
東芝グループでは、調達部門を起点とした利益の最大化とリスクの極小化を図るべく「品目別戦略」「パートナー戦略」「調達COPQ削減」の3つを柱とした調達イノベーションを推進中。これを支えるIT基盤の見直しとして、東芝調達IT武装強化プロジェクトを発足し、活動している。そこで培われたノウハウを取り込んだのが調達ソリューション「ProcureMeister®」である。
この東芝グループの調達ノウハウが詰め込まれた「ProcureMeister®」は、見積内訳まで管理できる電子見積機能や汎用文書管理機能をはじめ、取引先調査機能やBCM機能などサプライチェーン全体のリスク管理にも効果を発揮するサプライヤーコミュニケーションなど、戦略的調達システムとして既設の調達システムと連携し、より使いやすいシステムを実現している。
- 事業領域ごとに調達の仕組みが構築されていたことでシステムが縦割りとなり、データの有効活用が困難だった。また、各カンパニーの取りまとめを中心に行うコーポレート調達部門が手掛ける統合調達において、スケールメリットを発揮する機会が少なかった。
- 品目及びパートナー戦略、そして部門間連携による調達コストの削減と調達業務高度化に向けたインフラ作りを断行。詳細な見積内訳の管理や取引先調査、BCM管理など調達情報基盤を整備。
ソリューション事例概要



プロジェクト経緯全文を読む
- 東芝グループの事業領域ごとに調達システムが存在、個別に最適化された状態で運用されていた。
- 日々発生する調達データの全社横断的な有効活用が困難だった。
- 従来、各カンパニーの取りまとめを中心に行っていたコーポレート調達部門には、グループ共通で利用可能な素材や部材を調達する統合調達品目を拡大しバイイングパワーをより一層発揮させるなど、現状のシステムを見直すことにより、今まで以上にスケールメリットが発揮できる可能性があった。
プロジェクト概要全文を読む
- 調達イノベーションでは、「品目別戦略」「パートナー戦略」「調達COPQ(※1)削減」という3つの基本戦略と、この基本戦略を実現するために「調達人材の育成」「調達遵法の徹底と調達CSR推進」「調達ITシステムの整備」という3つの調達基盤作りに取り組んでいる。
- ボタン一つで世界中の調達情報が可視化できる仕組みを作り上げることを目指し、IT化を推進するための「調達IT武装強化プロジェクト」がスタート。
※1 COPQ(Cost of Poor Quality)/品質不良や欠陥などのために生じる無駄なコストの総称。設計変更など出発生する目に見えないコストも含まれる。
IT化に向けた取り組み全文を読む
- 田中調達部長(現・取締役 代表執行役社長)がプロジェクトオーナーに就き、コーポレート調達部門及びIS部門がプロジェクトメンバーとして参画。また、各カンパニーの調達システムと調達企画の担当者を交えた調達システム戦略委員会を編成。
- フェーズ1で調達DWH(※2)の一部としてデータの蓄積を実施、フェーズ2でシステムごとに異なるデータ構造の品質を高めていくデータ整備を実施。
- データ品質の保証と業務の標準化、効率化の同時実現が可能なクラウド基盤を検討。
※2 DWH(Data WareHouse)/企業の経営戦略や意思決定に役立つ情報を、組織内に蓄積した大量の業務データベースから分析・抽出するシステム。
システムのポイント全文を読む
- 調達先となるサプライヤーとのコミュニケーションに重点を置いた基盤作り。
- 見積内訳が管理できる電子見積機能をはじめ、汎用文書交換機能や取引先調査、BCM(※3)機能などを実装。
- プロジェクトでは、カンパニーごとに異なる業務の中から共通項を見つけ出して標準化。
※3 BCM(Business Continuity Management)/災害など有事に重要な業務を早期に再開させ、リスクを最小限にするため平時から事業継続計画を策定するともに、その導入・運用・見直しという継続的改善を含む事業継続のためのマネジメント。
今後の展望全文を読む
- 実装した仕組みを各カンパニーで積極的に活用し、戦略的に調達情報を活用していきたい。
- 調達オペレーションそのものをグループで均一化していくことで、生産性向上につなげていきたい。



お客様の企業情報
- 会社名:
- 株式会社東芝
- 創業:
- 1875年(明治8年)7月
- 代表者:
- 取締役 代表執行役社長 田中 久雄
- 本社所在地:
- 東京都港区芝浦1−1−1
- 事業内容:
- 電力・社会インフラ、コミュニティ・ソリューション、ヘルスケア、電子デバイス、ライフスタイルの5事業、および全社横断的にICTを推進するクラウド&ソリューション事業。国内外グループ590社、従業員約21万人の総合力でグローバルに事業を展開。
- URL:
- http://www.toshiba.co.jp/
- 導入プロダクト:
- ProcureMeister®
この記事内容は2013年12月11日に取材した内容を元に構成しています。記事内における数値データ、組織名、役職などは取材時のものです。