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講師 金融ソリューション事業部 主幹 佐藤智一 支えるチカラ

2010年5月28日 ベテランだけが知っている“匠の技”を,後輩に伝えたい
技術の専門家が手の内を明かす場,「専門職寺子屋」
 東芝ソリューションには,ベテラン技術者が自らの経験を元に,様々な技術やノウハウを伝える「専門職寺子屋」という教育がある。本などでは得ることができないこの“匠の技”は,お客様への円滑なシステム導入に活かすため,ベテランから後輩へ日々引き継がれている。 講師 金融ソリューション事業部 主幹 佐藤智一

ユニークな講義の数々

 2006 年,東芝ソリューションは企業内大学「e-ユニバーシティ」(Toshiba e-University)の社員教育講座に,新たに「専門職寺子屋」(以下,寺子屋)を設置した。これは,専門職制度※1「レベル6」※2と認定された社員が講師となる講座。
 「寺子屋は,ベテラン社員が積み上げてきた“匠の技”を後輩社員へ伝える場です。」と技術企画部参事・山岡芳樹は語る。レベル認定の際に行われる口頭試問で,これまでどうやって専門性を培ってきたか,自分の強みは何かなどをアピールする。
 「レベル6に達した社員たちのプレゼンテーションは,どれも素晴らしい内容でした。後輩たちにこれらを伝える場を提供したいとの思いから生まれたのが,寺子屋です。ベテラン社員の技術やノウハウを埋もれさせず,寺子屋を通して全社員への教育に盛り込み,お客様にご満足いただける結果が出せる人材を育てていきたいと思っています。」(山岡)
 講義内容は,講師自身が決める。これまでに開催された講座のタイトルは,「プロジェクトマネージャは営業でもあれ」「某プロジェクト失敗に学ぶ」「提案日の前に徹夜をしない方法」など,どれも大変ユニークだ。 いずれもお客様の真のニーズを引き出すためのテクニックや,プロジェクト管理のコツなど,理論重視の講座とは違い現場で活用できる具体的な内容の講義が多い。講師が実際の体験をもとに“生きた”情報を提供するため,「本からは学べない内容」と受講生からの評価が高い。

講義風景講義風景

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生の声で伝える講義に,確かな手応え

 2008 年11月14日,分倍河原にある東芝ソリューション 府中ソリューションセンターの研修室にて,寺子屋の人気講座「教科書に載らないプロジェクトマネージメントの極意」が開催された。テキストは,講師の金融ソリューション事業部主幹・佐藤智一自らが作成したものだ。内容は,プロジェクトマネージャに求められる要件,現場で見た伝説のプロジェクトマネージャの手腕やエピソード,現在,自身が抱えているプロジェクトに対する取り組み方や,お客様との関係をスムーズに運ぶコツなどが盛り込まれている。
 なかでも特に強調していたのは,プロジェクトマネージャの責任と立ち位置。
 「プロジェクトマネージャはお客様との契約に基づき,リスクをコントロールしてシステムの品質,コスト,納期などの目標を達成する責任がある。そのために,陣頭に立って対策を考えるのか,本陣に構えてプロジェクトの全体像をつかむのか,状況によってきちんと判断することが重要。」と語った。
 また,週報の書き方についても言及し,「目的を明確にし,相手に価値のある情報かどうかをよく吟味する」「問題に対しては,自分なりの意見・提案を書く」など具体的に指導した。「週報を義務と受け取るのではなく,上司や関係者にプロジェクト成果や自分の考えをアピールする情報発信ツールとして利用しようという気持ちが大事」とも語った。
 最後にプロジェクトマネージャとしての心構えについて「プロジェクトを完遂するという強い意志を持ち続け,自信を持って行動すること」と語り,講義を締めくくった。2 時間の講義だったが,受講者たちは佐藤の話に熱心に耳を傾けていた。

ベテラン技術者のDNAを,次の世代へと引き継いでいく

 佐藤は寺子屋の講師を務める意義について「様々なプロジェクトを担当してきた経験から,諸先輩や私が難局にどのように対処したかを後輩と共有したいと思っています。また,それらのノウハウは上司や先輩から学んだものでもあります。その恩返しをするためにも気概を後輩に伝えていきたい」と語った。
 また,寺子屋の講師をすることで自身にもメリットがあるという。「長年積み上げてきた経験を整理することができました。また,この寺子屋は今回で5度目の開講になりますが,その度に,現役のプロジェクトマネージャとして自身を鼓舞したり,改めて決心することもあったりします」。
 今回の受講生の1人,保険ソリューション部の高橋知伸は,講義の感想として「チームをまとめるコツが知りたくて参加しました。こうして生の声を聞くと,現場でどのように動けばいいかがよくわかります。特に,失敗をどう回避するか,失敗したときにどう挽ばんかい回するかというシビアなノウハウは,大変勉強になりました。また,大切なのはやはり“人間力”だということも感じました」と語った。

関係者

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お客様に満足いただくために,優れたプロジェクトマネージャを育てる

 佐藤は,「寺子屋を実施することは,お客様満足度の向上につながると信じています。お客様に本当に満足していただくために,プロジェクトマネージャが果たす役割は大変重要です。そのためには,優れたプロジェクトマネージャを育成していかなければならない。本には書いていない“匠の技”を届けるために,これからも積極的に寺子屋の講義に取り組んでいこうと思っています」と語った。
  現在,寺子屋の講師は約40名で,毎週,何かしらの講義が開催されている。日々の業務に追われていると,どうしても目前の仕事の優先順位が高くなり「教育」は二の次になってしまいかねない。
  しかし,「東芝ソリューションは,人材こそが宝。それをおろそかにしてはいけない」(佐藤)となれば,後輩の育成にも力を入れていかなければいけないことは明白だ。
  最後に佐藤は,「この寺子屋の存在や意義を,もっと社員に伝えていきたい」と力を込めて語った。

  • 【脚注】
  • ※1 2005年に定めた,東芝ソリューション独自の社内プロフェッショナルを認定するキャリアパス制度
  • ※2 その専門分野で第一人者として社内外に認められた部長クラスの技術者

左から
技術企画部 参事 山岡芳樹
金融ソリューション事業部 主幹 佐藤智一
金融ソリューション事業部 保険ソリューション部 高橋知伸

広報担当者からひとこと

専門職寺子屋の人気講座を取材して“ 匠の技” の大切さ,「後輩に良いものを残したい」という“ 熱い思い” が伝わってきました。広報担当者としても,仕事をするうえでとても参考になる講義でした。

  • *この記事内容は2008年11月に取材した内容を元に構成しています。
    記事内における数値、組織・役職名などは取材時のものです。

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