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セルフ・キャリアドック制度とGeneralist®が幸せなキャリアを実現

戸花康博氏

戸花康博氏

人材育成ソリューション『Generalist® / LM』で知られる東芝 インダストリアルICT ソリューション社。同社がこれまでにない新しい研修BPO サービスを始めるという。「キャリアコンサルタントの国家資格化」という社会的な流れを追い風に、新サービスをどのように展開していくのか。同社商品統括部HRM ソリューション技術部主務の戸花康博氏にお話を伺った。

注目の国家資格

2016年4月、キャリアコンサルタントの国家資格化が実現し、注目を集めている。もともとキャリアコンサルタントは、1999年に日本マンパワー社が全米キャリア開発協会の指導のもとに事業化したのが始まり(当時の名称はキャリアカウンセラー)。当時の名称から転職希望者や新入社員に対してカウンセリングを行うイメージを持たれがちだが、個人の生き方や働き方が多様化している現在、一人ひとりの「自分はどう働くべきなのか」という気づきを促す存在がキャリアコンサルタントだ。今後は「セルフ・キャリアドック」という節目節目のキャリアコンサルティングが推進されていくとみられている。
こうした一連の動きを注視している企業は少なくない。中でも東芝 インダストリアルICTソリューション社は、このような人材開発の新しい潮流を自社のソリューションに取り入れ、新しいサービスとして提供する動きを見せている。

適切な教育環境が鍵

同社は、Learning Portal ManagementSystem(以下LPMS)「Generalist® /LM」を提供する企業として知られている。導入企業数5100社以上、利用者数は580万人以上と非常に多くの支持を集めている人材育成ソリューションだ(図1)。
Generalist® / LMとキャリアコンサルティング推進の動きがどのように連動するのか、同社商品統括部HRMソリューション技術部の戸花康博氏は、次のように説明する。
 「セルフ・キャリアドックには、従業員自身が自分の能力や適性に気づき、自己理解を深めることによって能力開発の自信や意欲を高める狙いがあります。能力開発の意欲の高い従業員に対しては、それをサポートする教育環境を用意することで、さらなる能力向上が可能になります。その時に、教育環境は従業員に対して一律のものではなく、一人ひとりの従業員に適切な価値を提供することが重要だと考えています」
 Generalist® / LMは、個々のキャリア情報が分かり、個人に合った学習環境を提供できる「学びの場」だ。

人材の考え方・教育ニーズは時代により変化します。Generalist/LMはお客様のニーズにあわせ、常に成長を続けています。LPMS(Learning Portal Management System)は自ら学び、育成する「学びの場」を提供します。

LMSの成長

図1 LMSの成長 ~LMSは第3世代へ~

  • 過去に学んだコースや取得した資格、業務経歴がすぐに分かる
  • 従業員が必要な時に、いつでも学ぶことができる
  • 能力に合わせた学習教材が提供されるアダプティブラーニング

このような特徴を持つ、まさにこれからの人材育成に欠かせないソリューションだと言える。しかし、同社が考えているのはキャリアコンサルティング推進の動きにGeneralist® / LMが最適だということだけではなく、さらに一歩踏み込んだサービスを検討中だという。

研修BPOサービスの概要

同社が今後提供する新しいサービス、それが研修BPOだ。企業独自の人材育成を、東芝が培ったノウハウをもとに支援する。
具体的には同社のGeneralist® /LMのポータル機能と、東芝総合人材開発(以下、HRD)が持つ教育研修の企画・立案・実施及びコンサルティングなどのノウハウを合わせ、「研修企画アウトソーシング」(人材 開発戦略・教育企画コンサルティング、人材アセスメント教育企画コンサルティング)、「研修コーディネートアウトソーシング」(教育コンテンツ選定・提供、東芝で実績のある教育コンテンツの提供)、「研修運用アウトソーシング」(LMS運用代行、ポータル制作代行、定着・効果検証、研修施設・備品提供、eラーニング・コンテンツ制作)といったサービスを提供する。
これにより、顧客は自社の人材育成部門の価値最大化のために、東芝での人材育成経験やノウハウを活かした「学びの場」をつくることができ、多様化と共に増す一方の「人材育成の運営負荷」を軽減することができる。
 「『研修企画』に関しては、階層別研修、グローバル研修など具体的なテーマに基づく提案をしていきます。『研修コーディネート』は、当社のGeneralist® / LMを導入している企業からコンテンツの提供を求められるケースが多いため、HRDが持つノウハウを駆使して教育ベンダーと連携し、最適なコンテンツを“目利きする”サービスです。『研修運用』については、例えば、ある会社から『eラーニングの受講率が上がるまでフォローしてほしい』という要望を受けたり『集合研修の事務局をお願いできないか』という要望を受けることが多いのですが、それにお応えするものです」(戸花氏、以下同)
 一般的に、人材開発部門自体が縮小される傾向にある中で、人材開発担当者は研修の企画で精一杯、運用は任せたいというケースも少なくない。運営負荷が高まる一方なので、こうしたサービスは歓迎されそうだ。
 「このサービスを提供するためにはHRDとの連携、そして教育ベンダーとの連携が欠かせません。『東芝が実際に使っているコンテンツなので、安心して使ってください』と言えるものでなければ、外には出せませんから」
ポータル・運用サービスのイメージは図2の通りだ。LMSベンダーでここまでやる企業はほとんどない。同社にとってもこうしたサービスまで含めて提供することで、単純な価格競争に巻き込まれず、長くGeneralist® / LMを使ってもらうというメリットがある。提供する側、される側双方にとって価値あるサービスだと言えるだろう。

Generalist®/LM(Saas)上に「学びの場」(ポータル)を設け、その運用価値を創出するために、東芝総合人材開発株式会社(HRD)の持つ経験やノウハウを活かして、教育コンサルから、目的に叶った集合研修・eラーニングを目利きするトータル・サービスを提供する

人材の考え方・教育ニーズは時代により変化します。Generalist/LMはお客様のニーズにあわせ、常に成長を続けています。LPMS(Learning Portal Management System)は自ら学び、育成する「学びの場」を提供します。

図2 研修BPO「ポータル・運用サービス」イメージ

研修BPOサービスの概要

研修BPOサービスについて、さらに詳細なメニューを見ていこう。

  1. 教育コンサル/
    導入企業の課題や要望を整理し、人材育成企画を提案するサービス。例えば、コンサル1名が3カ月間で教育体系を策定する。
  2. 研修/
    導入企業の要望にかなった教育コンテンツの選定・提供サービス。研修の選定や講師の派遣がこれに含まれる。
  3. ポータル・運用/
    学習する組織を構築するための企画提案サービス。あるいは「学びの場」の運営サービス。例えば、コンサル1名が3カ月間で「学びの場」の企画を作成する、「学びの場」自体の提供としてポータルの作成・登録、コンテンツの更新・追加などを行う。
  4. 業務設計/
    研修運営の課題や要望をヒアリングしたうえで、Generalist® / LMを使用した研修管理の運用業務を設計する。
  5. L M S 運用/
    L M S 運用業務の確認、L M S の設定・運用作業。Generalist® / LMの初期設定代行や、運用業務全般(ユーザー登録、コンテンツ登録、受講設定、開講メール・フォローメールの送付など)の代行。
  6. コンテンツ(Generalist® / LM活用)/
    研修内容の要望をヒアリングしたうえで、コンテンツの企画やシナリオ作成、コンテンツ制作を行い、その運用管理も行う。
  7. コンテンツ(標準コンテンツ提供サービス)/
    目利きによるコンテンツのピックアップや、LMS への登録、定期的なメンテナンスなど。

「このように多くのサービスを考えていますが、まずは研修コーディネートからスタートしていきたいと考えています。世の中には数千に及ぶコンテンツが溢れていて、その全てを提示してしまっては従業員も自分に合った教育を探すことなど不可能です。例えば東芝が毎年発行している『研修ガイド』のように推奨研修を厳選して、その企業に合ったものを提供したいと思います。それにより、人事にとっても教育トレンドの認識や、新しい教育コンテンツの発見といった効果が見込まれます」

人材育成のサイクル

企業と個人が幸せなキャリアを共有できた時、双方にとって成長のチャンスとなる。かつては、個人の幸せなキャリアは転職によってもたらされることが多かったが、今は企業にとどまりながら、成長し続けることでそれを実現する新しい方向性が生まれてきている。それを後押しするのがキャリアコンサルティングの推進だ。
カウンセリングを受けて、そのデータを蓄積し、それに適した教育コンテンツを提供することで、人材育成のPDCAサイクルが回り始める。このサイクルを回すのに大きな役割を担うのがGeneralist® / LMであり、今回発表された研修BPOサービスだ。
これらのシステムやサービスによって、これまで個人に合った学びの場を提供できていなかった企業にも、学びの場づくりのチャンスが訪れたと言ってよいだろう。