お客さまインタビュー

「働き方改革」の成功への第一歩となった
知財管理業務のノウハウを生かしたRPA導入

カンパニー:東レエンジニアリング株式会社 × RPAロボット技術支援サービス

 東レエンジニアリングは、1960年に設立された企業。工場建設・生産設備の保全担当部門としてスタートした。現在、国内外に12社の関連会社を持つ企業として事業を展開。素材を作る化学プラントや素材を形にする生産設備を作り上げることで同社の付加価値を高めている。今回、同社の知的財産部は、東芝デジタルソリューションズの「RPAロボット技術支援サービス」を導入。その効果について知的財産部のメンバーにお話を伺った。

知財管理業務では、期限管理リストや報奨金支払リストの作成、発明者へのメール通知など手間のかかる定型業務が多い。この定型業務の効率化が大きな課題。

手間がかかっていた定型業務をRPAにより自動化することで生産性が向上。RPAに関するノウハウを社内に蓄積し、想定以上の業務効率化も実現した。その成果は、RPA社内水平展開の加速につながった。

導入の背景

エンジニアリングとものづくりの両輪

 東レエンジニアリングは、工場建設・生産設備の保全担当部門としてスタートした企業として知られる。

尾崎 正行氏

開発部門・知的財産部長

尾崎 正行氏

 主要事業は、プラントエンジニアリングやファクトリーオートメーションなどを提供する「エンジニアリング事業」と、液晶パネル/半導体などの製造・検査装置やシミュレーションや生産管理システムなどのソフトウエアを手掛ける「ものづくり事業」の2分野。

 「当社の事業領域は“エンジニアリング”と“ものづくり”。独自の商品開発を進めながら事業を広げています。設備などに関するニッチな領域では、世界トップクラスのシェアを獲得している商品も少なくありません」と開発部門・知的財産部長の尾崎正行氏は語る。

 同社は、これまで培ってきた「ものづくり/施工に関する技術」、「工学」、「ノウハウ」を駆使し、顧客に対し最先端でより高品質なソリューションを提供し成長し続けている。

導入の経緯

「働き方改革」業務効率化が課題

 東レエンジニアリングでは、「働き方改革」をキーワードにRPA※1の導入(RPAツールはUiPath※2を選定)をトップダウンで決めた。

 実証実験を実施する対象部署として知的財産部が選ばれた。知財管理業務は、期限管理リスト、報奨金支払リストの作成や発明者へのメール通知などを作成しなければならない。知財管理のシステムは稼働しているが、細かい部分は表計算ソフトなどを使って業務を遂行しており、定型業務が多く、人手が必要な部署だ。

 「知的財産権の件数が多い企業では、専任のスタッフを配置するケースもありますが、当社の場合、そこまでのボリュームではありません。RPA導入により、業務が効率化できれば、より生産性の高い業務に比重をおくことができ、生産性向上につながると考えました」(尾崎氏)

※1 RPA: Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)
※2 UiPathはUipath社の米国およびその他の国における商標です。

導入のポイント

知財管理業務とRPAの豊富なノウハウが大きな魅力に

 さっそく、RPAを導入するベンダーやソリューションの検討が開始された。

 「いくつかのRPAツールベンダーやSIerに声を掛けました。その中で知財管理全般に関するノウハウがあり、知財管理業務のどこにRPAを使えば効率化できるのか、相談することができたのが、東芝デジタルソリューションズでした。」(尾崎氏)

 「東芝デジタルソリューションズには、当社の課題を伝え、その課題をRPAにより解決するためのレポートも提供していただきました。これが選定のポイントになりました」(尾崎氏)

導入の効果

業務効率の向上とRPAに関するノウハウの社内蓄積に成功

 東レエンジニアリングでは、東芝デジタルソリューションズの「RPAロボット技術支援サービス」を導入。

 「当初、ロボット開発を依頼しようと考えていました。しかし、社内でのノウハウ蓄積を考えると、“開発”ではなく、自動化の有無や保守性の高いロボットの作り方などを教えてくれる“技術支援”が望ましいと考えました」(開発部門知的財産部専門主席の新井弘氏)

新井 弘氏

開発部門知的財産部
専門主席

新井 弘氏

 「公開されている有用な情報をもとに、実際にロボットを作成しようとするとわからないこともありました。例えば、自社知財管理システムの動作を自動化させる際に、“特定のボタンだけ押せない”といった問題などは解決できませんでした。このような問題を解決し、代替案も合わせて提示してくれました。また、作成したロボットをチェックし、改善点も提示してくれました。東芝デジタルソリューションズのRPAロボット技術支援サービスは非常に有用でした」(新井氏)

 東芝デジタルソリューションズでは、ロボットが動作しない場合のアドバイスやロボットのチューニング支援を実施。その結果、東レエンジニアリングが作成したロボットは安定して稼働しており、業務効率も大きく向上している。

 「東芝デジタルソリューションズの手厚い支援のおかげもあり、現在ではいくつものロボットが稼働しています。RPAの導入から半年ほどで約150時間の時間削減を実現することができました。」(尾崎氏)「業務効率が上がったため、これまで月末にまとめて処理していた知財管理業務が苦にならなくなりました」(新井氏)

 また、RPAロボット技術支援サービスは、東レエンジニアリングに新たなメリットも生み出したという。

 「RPAに関するノウハウを社内に蓄積していくことができ、例えば、自動化対象のシステムに変更があった場合でも、当社側で対応できるようになりました。このメリットは非常に大きいと思います」(尾崎氏)

将来の展望

さらなる業務改善とRPAの社内水平展開

 定型業務のプロセスを標準化し、RPAを使えるようにすれば、業務効率はどんどん向上していく。

 東レエンジニアリングでは、今回の成果が評価され、知的財産部以外の部署への導入も決まった。RPAの適用領域は更に広がり、生産性向上に大きく寄与していくことになる。

 働き方改革や生産性向上のため、RPAの導入を検討している企業はもちろん、既にRPAを導入している企業にとっても「RPAロボット技術支援サービス」は有効活用していただけるサービスである。

新井 弘氏(左)、尾崎 正行氏(右)

SOLTION FOCUS

RPAロボット技術支援サービス

RPAによる業務自動化に取り組まれている内製化を目指すお客さま向けに、ロボット作成中の技術的なアドバイスを行う支援サービスを提供します。運用中あるいは作成中のロボットの品質を診断するなど、ご要望に応じた支援も行っています。
本サービスを利用することでRPAに関するノウハウを社内に蓄積することが可能になります。

この記事の内容は2020年2月に取材した内容を元に構成しています。
記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。

COMPANY PROFILE

会社名
東レエンジニアリング株式会社
設立
1960年8月10日
本社所在地
東京都中央区八重洲1丁目3番22号
事業概要
エンジニアリング事業、エレクトロニクス事業
URL
https://www.toray-eng.co.jp/ 別ウィンドウで開きます

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