひとつの作業にかかるコストを管理してきたが、今後は「事務品質アラーム®」と組み合わせて、リスクとコスト両面からバランスの取れた営業体制の整備にも役立てていく方針だ。さらに「事務品質アラーム®」の導入により「営業店の端末やホスト上の作業履歴などを一元収集し、各店舗のリスク管理や事務サポートなど、様々な視点で分析して、顧客サービス向上に役立てたい」(滝澤グループ長)と大きな期待を寄せている。顧客の満足度向上を追求し続ける静岡銀行。こうした同行の経営姿勢に触れたからこそ、東芝ソリューションは、今回の事例をモデルに、より金融機関に適合したソリューションとして「事務品質アラーム®」を進化させていくに違いない。
地域金融機関向け
リスクベース事務品質管理ソリューション
事務品質アラーム®
2006年度末からの新BIS規制(バーゼルII)施行を踏まえ、オペレーショナル・リスク適格要件達成を促すソリューション。銀行事務のリスクや品質を的確に評価し分析した上で先進的な改善計画を策定するシステムとして、銀行内で過去に起きたミスやクレームを内部データ化し、関係者への通知を確実に行なう。また、真の悪化要因を抽出すると同時に、損失に結び付く可能性を警告する早期警戒指標を浮かび上がらせ、解決のための改善計画作成を支援する。オペレーショナル・リスク計量化のためのリスク指標となるデータ収集からモニタリングまで、“銀行事務先進的改善”のための戦略的フレームワークを実現する事務品質管理ツールだ。
COMPANY PROFILE
会社名 | 株式会社静岡銀行 | この広告をPDFでダウンロード ■新聞
日経金融新聞 2006.9.15 東京新聞 2006.10.11 ■雑誌 日経コンピュータ 2006年9月18日号 |
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創立 | 1943年3月1日 | |||
本社 | 静岡県静岡市葵区呉服町1-10 | |||
代表 | 頭取 中西 勝則 | |||
資本金 | 908億円(2006年3月31日現在) | |||
従業員数 | 3,419名(2006年3月31日現在) | |||
事業 | 4地銀や有力信金がひしめく金融激戦区の静岡県において最大の市場占有率を誇り「地域とともに夢と豊かさを広げます。」という理念のもと、地域に密着した顧客本位のさまざまな活動で全国的にも「地銀の雄」のひとつとして知られる銀行。バブル期における不動産・開発融資の自制をはじめ、経営のあらゆる局面において漫然とした取引や出費を戒める行風でも存在感を示し、その邦銀トップレベルの盤石な財務体質は外部の格付機関からも高く評価されている。 | |||
URL | http://www.shizuokabank.co.jp/ (別ウィンドウで開きます) |
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この記事内容は2006年9月に取材した内容を元に構成しています。記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。