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お客さまインタビュー

1万8千名の働き方改革とコミュニケーション活性化に貢献
グループウェアやチャット、Web会議による全庁的な基盤を整備

カンパニー:神戸市企画調整局 × desknet's NEO.Gov

 神戸市は、働き方改革の一環として多様な働き方の実現をはじめ、業務の省力化や生産性向上、庁内でのコミュニケーションの活性化など幅広く取り組んでいる。この実現のため、組織横断型のコミュニケーション基盤として導入・活用されているのが、東芝デジタルソリューションズ(以下、東芝)が提供しているグループウェアやチャット、Web会議システムである。

庁舎内でのコミュニケーション方法は主に電話やメールが中心で、スケジュールはExcelで作成した表をベースに調整していたため、時間と手間がかかっていた。これらの課題解決のため、コミュニケーションの活性化、働き方改革を図ることとなった。

正規職員や派遣職員も含めて1万8千名ほどがグループウェアを利用、チャットだけでも1万3千名が利用するなど全庁的なコミュニケーション基盤を整備することができた。また、本庁と行政区との間の打ち合わせやミーティングなどにはWeb会議システムも活用、神戸市が目指す働き方改革を実現している。

導入の背景

働き方改革の機運の高まりによって全庁的な基盤整備を目指す

 兵庫県の県庁所在地で、古くから港町として発展してきた神戸市。多彩な文化が融合する国際色豊かな神戸市は、150万人超の住民が生活する政令指定都市であり、近畿を代表する大都市の1つとして発展を続けている。2006年には神戸空港が開港し、2008年にはユネスコ創造都市ネットワークのデザイン都市に認定されるなど、洗練された都市ブランドとしての地位を確立している自治体だ。

 そのような神戸市では、これまで庁内全域でのコミュニケーション基盤が十分に整備されておらず、部署単位で部分最適化された環境が中心となっていた。「阪神淡路大震災の被災自治体として復興を最優先で進める必要があり、財政面で苦しい時代が続きましたが、最近になり復興というステージから戦略的な投資を進めることができるステージになって来ました」と、神戸市企画調整局情報化戦略部 ICT業務改革担当 係長 横尾 健太郎氏は説明する。

 昨今、働き方改革の機運が日本全国で高まったことも大きな契機となり、2017年には働き方改革推進チームが新たに設置された。神戸市として業務改革につながる取り組みを加速させることで、市民サービスのさらなる充実に寄与する環境づくりを整備していくことになったという。

導入の経緯

課題の多いコミュニケーションを一新する環境づくり

横尾 健太郎氏

神戸市企画調整局 情報化戦略部
ICT業務改革担当 係長

横尾 健太郎氏

 これまでの庁舎内でのコミュニケーションの方法は電話やメールが中心で、部署を超えたスケジュール調整は、Excelで作成した表を添付して各自が予定を書き込んでいた。「業務改革によってコミュニケーションをさらに活性化させていくためにも、組織を超えてスケジュール調整やコミュニケーションが容易に図れる環境を整備していくことが必要だと考えました」と横尾氏は説明する。

 新たなコミュニケーション基盤として検討したのは、主にスケジュール調整などに効果を発揮するグループウェア、コミュニケーションの活性化に貢献するチャットツール、離れた行政区同士で活用するためのWeb会議ツールなどだ。「チャットについては、以前私が民間企業に出向していたときに社内のコミュニケーション基盤として利用していましたので、気軽にコミュニケーションできる環境の重要性は実感していましたし、Web会議も業務改革に有効だと思っていましたね」と横尾氏。

導入のポイント

人事異動への対応、情報ポータルとして活用できる仕組みを目指して

 新たなコミュニケーション基盤の調達に向けて意識したのは、毎年の人事異動や組織改正時にも柔軟に変更できる仕組みづくりだった。「例えばパスワード変更や電話帳の更新などが発生した際にも、1つ変更するだけで全てのツールに適用できるような環境づくりを意識しました。」と横尾氏は説明する。

 また、チャットの仕組みでは、情報化戦略部に依頼することなく自分たちで任意にグループを作れるような、自主性が発揮できる仕組みを検討した。「コミュニケーションの活性化を目的にしていたこともあり、無駄な管理フローをなくしたいと考えていたのです。他にも、グループウェアを情報集約ツールとして活用したり、電子決裁システムなどと連携し、他のシステムからの承認依頼やアラート情報などがグループウェア上で確認できる職員ポータルのような仕組みをイメージして具体的な検討を進めました」と横尾氏。

 そして、神戸市が目指す働き方改革のツールにふさわしい環境を実現できる仕組みを目指して入札を行い、最終的に東芝が提案したコミュニケーション基盤を選択。官公庁・自治体向けグループウェア「desknet‘s NEO.Gov」を中心に、ビジネスチャット、Web会議システム、ID統合管理システムを組み合わせ、シングルサインオンや人事異動への迅速な対応が可能なコミュニケーション環境を構築することとなったのである。

導入の効果

1万8000人が利用する全庁的な基盤の整備に成功

 現在は、正規職員や派遣職員も含めて1万8000人ほどがグループウェアを利用しており、チャットだけでも1万3000人が利用するなど全庁的なコミュニケーション基盤として活用が進んでいる。Web会議システムは、本庁と行政区との間の打ち合わせやミーティングだけでなく、最前線で市民の安全を守る立場にある消防局などは各地にある連絡所との緊密な連絡手段として積極的に利用されている。なお、チャットについては厳格に縛ることなく自由にグループルーム作成が可能となっており、現在は2500ほどのグループルームが作られている。なかには数十人規模の参加者でチャットが運用されているケースもあるほどだ。

■ChatLuck画面(イメージ)

 さらに、グループウェアにある機能を活用して新たな業務に利用したいという要望も寄せられるなど、全庁的なコミュニケーション基盤として広がりを見せている。「機能をグループウェアに集約していますが、不便だという声は聞こえてきません。思った以上に活用が進んでいるなど、いい影響が出ていると考えています」と横尾氏は評価する。業務改善の提案を書き込めるような仕組みもある。電子会議室機能を利用した「やめる提案箱」は、市長の発案でスタートしたものですが、こちらが予想以上に活性化しています。ある業務をやめたいという提案に対して、なぜこの業務が必要なのかを回答する場面もあるなど、業務が持つ意義の理解が進むという意味でも役立っています」と横尾氏。

白須 広美氏

神戸市行財政局 業務改革課

白須 広美氏

 実際の利用者の立場からは、グループウェアはもちろん、チャットやWeb会議システムも違和感なく利用されており、部署によって違いはあるものの、広く活用されていると神戸市行財政局 業務改革課 白須 広美氏は実態を説明する。「チャットであれば、みんなが集まって意見を出し合うのと変わらないスピードで、複数人から同時に意見をもらえるため、メールよりも効率的になっているはず」と白須氏。Web会議システムも資料を見ながら打ち合わせできるなど、有効に活用できているという。これまでExcelやメールを駆使して調整していたスケジュールも、今は承認機能のあるグループウェアによって簡単に調整できるようになったと評価する。「ほかの課との日程調整が非常にやりやすくなっています。会議室も一緒に予約でき、活用が広がっています。全ての会議室がこの機能を活用できれば、さらに便利ですね。また、物理的な会議では資料の印刷なども含めて会議の準備に時間をとられていましたが、Web会議は資料の配布など事前準備が短時間で済み、空いた時間を別の業務にあてられるようになりました。働き方改革という意味でもとても良いですね」と語る。

 今回提案から構築まで担当した東芝については、「自治体としての規模が大きいだけに、当初、アクセスが集中してしまうとネットワークが繋がりにくいというケースもありましたが、システム運用のなかでうまく解消するなど、迅速な対応のおかげで安定運用できています。現場に寄り添った提案も数多くいただいていますし、期待するサービスレベルを上まわる形で迅速に対応してもらえています。東芝と一緒に仕事をさせていただくことになり、良かったと感じています」と横尾氏は評価している。

将来の展望

ペーパーレス化の推進と機能拡充、最新テクノロジーへの期待も

 現在、神戸市ではペーパーレス化に積極的に取り組んでおり、無線LAN環境の整備やプリンタの最適配置などの施策によって、平成28年度の調査で年間2億枚の排出していた紙の大幅削減を目標に活動を続けている。その目標達成に向けて、今後もグループウェアやWeb会議システムなどを大いに活用し、ペーパーレス化推進の一助としていきたいという。

集合写真

プロジェクトメンバーの皆様
(左から、深尾様、白須様、加藤様、横尾様)

 将来的にはスマートフォンなどモバイルデバイスからの利用をはじめ、庁内ネットワークにおける活用環境の整備が進めば、外郭団体など外部との日々のやり取りにも活用できるコミュニケーション基盤としても検討を進めていく方向だ。

 神戸市は、今回の取り組みをきっかけに、今後もさまざまな業務改革につながる最新テクノロジーやRPAの事例について情報提供を求めるなど、東芝に期待している。
 その期待に応えるべく、東芝はこれからもデジタルソリューション企業として自治体と一緒になり、改革を進めていくだろう。

SOLTION FOCUS

desknet's NEO.Gov

 官公庁・自治体向け専門のコミュニケーションツール。一般企業、学校など380万人以上のユーザに利用されている顧客満足度No1グループウェア「desknet's」をベースに地方公共団体の声に応え、2015年提供開始。以来、毎年強化を続けている。
 desknet'sNEOの持つ豊富な機能に加え、官公庁・自治体から要望の多い機能(全庁掲示版、LGWANメール、幹部スケジュール等)を標準で搭載。LGWAN-ASPでも提供しており全国の県・政令市から市町村まで幅広くご利用いただいている。

この記事の内容は2019年8月に取材した内容を元に構成しています。
記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。

PROFILE

庁舎所在地
兵庫県神戸市中央区加納町6-5-1
URL
http://www.city.kobe.lg.jp/information/about/construction/0400/index.html 別ウィンドウで開きます

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