ニュースリリース

2016年3月10日

フォグコンピューティングの普及・促進に向けた業界団体「OpenFog Consortium」に加入

 当社は、フォグコンピューティング注1を推進する業界団体である「OpenFog Consortium(以下、OpenFog)」に、日本企業として初めて加入します。当社は、OpenFogへの加入により、加盟各社との連携を図ることで、当社が継続して推進するエッジコンピューティングの取り組みを通じ、フォグコンピューティングの発展に貢献します。

 OpenFogは2015年11月に、IoT分野における世界的な主要企業であるARM、Cisco、Dell、Intel、Microsoftおよびプリンストン大学エッジラボラトリーの5つの企業、1つの研究室により設立された業界団体です。オープンなフォグコンピューティングを基盤としたアーキテクチャ(OpenFogアーキテクチャ)により、新しいビジネスモデルおよび新しいアプリケーションの開発を通じてイノベーションを起こし、産業の成長を加速することに取り組んでいます。OpenFogアーキテクチャは、オープンで標準化されたアプローチを利用して、クラウドとIoTデバイス・現場との間におけるシームレスな情報のやりとりを可能にします。

 近年、IoTが普及することにより広範囲にわたるデバイスの監視、制御が可能となってきています。クラウドでデータを収集・分析することで、これまで見えなかったことや予測できなかったことが可視化できるようになり、効率化、ダウンタイムの減少、性能の向上や新しい機能の追加などが期待されています。他方で、通信データ量を抑制したり、リアルタイムでの処理が求められるケースにおいては、すべての処理をクラウド側で実現するのではなく、デバイスに近い現場で一部の処理を行う、エッジコンピューティングが必要とされています。これらエッジコンピューティングを含む現場側とクラウド側をつなぐためのリソースを最適に配置することを目的とするアーキテクチャとして、フォグコンピューティングは今後重要度が高まると考えています。当社は社会インフラなどの幅広い分野の知見や「Chip to Cloud」注2ソリューション、ストレージなどの技術を活用してエッジコンピューティングの普及を目指しており、今回のOpenFogへの加入により、これらの知見や技術を通じてOpenFogが推進するフォグコンピューティングの発展に向けて加盟各社とともに取り組んでいきます。

 当社のIoTは、グループで培った社会インフラや製造業の知見、半導体技術、そしてシステム技術を結集させ、ビジネスに新たな価値を提供し、現場の想いもつなぐ「人を想うIoT」で、社会に貢献します。

■OpenFog Consortium
http://www.openfogconsortium.org/ 

【OpenFog Consortium代表Jeff Fedders氏のコメント】

日本はフォグコンピューティングにとって非常に重要な地域です。日本から初めてのOpenFog加盟企業として、東芝を迎えられることを光栄に思います。東芝のコンシューマ向け製品から社会インフラまで広範に渡るIoTの経験は、「Chip to Cloud」ソリューション、およびエッジコンピューティングインフラや、分析ソフトウェアとハードウェアコンポーネントにおける業績と共に、現在進行中のOpenFogの活動に技術面から非常に役立つでしょう。

<動画(日本語)>

東芝IoT「Chip to Cloudソリューション」(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=0F9X8WTZ7FE

東芝IoT「Chip to Cloudソリューション」(YouTube)イメージ

 

 

 

  • 注1:「フォグコンピューティング」は、Ciscoが提唱したクラウドコンピューティングをネットワークのデバイスに近い現場であるエッジに拡張するパラダイムです。これにより、デバイスとクラウドのデータセンターとの間で、コンピューティング、ストレージ、ネットワークサービスを高度に仮想化して作り出すことができます。当社は2014年11月に同社とIoT分野での協業を発表しています。
    ・製造、交通・運輸、スマートシティを中心とした産業分野でのソリューション開発、事業化を検討
     http://www.toshiba.co.jp/about/press/2014_11/pr_j1302.htm
  • 注2:「Chip to Cloud」は、IoTシステムにおいて、各デバイスに組込まれたエージェントソフトウェアが、クラウドに上げるべきデータか、あるいは現場で処理すべきデータなのかを機器側で判断・判別し、必要な情報のみを選択してクラウドに送ります。これにより、ネットワークの負荷を最小限に抑えることができるとともに、異常を検知した場合には、クラウド側に状況を送信し、現場の状況を詳しく把握することができます。

 

以上