イベント レポート
イベント
2017 Japan IT Week春
第20回 組込みシステム開発技術展
2017年5月10日(水) 〜 5月12日(金)に、リード エグジビション ジャパン株式会社主催の「2017 Japan IT Week春 第20回 組込みシステム開発技術展」が東京ビッグサイト(東京/有明)で開催されました。
東芝グループブースでは、先進の組込み技術とさまざまな分野をサポートする東芝のIoTについて展示とセミナーでご紹介、インダストリアルICTソリューション社からは、IoTアーキテクチャー、自動車IoTソリューション、音声合成ミドルウェア、制御システムセキュリティなどをご紹介しました。
●セミナー動画は こちら



展示ブースのご紹介
インダストリアルICTソリューション社の提供する幅広いソリューションの中から、以下のソリューションをご紹介しました。
■東芝IoT アーキテクチャー「SPINEX」

社会インフラや半導体などの事業で長年培ってきた技術や知見、IoTやAIなどの先進技術を結集した、東芝IoTアーキテクチャー「SPINEX」をご紹介しました。 SPINEXは、大きく3つの特長を備えています。
1つめは、現場の機器や装置の情報をクラウドに吸い上げ、製造現場の状況をデジタル上で忠実に再現する「デジタルツイン」。
デジタルツインにより、ユーザーは現場の機器や装置が実際に正常に稼働しているかどうかを、端末上でリアルタイムに分析・確認できます。
このリアルタイムでの分析に欠かせないのが、2つめの「エッジコンピューティング」。
現場(エッジ)でのリアルタイム処理と、より高度な演算処理能力を持つクラウド環境で行う処理とを、最適に組み合わせることで、分析・確認までのタイムロスを極限まで減らします。
さらに、データとして収集する画像や音声などの多彩なメディア情報を、AIを使って認識・解析し有効活用するのが「メディアインテリジェンス」です。
この3つの特長を備えたSPINEXは、インダストリアルIoTの重要な骨格となって企業や社会に貢献し、人びとの活動を支えます。
●関連ソリューションはこちら
■IoTスタンダードパック

SPINEXの特長となる構成要素を活用し、現場で何が起こっているのかを遠隔監視できるサービスをパッケージ化した「IoTスタンダードパック」をご紹介しました。
「IoTスタンダードパック」により、IoTを初期コストや運用コストを大幅に抑えて導入することが可能です。
横浜市・東京電力・東芝の公民連携で取り組む「バーチャルパワープラント」など、6つのプロジェクトで活用され始めていることなどもご紹介しました。
●関連ソリューションはこちら
■自動車IoTソリューション


音声認識や音声合成、音声対話などを提供するクラウドベースのAIサービス「RECAIUS(リカイアス)」と、セキュアな通信環境を実現する「次世代移動体通信ゲートウェイ(Next CGW)」とを組み合わせ、自動車開発に応用した展示を行いました。
自動運転時代にどんなユーザーエクスペリエンスが得られるかを体感できる、自動車のコックピットを用意。「川崎駅周辺のレストランを探して」と言えば、最適なレストランを見つけ出し、「そこに連れて行って」と言うだけで、自動でその場所まで運転していってくれるという未来を体験できます。RECAIUSは、特にノイズの多い車内での音声認識に優れている点が特徴です。そのためドライバーは、ハンドルから手を離すことなく、ハンズフリーでのカーナビ操作が可能になるのです。
「Next CGW」は、東芝が提供するコネクテッドカーや自動運転車に対応したソフトウェアプラットフォームです。緊急性の高いデータは3GやLTEで、大量データはWi-Fiで通信するなど、車の通信状況やデータの種類によって、通信経路を自動で切り替えて常に最適な通信環境を維持します。通信遮断が発生した際には、内臓ストレージに収集したデータを保存し、通信が再開したときにまとめてデータの送信を行うため、データの欠損を防ぐことができます。
●関連ソリューションはこちら
自動車IoTソリューション イベントレポート(パネルがダウンロードできます)
■組込みソリューション

東芝グループは、ハードウェアでも豊富な開発実績を有しています。こうした経験で培った技術を組込みソリューションとして提供していることをご紹介しました。
例えばOCR(光学式文字認識)の分野では、郵便物に書かれた郵便番号や宛先などを読み取り、道順組立機能を備えた郵便区分システムを1997年に開発。区分機を当時の郵政省へ納入するなど、長い開発実績と精度を誇ります。このOCRに関しては、組込みOCRエンジンを提供し、携帯電話や複合機、デジタルカメラなどの開発に役立てています。
また最近、ファンクショナル・セーフティ(機能安全)の概念がトレンドとなっている、自動車関連での開発も増えています。機能安全の標準規格である「ISO 26262」に準拠した開発が可能なのも、強みの1つです。
●関連ソリューションはこちら
■RECAIUS 音声合成ミドルウェア ToSpeak™


RECAIUSは、音声認識や音声合成、音声対話などを提供するAIサービスです。
この中で、音声合成の機能だけを、ミドルウェアとしてサービス提供しているのが「ToSpeak™」です。カーナビやサイネージ、POSシステムなどの機器やシステム、スマートフォンやタブレット用アプリケーションに組み込むことで、自然な声の発話機能を付加できます。
ブースでは、「ToSpeak™」をスマートフォン用アプリに組み込んだものを展示。アプリに任意のテキストを書くだけで、オフラインでも滑らかで自然な声で発話できることをご紹介しました。
メモリサイズがコンパクトなので、スマートフォンやタブレット用アプリに組み込むのにも適しています。ブースでは、アプリにテキストを書き込むだけで、女性または男性の声で、自然な発声を再現するデモを行いました。
イントネーションを調整して、より滑らかに発話させ、読み間違いを正す編集も可能です。息継ぎやため息などを入れて、より感情のこもった音声も実現できます。
カーナビやサイネージでの実績を重ねているほか、CAPCOM様のゲーム『めがみめぐり』でも採用され、声優の伊藤彩沙さんの声を臨場感たっぷりに再現しています。
●関連ソリューションはこちら
■制御システムセキュリティ

制御システムでは、Windowsなどの汎用OSの採用やネットワークへの接続が広がっており、利便性が高まると同時に、サイバー攻撃の標的となる脅威も増えています。こうしたオープン化が進む制御システムを、サイバー攻撃からいかに守るか? その対策を紹介しました。
現在最も有効な方法としてご提案しているのが、通信を物理的に一方向だけに制限できるデータダイオード「Waterfall 一方向セキュリティゲートウェイ」です。
このデータダイオードを、制御システムと業務システムとの間に組み込み、制御システムから業務システムへの一方向通信だけを許可。業務システムからの通信を物理的に遮断するので、外部ネットワークからの侵入を不可能にします。つまり、セキュリティ保護をクローズド環境と同等レベルで実現しつつ、制御システムをリアルタイムで活用できるのです。

データ通信を光ケーブルのみで行なう「Waterfall 一方向セキュリティゲートウェイ」は、送信のみ可能なTXと受信のみ可能なRXとで構成されます。
TXは発光部のみを、RXは受光部のみを備えているため、通信を物理的に一方向だけに制限できます。
●関連ソリューションはこちら
■Waterfall Security Solutions(イスラエルパビリオン内): データダイオード Waterfall 一方向セキュリティゲートウェイ

同時開催の「第14回 情報セキュリティEXPO 春」のイスラエルパビリオン内Waterfall Security Solutions社ブースでも、「Waterfall 一方向セキュリティゲートウェイ」をご紹介しました。
セミナーのご紹介

展示ブース内セミナーコーナーでは、展示コーナーでご紹介した内容に関連したセミナーを開催、インダストリアルICTソリューション社からは、以下のテーマでプレゼンテーションを行いました。
・『東芝IoTアーキテクチャー「SPINEX」 人・モノすべてをつないで実現する』
・『見える化・遠隔監視から始まる”IoTスタンダードパック”
〜グローバル対応IoT活用サービスの迅速立ち上げを支援〜』
・『自動車IoTソリューションを支える次世代移動体通信ゲートウェイ
〜インテリジェントな通信により未来のドライブを実現〜』
・『東芝が目指すAIと新たな応用ビジネス
〜意図や状況に合った新たな情報サービスの提案〜』
●セミナー動画は こちら