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プロジェクトのメンバー KeyPerson

2012年9月28日 ニーズと課題に応えるための商品作り。
それぞれの熱い思いが、プロジェクトメンバーの団結力を生む。
2012年4月に、「Eiplaza/DA(文書分類・分析)」が帝人グループの知財戦略を支える分析基盤の一つに選ばれた。お客様のニーズと課題に応えるため、異なる部門のメンバーが集結。知的財産のフィールドにおける、新たな可能性を拓く仕組みの商品化を成し遂げた。

新規事業創造を目指した知的戦略への取り組み

 高機能繊維事業をはじめ、炭素繊維・複合材料事業やヘルスケア事業、フィルム事業など8つの事業を核に、社会に対して付加価値の高いソリューションを提供している帝人グループでは、合成化学や高分子化学分野における研究開発に力を注いでおり、新規事業創造を目指した活動を積極的に行っている。そこで開発された新たな技術に関する知的財産は、同グループの根幹をなす重要なものであり、特許出願や権利化を図りながら、競合他社の特許情報解析などを通じて知財戦略を練っていく必要がある。その役割を担っているのが、事業グループ全体の知財管理を取りまとめている株式会社帝人知的財産センター*1 (以下、帝人)である。そこで求められていたのが、膨大な情報の中から必要な情報を絞り込み、その内容を分類して分析できる仕組みだ。そのニーズに合致したサービスとして活用いただいているのが、特許分類・分析システムの「Eiplaza/DA」である。

  • *1) 株式会社帝人知的財産センター:2012年10月1日、帝人株式会社になりました。

 2011年2月、株式会社技術情報協会が主催するセミナー会場で帝人様の知財担当者と初めて出会い、その場で名刺交換をする機会に恵まれたとクラウド&ソリューション商品技術部の渡邉は当時を振り返る。「業界でも先進的な知財管理を行われていた帝人様でしたが、特許情報の分析分野ではまだ満足いく状況ではなかったようです。そんな中、テキスト情報を活用して分類した結果が視覚的に分かるというコンセプトを持つEiplaza/DAに興味を持っていただけたのです」。そこで、後日改めて機能を詳しく紹介するためにメンバー全員で訪問することになったという。実は、Eiplazaが商品化された時期と重なっていたこともあり、研究開発部門から技術部門、商品企画部門、そして商品開発に携わりながら自身もユーザの立場だった知的財産管理部門も含め、商品開発にかかわったフルメンバーが参加することに。事前にメンバー全員で協力してプレゼン資料を作成するなど、万全の態勢で臨むことになったのだ。

クラウド&ソリューション事業部 クラウド&ソリューション商品技術部 クラウド&ソリューション技術第二担当 主任 渡邉 茂樹 クラウド&ソリューション事業部 クラウド&ソリューション商品技術部
クラウド&ソリューション技術第二担当 主任 渡邉 茂樹

"部門に縛られない"商品化へ向けたプロジェクトメンバーの道のり

IT技術研究所 研究開発部 ビジネスインテリジェンスラボラトリー 主任研究員 松本 茂
IT技術研究所 研究開発部 ビジネスインテリジェンスラボラトリー
主任研究員 松本 茂

 そもそも今回中心となるメンバーは、Eiplaza/DAが開発される以前のパッケージ製品の開発段階からの付き合いだった。「私や平が文書の自動分類に関する技術を研究していたころからの知り合いです。知財担当の北見さんが自動分類技術の特許文書への適用に目をつけたことがきっかけで、社内で活用できるように開発を進めました」(松本)。その後は東芝グループ全体にも活用の幅を広げていき、最終的には商品化して外販することを目指すことに。「自分たちが必要なものを社内で開発し、社内で利用してもらい、しっかりと評価し、バージョンアップを続ける。そして、お客様にご利用いただける機能と品質を兼ね揃えた段階で商品化する。"社内で作ったものを、社外の多くのお客様へご提供する"というのが我々の文化なのです」(知的財産担当 北見)。

 そして、東芝グループで活用が進み、ある程度商品化のめどが立った時点で、顧客への提案からサポートまでを一手に担っている技術担当の渡邉に声がかかり、改めて商品化のためのプロジェクトがスタートすることになる。このメンバーが集まったのは「あくまで上司からの指示ではなく"自然発生的"だった」と全員が口を揃える。部門に縛られることのない、柔軟で風通しの良い組織と、社員の前向きな気持ちが東芝ソリューションの『商品を作り出す大きな原動力』の一つなのである。

 特に、商品化に際しては、大きな時代の流れも手伝って、パッケージ版ではなくSaaS型で展開を検討することになったと渡邉は当時の状況を振り返る。「分析系のツールは実際に触って試してもらわないと良さがイメージしにくい面も。その点、SaaS型であればサーバの準備や環境整備のためのインストール作業なども不要です。その場ですぐに試してもらえる環境が理想でした」。運用後のアドバイスも含めて顧客とのコミュニケーションが図りやすい点も、SaaSでの提供を後押しした要因の一つだった。

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異なる立場の各メンバーが心掛けた、導入に向けた思い

 プレゼンから試用期間を経て、2012年4月より本稼働を迎えることになるが、それまで開発を手掛けた松本が帝人様に伝えてきたのは"自分で手軽にいろんな分析ができる"という部分だった。「分析の専門家が使うようなデータマイニングツールや、特許公報にあらかじめ付けられた分類コードで集計してグラフを表示するツールは世の中にありますが、 技術者や知財担当者自身が手軽に色々な分析を行うには、そのどちらでも無い、間を埋めるツールが必要です。Eiplaza/DAは、いろんな切り口を組み合わせて深掘りしていくことが大きな特徴の一つ。この特徴が気に入ってもらえたことが今に繋がっていると感じています」(松本)。

製造・産業・社会インフラソリューション事業部 産業ソリューション営業部 産業ソリューション営業第二担当 阿部 夏那子 製造・産業・社会インフラソリューション事業部 産業ソリューション営業部
産業ソリューション営業第二担当 阿部 夏那子

 また、北見が心掛けたのは、知財の専門家として自分たちが使っているというユーザの立場から仕組みの良さを正直に伝え、東芝グループ全体での活用例を紹介するなどメリットを肌で実感してもらうことだった。同様に、かつて研究開発部に所属していた商品企画担当の平は「商品をご提案する"売り手"の視点ではなく、自分が研究者だった頃の"ユーザ視点"でご説明することで、メリットなどが共感いただけるようになった」と振り返る。「帝人様は知財の業界でも先進的な企業です。分析ツールも数多く試された経験もあるため、私たちの経験や見解をもとに、ツールの限界点やその中での活用方法などを正直にしっかりと話すことを意識しました。その部分についても共感いただけたと考えています」(平)。

 具体的な商談から関わった営業担当の阿部が意識したのは、体験版をいかに使っていただけるかどうか、というポイントだった。「一般的に体験版を提供すると、いつでも使える安心感から、お客様に触っていただけないこともあります。また、試用期間中はコミュニケーション機会が減ってくるため、なるべくご活用いただき、ご感想やご要望を伺えるよう、頻繁にコミュニケーションを取る機会を設ける努力をしました」。実際には、帝人様の社内でリーダシップを発揮していただけるキーマンがいたことで、試用期間であっても十分触っていただくことができ、改善要望をサービスに反映することにも繋がったという。

このように、彼らはそれぞれのポジションで、各々の能力や立場をいかんなく発揮、一致団結して取り組んでいた。

サービスのさらなる向上とお客様からの評価

株式会社東芝 スマートコミュニティ事業統括部 スマートホーム推進部 主務 平 博司 技術統括部 商品・技術推進部 主任 平 博司
*所属は提案活動当時のもの。 現在は、(株)東芝へ出向中。

 現在は、試用期間も含めるとすでに1年以上が経過し、さまざまなご要望も挙がっている状況。次のバージョンにも新たな機能の実装が予定されている。「帝人様では素材関連の特許に関する情報を取り扱うため、化学物質など独自の辞書を作成してそれを反映させていらっしゃいます。この辞書登録をもっと簡便に行えるようにする機能や、登録件数が多くなってもレスポンスが低下しない仕組みを実装する計画です」。松本のグループでは、様々な要望を取り入れながら、より良いサービスにブラッシュアップする努力を今も続けているのである。

 商談中に特に考慮したのは、知的財産という企業の極秘情報部分にどこまで踏み込めるかどうかだったと北見はその思いを吐露する。「知財情報は企業の極秘情報にあたるため、使い方も含めて詳細にまで話せないし聞きだすことも難しいもの。しかし、当たり障りのない言葉ではお客様の心に届く提案には繋がりません。我々の活用方法などを、どこまで開示するべきなのか、そのバランスには非常に苦労しました」。今では、多くの企業が参加する知的財産に関連した協会の集まりで、さまざまな企業と情報交換できるような関係を築くこともできるようになり、今回のプロジェクトが人脈形成にも大いに役立っているという。

 導入後の評価について平は「Eiplaza/DAは、ユーザとシステムが"対話"しながら、自由で柔軟に操作ができるというところが大きな特徴の一つです。この使いやすさをきちんとご評価いただけていることはとても嬉しい」と喜びを語る。また、お客様との技術的な窓口となっている渡邉は「帝人様にお伺いすると、気にいって使って下さっているお話をよく聞きます。改善点も率直にお伺いできるような関係性を築くことも出来ており、訪問するのが非常に楽しみになっています」と帝人様との良好な関係を語っている。

Eiplaza/DAが向かうべき未来と今後の展望

 今後の展開については、現在実装が進んでいる多言語での分析がどの程度受け入れられるかを松本は注視しているという。「現在は英語、中国語の文書について、日本語と同じ自動分類機能を提供できる対応が済んでいます。急増する中国特許調査のニーズにもお役立ていただけると考えています。各国の特許情報を合わせて分析するニーズがどこまであるのかを見極めながら、さらに技術的にブラッシュアップしていきたい」。  また北見は、東芝グループ全体での活用をさらに広げていきたいと意欲を語る。「帝人様は大変積極的に使いこなしていらっしゃっていますので、我々もこれまで以上に社内でしっかり活用していきたいですね」。

 今後も東芝ソリューションは様々な形で帝人様を支え、Eiplaza/DAを含めたクラウド事業全体を盛り立てるべく、さらなる活用提案を行っていく。


技術統括部 知的財産担当 グループ長 北見 かおり 技術統括部 知的財産担当
グループ長 北見 かおり

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  • *この記事内容は2012年8月に取材した内容を元に構成しています。
    記事内における数値、組織・役職名などは取材時のものです。
  • *本記事に掲載の社名および商品名はそれぞれ各社が商標または登録商標として使用している場合があります。

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