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コラム

[第24回] 定型業務はソフトウェア・ロボットで自動化!?
銀行の業務改革を牽引する「RPA」とは?

更新日:2017年10月30日

RPA(Robotic Process Automation)とは、ソフトウェア・ロボットを活用した業務自動化の取り組みのこと。人が行うパソコン上の作業手順をソフトウェア・ロボットに覚えさせることで、クラウドなども含めた複数のアプリケーションにまたがって作業できるのが特徴だ。
RPA導入にプログラミングなどの特別なスキルは必要なく、各メーカーから提供されるRPAツールを用いてソフトウェア・ロボットに簡単なトレーニングを積ませるだけで、自社の業務内容に応じたオリジナルの自動化システムを構築できる。最近はAI技術の導入により、より複雑な判断を求められるようなケースにも対応可能なサービスも出てきているようだ。

超少子高齢化社会を迎えた日本では人手不足が深刻化しつつあり、限られたリソースで生産性を向上させる手段の一つとしてRPAは注目を集めている。本記事では、RPAの特徴や強みを解説したうえで、RPAを導入した企業の事例や、導入を検討している企業の最新動向を紹介。また、金融業界におけるRPA活用の効果も考察する。

RPAが得意なのは定型業務。人とソフトウェア・ロボットの業務分担が進行中

少子高齢化を背景に、RPA市場は日本において大きな注目を集めている。しかし、ITコンサルティング・調査会社のガートナー ジャパンが2017年10月12日に発表した調査によると、RPAを「既に導入済み」と答えた国内企業は14.1%とまだまだ少ない。

一方で、独立系ITコンサルティング・調査会社であるアイ・ティ・アールの調査によれば、2016年度の国内RPA市場は前年度比4倍の規模に成長。2017年度も試験導入に踏み切る企業が急増したことから、同2.5倍増と引き続き高い伸びを予測しており、5年後の2021年度には市場規模が2016年度の約10倍にまで達すると見込んでいる。

このように、社会の働き方改革に対する関心の高まりやテクノロジーの進化に応じて、今後まだまだ伸びしろのある分野だと言えるだろう。

RPAの大きな強みは、大量のデータを高速で処理することができて、24時間365日休まず稼働し、ルールの範囲内では人間のように見落としやミスをしない点。さまざまな業務の中でも「ルールと手順がしっかり決められた定形処理作業」、いわゆるルーチンワークにおいてその力を発揮する。だからこそ、企業のRPA導入にあたっては、個々人の業務内容をどこまでルール化できるかを吟味し、属人化していた作業も「ここは自動化できる」といった仕分けを行う必要がある。

現在は、そうした業務の仕分けを含んだ「ソフトウェア・ロボットと人の業務分担」が世界的に進行している段階と言ってよいだろう。業界にもよるが、特に事務関連の部署には日々の定型業務が大量に存在するため、そうしたセクションをRPAで自動化することによる生産性の大幅な向上が期待されている。

それゆえに、先行してRPA導入が進んでいる業界は、大量の定形処理作業を抱える通信業や保険業、金融業、人材業などが中心となっているようだ。

保険業界、人材業界が積極的にRPAを導入。大幅に業務効率を改善!

日本でRPAを積極的に導入してきた業界の一つが、保険業界だ。たとえば第一生命保険では、海外製のRPAツールを用いたトライアル期間を経て、2017年10月から全社業務へのRPA導入を開始した。もともとは個人保険事務の約20種類の業務でトライアル稼働を進めてきたが、保険関係事務に加えてマーケティング、総務・会計、資産運用に関わる事務などにも順次導入を進めていくという。

人材業界の例を挙げると、世界最大規模の人材サービス企業・アデコの日本法人もRPAで大幅な業務効率の改善を図っている。34,600人もの派遣登録就業者を抱え、さらに多くの求職者の紹介も行っている同社では、日常的に膨大な量の事務作業が発生していた。事務作業の大部分を自動化することで、より多くの人的資源を登録就業者や求職者、顧客企業の支援のために活用できるようになり、顧客満足度の向上を実現させるという。

このように、「定型業務はできるだけRPAに任せる」ことで、よりクリエーティブな仕事や、コミュニケーション要素の高い業務は社員に専念させられるのがRPAの最大の魅力だろう。

また、今年大きな話題となったのがRPAホールディングスとソフトバンクの業務提携だ。RPAテクノロジーズなどを傘下に持つRPAホールディングスは、得意ジャンルの異なるRPAツールを複数持ち、日本のRPA市場を牽引する存在。一方のソフトバンクはいわずとしれた最先端のテクノロジーを有する国内屈指のIT企業だ。この提携では、RPAホールディングスの持つさまざまなRPAツールと、ソフトバンクが展開するAIやクラウドサービスなどを連携させることで、日本型RPAにふさわしい新しいソリューションの開発・導入を進めていくとされている。

業務効率化へのニーズが高まる金融業界。RPAを活用した改革に期待

このところ、国内の金融機関でもRPAの導入が活発化している。先行事例をいくつか紹介しよう。

RPAが注目される数年前から試行錯誤を続けてきた三菱東京UFJ銀行では、RPA導入により約20業務で累計20,000時間分の作業を削減することに成功したという。多くの行員を単純な手作業から解放できたことで、そうした作業に携わっていた行員をより高度な判断を要する業務に集中させることができたのだ。

一方、住信SBIネット銀行は、2017年6月より3部門11業務において本格稼働を開始している。
住宅ローン業務では、審査結果情報を取得してから顧客にメール通知するまでの一連の作業を全て手作業で行っていたが、ソフトウェア・ロボットに代行させたところ、約90%の作業負担を削減し、5〜6名を要していたスタッフも1〜2人で十分回せるようになったようだ。
月間1,700時間もの作業時間削減が実現しており、またミス発生件数もゼロ件となるなど、品質・精度の向上に寄与している。

ジャパンネット銀行のケースでは、JNB Visaデビットカードでの決済件数が非常に増えており、手作業では対応しきれなくなっていた。そこでRPAツールを導入し、低コスト構造化を推進。コストにして年間数百万円の差が出ているという。

三重県の地方銀行である百五銀行は、2017年10月16日からRPAツールの試行導入を始めることを発表した。
すでに本部事務のうち2業務を対象に事前検証を行っており、「格付自己査定業務」「投資信託集計報告業務」の一部をそれぞれ自動化したところ、前者では年間1,283時間の作業時間削減が見込め、後者でも作業時間が減り業務量の平準化が図れたという。

今やRPA導入による業務の効率化は不可逆の流れになりつつある。人手不足が課題となっている金融業界では、定型業務自動化のニーズは今後も増えるだろう。たとえば、今各地の銀行で、外部発行の公的書類、証明書といった紙の帳票やマイナンバーをOCRでデータ化する作業が多く発生しているが、こうした作業もRPAで自動化できると、大きな負担軽減が見込めるだろう。各社から提供されるRPAツールの特徴をよく吟味し、テスト導入してみてはいかがだろうか。

なお、2017年11月9日〜10日に開催されるTOSHIBA OPEN INNOVATION FAIR 2017では東芝の「RPA業務自動化ソリューション」が出展予定だ。紙情報をデータ化するOCR-RPAの連携活用など、生産性向上やコスト削減につながるソリューションを紹介するので、興味のある方はぜひ足を運んでいただきたい。

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ライタープロフィール

ライター:上野 俊一
ゲーム雑誌編集者、音楽制作雑誌編集者、VR雑誌編集者、フリーライターを経験。特にデジタルエンタテインメント分野に詳しい。最近はFinTech関連の記事を多く執筆している。


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