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導入事例名:阪大の気象レーダを活用した豪雨検知システムの実証実験

大阪大学大学院工学研究科の牛尾知雄准教授らの研究グループ、大阪府、株式会社東芝は、大阪大学工学研究科に設置しているフェーズドアレイ気象レーダ(*1)を活用し、豪雨発生の予兆を検知するシステムの実証実験を情報通信研究機構等の協力により、2015年7月から開始しました。
これは、内閣府「総合科学技術・イノベーション会議」が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)における「レジリエントな防災・減災機能の強化」プロジェクトの中の「豪雨・竜巻予測技術の研究開発」の一環として実施するもので、2年間の実証実験を行いました。

導入効果

豪雨検知システムの「レーダーから取得した気象データを処理・分析・通知する機能」は、パブリッククラウド(SoftLayer)を採用。
クラウド環境のサーバーを選択することで2年間という期間限定の実証実験を可能になりました。
この実証実験で、サーバーのインフラに、クラウドを柔軟に活用することのメリットも検証できたので、次期システム構築はクラウドも候補になります。

サーバー利用者の声

これまでは、物理サーバーをデータセンターに設置してシステムを運用していましたが、クラウドを活用することでサーバー構成を決定するサイジングとサーバーの保守から解放された印象を受けました。例えば、アプリケーションの開発時点では8CPU、メモリ16GBでサーバーを立ち上げ、アルゴリズムの追加と共にCPUとメモリを増設できました。CPU、メモリを増設する際にも、CPUを8→12→16、メモリを16→32→48GBと試験的に増強し、最適値である16CPU、32GBで運用を開始することができました。サーバーの構成を即時に変更できることがクラウドの良さだと実感した瞬間です。また、データセンターに設置したハードウェアを使っていた頃は、冗長化したハードウェアの障害が発生したら、システムは稼働し続けますが、現地へ行って保守修理する必要がありました。しかし、クラウドを使い始めてから今日までに、ハードウェア障害で現地へ行くということが無く、安定してアプリケーション開発に注力できるようになりました。

システム概要

ゲリラ豪雨を予測可能に進化するフェーズドアレイ気象レーダ
詳細 >>別ウィンドウで開きます

適用業務:
(社会インフラ) 豪雨・竜巻予測技術の研究開発
主なサービス:
Virtual Server, Endurance File Storage, Monitoring, Data Transfer service, Email Delivery Service
クラウド基盤:
IBM Cloud (SoftLayer)

豪雨検知システムのイメージ図

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実証実験の詳細

この実証実験では、ゲリラ豪雨をもたらす積乱雲の発生過程の詳細な3次元構造を、30秒以内で観測できるフェーズドアレイ気象レーダと、降雨量を正確に観測できるMPレーダ(*2)のデータを併せて解析し、ゲリラ豪雨の発生を事前に情報提供します。この結果は、大阪府の水防本部や出先事務所等に設置されたシステムにメールで配信するとともに、パトランプを点灯させて通知します。本システムを大阪府内10箇所で運用し、防災対策におけるシステムの有効性の検証を行います。
大阪大学は、フェーズドアレイ気象レーダの観測データを提供するとともに、気象データ解析結果の評価を行い防災の観点からシステムの有効性の検証を行いました。大阪府は、本実証実験において、水防本部や出先事務所等で本システムを実際に利用し、気象観測の有効な情報の一つとして活用します。東芝は、本システムの構築と各レーダのデータ解析を行いました。

システム構成図

システム構成図

■用語解説

*1: フェーズドアレイ気象レーダ
多数のアンテナ素子を配列し、それぞれの素子における送信及び受信電波の位相を制御することで、電子的にビーム方向を変えることができるレーダ。パラボラアンテナを機械的に回転させるレーダと異なり、瞬間的にビーム方向を自由に変化させることができる。フェーズドアレイ気象レーダの成果の一部は、情報通信研究機構(NICT)の委託研究「次世代ドップラーレーダー技術の研究開発」にて大阪大学と東芝との共同研究で得られたもの。
*2: MPレーダ
アンテナの小型化ができるXバンドを用いたマルチパラメータ(MP)レーダのこと。ここ数年、大学・研究所・国土交通省などにより、各地に導入が進められている。
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