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2010年8月2日 今求められる原価管理とは  厳しい経営環境が続く状況において、いかにして利益を創出するかは、すべての企業にとっての最重要課題である。この重要な課題に対し、損益分岐点分析活用による原価低減という考え方、経営の見える化〜IFRSを見据えた固定資産の管理について紹介する。

1.損益分岐点分析活用による原価低減 〜今求められる原価管理とは〜

エス・エス・ジェイ株式会社
公認会計士 長谷川 孝至 氏 スーパーストリーム株式会社
公認会計士 長谷川 孝至 氏

 一部では景気が上向きになり始めたという声もあるが、現実にはまだ昨年の世界経済危機の影響が色濃く残っており、厳しい状況に耐えている企業は決して少なくはない。このような厳しい経営環境下において、いかに利益を創出していくのかは、企業にとってまさに生き残りをかけた重要な課題となっている。
 企業競争力を上げるためにとるべき施策はさまざまだが、そのなかでも効果的な施策として「損益分岐点分析を活用することによる原価の低減」という方法がある。
 「損益分岐点分析の活用による原価の低減」とは、一言で言えば「直接原価計算による損益計算書の作成とその分析結果の活用」ということである。

 原価計算には「全部原価計算」と「直接原価計算」という2通りの計算方法がある。いうまでもなく、現在の会計制度で認められている原価計算方式は「全部原価計算」である。「全部原価計算」は製品原価に固定製造間接費を含めて算定する。そのため、生産量を増やせば増やすほど製品あたりの固定製造間接費は減少することとなり、製造原価が下落する。その結果として営業利益が増加する。言い換えれば、売れない製品でも作れば作るほど営業利益が増加することになる。「直接原価計算」は原価を変動費と固定費に分解して、売上高からまず変動費を控除して限界利益を計算し、さらに限界利益から固定費を控除して、営業利益を算出する方法である。製造原価に固定製造間接費が含まれていない点に特徴がある。

 もし、今が好景気で、製品を作ればどんどん売れるという時代であれば、「全部原価計算」で問題はない。しかし、売り上げが伸び悩んでいる状況では、在庫の変動による利益額の影響を受けない「直接原価計算」が、経営の意思決定には有効である。また「直接原価計算」による変動費と固定費の分解により、売上と原価と利益の関係が分かり易くなる。これを「損益分岐点図表」に表せば、この三者の関係をビジュアルに理解することができ、目標利益を達成するためには何をすべきか(例えば、いくら売上数量を増やせば良いのか、または変動費をどれだけ下げれば良いのか、あるいは固定費をどれだけ下げれば良いのか)のシミュレーションが容易にできる。このシミュレーションを行う際に、関連部署とコミュニケーションを取りながら実現可能な目標を検討し、数値目標を立てることで、全社一丸となったさまざまな施策を打ち出すことが可能になる。
 また、注力すべき製品や事業を決定する際にも、「直接原価計算」に基づく損益計算書が有効になる。
 このように、数学的な手法を駆使して損益分岐点分析というツールを活用すれば、効果的な経営戦略が立てられるようになるだろう。

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2.製造業の原価管理を実現するためには 〜まずは経営の見える化から〜

東芝ソリューション株式会社 製造・産業・社会インフラソリューション事業部 山原 勉 東芝ソリューション株式会社
製造・産業・社会インフラソリューション事業部
山原 勉

 原価管理を実行するには、多くの計算が必要となる。紙と鉛筆による手計算も不可能ではないが、計算やシミュレーションを得意とするシステムを活用すれば、間違いが少なくなるだけでなく、さらに細かい分析によるコスト予測管理等が強化することもできるのだ。
   東芝ソリューションでは、生産管理・販売管理・原価管理に特化したシステム「MCFrame」を提供している。 「MCFrame」は、高度なコストマネジメントを実現するため、現場視点での原価差異分析によるPDCAサイクル、営業視点での利益分析によるPDCAサイクル、全社視点での予実分析によるPDCAサイクルという3つ視点でのPDCAサイクルでの分析を行い、高度なコストマネジメントを実現するソリューションだ。
  「MCFrame」を導入して原価管理システムを構築すれば、財務のための原価計算に加え、企業戦略に活用できる原価計算も可能になる。工程別や品目別、差異要因別に詳細を把握すれば、業務の異常やその解決の糸口の“見える化“にもつながるだろう。さらに、改善後の効果の内訳についても確認できる。また、ビジネス環境の変化に素早く対応するため、各種シミュレーション環境も用意しており、計画重視型の原価管理も可能になる。
 東芝ソリューションでは、ほかにもさまざまな会計インターフェースを用意しており、「SuperStream」(開発元:スーパーストリーム株式会社)などの会計システムとの連携実績も豊富だ。このようにして人手を介さずに会計システムと連携することで、運用負荷も低減されるほか、セキュリティや内部統制の問題もクリアできる。
   原価管理を徹底して利益を確保するというミッションにおいて、「MCFrame」が強力なツールになることは間違いないだろう。

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3.資産除去債務会計基準への対応 〜IFRSを見据えた固定資産の管理〜

 日本のIFRS対応について動向が注目される中、コンバージェンスが進められており、徐々に法令も整備され始めている。この影響を受けて、日本の会計基準も大きく変わってきている。「資産除去債務」もそのひとつで、2010年4月1日以降の開始事業年度においては、すでに適応対象となっている。実際、その対応に追われている企業も多いだろう。
 「資産除去債務」の定義は、「有形固定資産の取得、建設、開発または通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令または契約で要求される法律上の義務およびそれに準ずるもの」となっている。例えば、定期借地権契約で賃借した土地の上に建設した建物などの除去や、賃借建物の現業回復などが典型的な資産除去債務とされている。会計システム(開発元:スーパーストリーム株式会社)は、このような「資産除去債務」にも標準対応しており、除去債務を扱えるようになっている。
 「SuperStream」(開発元:スーパーストリーム株式会社)では「資産除去債務」のみならず、その他のIFRS対応に関しては現在も開発を進めているところだ。IFRS対応の機能強化についても、標準で対応していく。ユーザーにとって、会計基準の変化への対応はセンシティブな問題だが、実際問題として会計基準への対応が遅れることは許されない。現在使用している会計システムがIFRS対応でなければ、今後その会計システムを使い続けるのは難しくなる。いざという時に慌てないためには、会計基準の変化に対してすぐに対応できるシステムを選択することが重要である。

東芝ソリューション販売首都圏株式会社 首都圏システム部 システム第二課 舩津 千詠 東芝ソリューション販売首都圏株式会社
首都圏システム部 システム第二課
舩津 千詠

東芝ソリューション販売首都圏株式会社 首都圏システム部 システム第二課 林 泰良 東芝ソリューション販売首都圏株式会社
首都圏システム部 システム第二課
林 泰良

*本内容は、2010年6月23日に開催したセミナーをもとに編集しています。

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