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Session1
量子技術による
サステナブルな未来

2021年8月19日(木)開催 アーカイブ動画

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Q&A

ディスカッション3「東芝の量子技術開発のキーマンがみなさんの疑問にお答えします」にお寄せいただいた疑問・質問について、当社の量子技術エキスパートが回答した内容をご紹介します。
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集合写真

左から
株式会社東芝 執行役上席常務/最高デジタル責任者 東芝デジタルソリューションズ株式会社 取締役社長 島田太郎
株式会社東芝 研究開発センター ナノ材料・フロンティア研究所 フロンティアリサーチラボラトリー 研究主幹 後藤隼人
東芝デジタルソリューションズ株式会社 ICTソリューション事業部 QKD事業推進室シニアフェロー 村井信哉
東芝デジタルソリューションズ株式会社 取締役 統括技師長 竹本潔

量子技術全体

Q1.量子技術のグローバル競争の動向や、日本の位置づけについて教えて下さい。

島田:
量子技術の実用化がかなり進み実際に動くものが出来てきて、中国、米国、欧州を中心に各国政府が本気で取り組み始めたことから、資金が投入されるようになり、グローバル競争モードに入っていると捉えています。日本には長い間研究開発してきた人材も多く、基礎技術は高いと思います。量子暗号通信など競争優位な技術もあるので、今後再び世界で光り輝けるよう、各国との競争に負けないよう当社としても取り組んでいきたいと考えています。
村井:
量子暗号通信については、日本は長年にわたり粘り強く研究開発してきたからこそ、今世界をリードする位置にあると思っています。当社の話を申し上げると、基本性能では鍵の配信速度や距離の部分でリードしています。今後社会実装が始まると、量子技術をいかにユーザーに使ってもらうかが重要になってくると考えており、使いこなしの技術あるいはソフトウェア技術といった点にも注力して、リードし続けたいと思っています。
後藤:
量子コンピュータは、汎用性の高いゲート方式では米国が非常に進んでおり、最近中国も良い成果を出しています。日本は国家プロジェクトとして大きな開発を進めており、今後追いつく可能性は十分あります。アニーリング方式という最適化技術では、カナダのD-Wave社が商用化に成功し先頭を走っています。国内では量子コンピュータにインスパイアされ普通のコンピュータで計算できる高性能なマシンを各社が開発しており、今その領域では強いのではないかと思います。

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Q2.国内での量子技術の産業化に向けた国の戦略や取り組みについて教えて下さい。

島田:
これまでは、どちらかというと研究開発に主眼をおいた協議会が国により作られてきましたが、2021年9月に国と独立した形で、量子技術を産業化することを目的に協議会が発足しました。日本はデジタルで負けたと言われますが、量子技術が立ち上がり技術の根本が入れ替わると、今までの技術を逆転できる可能性があります。この協議会での取り組み等を通して、次のグラウンドに向けた活動に真剣に取り組み始めています。
株式会社東芝 執行役上席常務/最高デジタル責任者 東芝デジタルソリューションズ株式会社 取締役社長 島田太郎の写真

株式会社東芝 執行役上席常務/最高デジタル責任者 東芝デジタルソリューションズ株式会社 取締役社長 島田太郎

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Q3.量子技術の時代に向けて、どのような人材、育成策が求められるでしょうか?

島田:
量子技術を社会実装する上では、量子技術そのものの人材育成だけでなく、量子技術と現在の産業をブリッジしていく技術やそれを支える技術の開発も重要になってくると思います。このようなことを1社で行うのではなく広くエコシステムを作って量子産業を育てていくことや、標準化や相互にシェアできる形で在来技術と量子技術とが融合できるようすることが極めて大事になると考えています。
村井:
量子暗号通信は、実は量子を扱う光の技術だけではなく、電気信号をやりとりするデジタル通信技術、ソフトウェアで素早く処理する技術など、色々な技術が融合しています。デバイス・ハードウェア技術だけでなく、それを使いこなすソフトウェア技術も含めて育成していくことが、今後の量子技術の社会実装、産業化にとても重要になってくると思います
後藤:
量子コンピュータの研究開発に従事している立場から申し上げると、ゲート方式は米国が進んでいるとはいえ、まだ基礎的な発見段階であり、新たな発見ができれば一気にブレークスルーして逆転できる可能性は十分あると考えています。そういう夢が研究開発の1つのモチベーションになっています。アニーリング方式では、社会実装が比較的近く、すぐに役立つことが期待されるため、どうビジネスにつなげ事業化していけるかに注力しています。

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Q4.量子技術の適用分野やそれによりもたされる社会の変化について教えて下さい

TOSHIBA OPEN SESSIONS Session1の基調講演「未来を拓く、Quantum Transformation(QX) ~東芝の量子技術が目指す世界とは~」(アーカイブ配信中)をご覧ください。【アーカイブ動画視聴には登録が必要です。】

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Q5.東芝の量子関連事業の海外への展開について教えて下さい

村井:
量子暗号通信は、海外でも様々な取り組みを進めていますが、特に欧州では十数か国が参画する“Open QKD”というプロジェクトで量子暗号通信のトライアルを行っています。欧州は大きく社会実装に向かっている主要な地域です。それ以外にも米国やアジアの国々でトライアルを進めており、ワールドワイドに展開していきたいと考えてます。
後藤:
量子コンピュータにインスパイアされた「シュミレーテッド分岐マシン」を開発・提供していますが、AmazonやMicrosoft のクラウドサービスを利用して全世界に提供が可能な技術となっており、サービス提供の検討を進めています。また、海外企業からオファーもいただいており、各社のサービスに組み込んでいく形での可能性も検討しています。
東芝デジタルソリューションズ株式会社 ICTソリューション事業部 QKD事業推進室シニアフェロー 村井信哉の写真

東芝デジタルソリューションズ株式会社 ICTソリューション事業部 QKD事業推進室シニアフェロー 村井信哉

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量子暗号通信

Q6.なぜ、ネットワークの暗号化に量子技術の活用が期待されているのでしょうか?

村井:
量子の性質を使って絶対盗聴されない通信が可能になるため、非常に重要な技術として期待されています。同じ量子技術を用いた量子コンピュータが発展しつつありますが、それによって現在使われている暗号アルゴリズムが解かれてしまう可能性があると言われています。そのため、その暗号をアップグレードし、将来にわたって安全に通信を行っていくための技術として、量子暗号通信が注目を浴びていると考えています。

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Q7.量子暗号通信の無線通信での実現性とその課題は?

村井:
量子暗号通信は、非常に微弱な光をやりとりするため、現在は光ファイバーを使って実現していますが、原理的には無線通信でも可能です。しかしながらこの実現には、微弱な光を空中に飛ばし相手の方向に正確に当てていく細かな制御など、様々な技術課題があります。一方で、非常にニーズは高いと思われるので、今後この分野での主要な技術課題になっていくと考えています。

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Q8.東芝の量子暗号通信の優位性や今後注力する事業領域は?

TOSHIBA OPEN SESSIONS session1の技術セミナー「開発者が語る!「理論上破られない」量子暗号通信」(アーカイブ配信中)をご覧ください。【アーカイブ動画視聴には登録が必要です。】

株式会社東芝 研究開発センター ナノ材料・フロンティア研究所 フロンティアリサーチラボラトリー 研究主幹 後藤隼人の写真

株式会社東芝 研究開発センター ナノ材料・フロンティア研究所 フロンティアリサーチラボラトリー 研究主幹 後藤隼人

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量子コンピュータ

Q9.将来的に、量子コンピュータは現状のコンピュータに置き換わるのでしょうか?

後藤:
完全に置き換わるということは無いと考えています。量子コンピュータは量子力学という物理理論で知られている特別な性質をうまく使って計算を高速化する技術ですが、高速化しやすい計算とそうではない計算があるので、全てのケースに適用できるわけではありません。現在のコンピュータとは得意な分野が異なっており、それぞれの得意な分野で使い分けられていくと思われます。

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Q10.量子技術とAI技術を組み合わせ自動運転などに応用するにはどのようなブレークスルー技術が必要でしょうか?

後藤:
量子コンピュータと同様、機械学習においても、量子力学の性質を利用した高速計算が重要なターゲットとなっています。そのため、機械学習を量子力学を使って高速化する量子アルゴリズムの開発のほか、そのアルゴリズムを実行するために必要となる比較的大規模な量子コンピュータの開発も求められます。それらが全て揃った時に、これまでできなかったような高度なことが可能になるのではないかと期待しています。

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Q11.東芝の量子コンピュータの強み・特長は?

TOSHIBA OPEN SESSIONS session1の技術セミナー「量子計算から着想した高速・大規模最適化ソルバー“シミュレーテッド分岐マシン™”~アニーリング方式との違いは何か?~」(アーカイブ配信中)をご覧ください。【アーカイブ動画視聴には登録が必要です。】

東芝デジタルソリューションズ株式会社 取締役 統括技師長 竹本潔の写真

東芝デジタルソリューションズ株式会社 取締役 統括技師長 竹本潔

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※この記事に掲載の、社名、部署名、役職名などは、2021年8月現在のものです。
※背景がブルーのご質問はQ&Aセッションでは回答しておりませんが、基調講演・セミナーにてご紹介している内容です。