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国内最大の特許・知財専門見本市
「2018 特許・情報フェア&コンファレンス」レポート

更新日:2018年11月28日

2018年11月7日~9日の3日間、東京・北の丸公園の科学技術館にて、特許情報および知的財産関連で国内最大の専門見本市「特許・情報フェア&コンファレンス」が開催された。
今年の目玉は、「働き方改革」と「AIテクノロジー」。知財業務の効率化を促進するAIツールが数多く展示され、いずれも来場者の強い興味・関心を集めていた。東芝ブースを中心に、その様子や注目のソリューションについてレポートする。
特許・情報フェア&コンファレンス 東芝ブース

全国から特許・知財関係者が来場、「働き方改革」と「AI」がキーワード!

「特許・情報フェア&コンファレンス」は、全国から知財関連業務の担当者が訪れる注目の見本市だ。幕張メッセや東京ビッグサイトなどで開催される大規模な見本市に比べると遥かに出展社数が少なく小ぢんまりとしているが、企業の特許管理担当者や弁護士など、特許・知財業務の最前線で働く情報感度の高い来場者が毎年多く訪れているという。アットホームな雰囲気のなかFace to Faceのデモンストレーションが行われるのが特徴で、あちらこちらのブースから絶えず質問や商談の声が。東芝ブースも、説明待ちの行列ができるほどの賑わいを見せていた。

特許・情報フェア&コンファレンス 東芝ブース 特許・情報フェア&コンファレンス 東芝ブース

3日間の来場者数は、昨年を上回る20,491人。昨年に引き続き「働き方改革」につながる業務改善ソリューションの展示が多く、さまざまな自動化ツールがバージョンアップされ展示されていた。全体的に、グローバル対応やより高度なAI化が進んでいる印象。また、来場者も、特にAIに関する知識を学んでから訪れている様子で、各ブース、突っ込んだ質問が飛び出しているところが印象的であった。

USPairに対応! 幅広い情報を集められるようになった「知財管理サービス」

東芝ブースに展示されていたのは「知財管理サービス」「契約管理サービス」「文書分類/分析サービス」「機械翻訳サービス」「知財業務自動化ソリューション(RPA+OCR)」「類似図形商標検索サービス」(参考出展)の、計6サービス。


知財管理サービス

なかでも注目を集めていたのが「知財管理サービス」だ。知財に関わる契約、経費、商標、年金などの管理や、出願期限の確認、評価情報の収集といったさまざまな業務を、クラウド上で一括にて行うことができる。そんな同サービス、最大の特長が、各企業の業務に合わせて柔軟にカスタマイズできるところ。データベースの構造を変えることなく、ユーザーサイドで、検索条件を追加したり、新たな評価項目を作ったりすることができ、手軽に自社の実態に合ったシステムに整えることができるのだ。また、クラウドサービスならではの“アクセスのしやすさ”も強み。企業の知財部門、研究開発部門、特許事務所などが、各々の事務所からシステムにアクセスして業務を進められるため、情報共有の手間を大幅に省くことができる。さらに、国内・海外の審査経過情報を、週に1回、自動で取り込むバッチ機能も。今年からUSPairに対応し、より幅広く、詳細な情報を参照できるようになった。

RPA+OCRで業務効率化を加速させる、注目の自動化ソリューションとは?

もうひとつの目玉が「知財業務自動化ソリューション」だ。パソコン上の複数のアプリケーションやサービスにまたがった定型作業をソフトウェアロボットに覚えさせ、人の代わりに実行させるというRPA(Robotic Process Automation)を用いたソリューションで、ルーチンワークの手間を大幅に省き、ミスを削減できる。

知財業務自動化ソリューション 1 知財業務自動化ソリューション 2

このソリューションに、今年はOCRの機能が追加された。OCR(Optical Character Recognition)とは、紙に印刷された文字や手書き文字をイメージスキャナなどで読み取り、編集可能なテキスト形式に変換する技術のこと。OCRが追加されたことで、例えば、カバーレターや請求書の項目をOCRで読み取り、自動で登録するなどの作業が可能になった。請求書を見ながら案件番号を検索し、地道に金額を登録する……といった業務が不要になり、本来の知財管理業務に集中できるようになるという。


OCRには、今回新たに商品化した、読み取り対象となる文言を自動的に見付け出す項目サーチOCRを活用、手間の掛かる帳票毎の読み取り位置の指定は必要ないとのこと。また、知財管理サービスで行う定型業務を自動実行するシナリオをテンプレート化しており、導入のリードタイムも短縮できるという。

知財業務自動化ソリューション 3

その他、「契約管理サービス」も、人気サービスのひとつと言ってよいだろう。「契約管理サービス」は、大量の契約書をエクスプローラーライクなインターフェイスで一元管理できるサービス。契約書の内容や更新時期などを効率的に把握することができ、スピーディーな情報検索や更新漏れの防止などを可能にするという。見やすい管理画面、自社に必要な項目を簡単に追加できるところなどが注目されていたようで、多くの来場者が足を止め、デモ画面に見入っていた。

契約管理サービス 1
契約管理サービス 2

翻訳業者からの問い合わせも! 知財文献に強い高精度の翻訳サービス

より細かな専門業務に特化されているのが、「機械翻訳サービス 『The翻訳クラウド』」だ。


機械翻訳サービス 『The翻訳クラウド』

「機械翻訳サービス 『The翻訳クラウド』」は、その名の通り、クラウド型の翻訳サービス。Internet ExplorerやMicrosoft officeなどにプラグインとして導入することができ、海外サイトの技術情報や現地代理人とのメールなどをワンクリックで翻訳できる。特許ならではの単語や難解な長文を高精度で翻訳する機能を備え、海外の技術情報のスムーズな読み解きをバックアップ。今年からクラウド型の翻訳支援ツールとの連携が可能になり、さらに効率よく精度の高い翻訳ができるようになった。知財担当者、研究者だけでなく、翻訳専門業者の利用も増えているそうで、今回の見本市でも、問い合わせがあったという。

AIを活用した分類サービスで、スピーディーにリスクを排除する

最後に紹介したいのが、AI技術を活用した「文書分類/分析サービス」「類似図形商標検索サービス」(参考出展)である。

「文書分類/分析サービス」の機能は、無効資料調査と、SDIで定期配信される特許を分類・見える化する機能の、おもにふたつ。無効資料調査では、東芝のAI技術を用いて、特徴的なキーワードを自動抽出し、指定された特許と類似した明細を持つ特許を高速に絞込み。絞り込まれた特許を確認することで、調査業務の手間を削減できる。 SDIで定期配信される特許についても、予め登録された課題や技術キーワードで、関連性の高い特許を自動的に分類。SDIの確認時間を短縮できる。
さらに、分類された特許は、出願人や特徴的なキーワードごとにクロス集計で見える化することができる。BIツールと連携させて、さらに詳細な分析を行うことも可能。新規研究開発のベンチマーク、資料として、大いに活用することができるという。

文書分類/分析サービス 1 文書分類/分析サービス 2

一方の「類似図形商標検索サービス」は、漫画やデザイン画といった「線画」を対象とした画像識別を行うエンジンだ。一般的な画像検索とは異なり、背景や大きなイラストのなかに溶け込んでいる類似図形も抽出できるところが特長。また、ロゴマークとロゴタイプの部分を自動的に識別し、それぞれの類似画像を検索することもできるという。


今年は、元画像と抽出画像の「似ている部分」が赤枠で明示される機能、ユーザー指定範囲の図案のみを対象に類似画像を検索する機能が加わった。これによって、「AIが似ていると判断した部分」がわかるようになり、さらに、「AIが対象とした部分以外を独自に指定して類似検索をかける」ことができるようになった。より高度な、人間の感覚に近い確認作業ができるようになったというわけだ。昨年同様参考出展ではあるが、着実に進化中。早期の商品化を期待したいところである。

類似図形商標検索サービス


昨年に比べ今年は、よりAIという言葉が一般的になってきた様子。「AI技術を用いた分類サービス」というところに興味を持って訪れる来場者も多く、説明員も手応えを感じているようだった。


プロダクト&サービスソリューション技術部 富田 りえ子氏

「私たち東芝は、お客様の業務効率を上げるためのソリューションにこだわり続けています。複数のサービスを用意して、単体で使ったり、組み合わせて使ったりと、柔軟な使い方ができるよう工夫しているところが特長ですね。既に自社にあるシステムと連携させて活用しているお客様も少なくないんですよ。『特許業務ソリューション』は、小さく始めて大きく育てることができる、使い勝手の良いソリューションです。お客様の課題に合わせていろいろな使い方ができますので、特許・知財に関するお困りごとがあったら、どんなことでも、ぜひお気軽に相談してくださいね」

こう語るのはプロダクト&サービスソリューション技術部の富田 りえ子氏。お客様への説明の合間に真剣なまなざしで、東芝が提供する特許・知財関連ソリューションの魅力について話してくれた。


ひとり一人の来場者が、比較的長時間、興味と知識を持って、しっかりと説明員の話に聞き入っていた姿が印象的だった今回のフェア。特許・知財担当者のテクノロジーへの期待が感じられる、熱気に満ちたイベントとなった。

特許・情報フェア&コンファレンス 東芝ブース



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