ニュースリリース

錠剤包装の欠陥を検出する「PTP外観検査装置BLISPECTOR®
機能強化版を販売開始 ~ 品種設定の自動化範囲を拡大し、作業時間・負担を軽減、検出力を強化 ~

2019年6月25日

東芝デジタルソリューションズ株式会社

 東芝デジタルソリューションズ株式会社(以下、当社)は、錠剤やカプセルのPTP包装シート注1の生産ラインで、さまざまな欠陥を高速・高精度で検査する「PTP外観検査装置BLISPECTOR®」機能強化版の販売を本日から開始します。検査対象の錠剤・カプセルの品種設定をする際の、特徴量検出・判定基準値登録などの自動化の適用範囲を拡大し、オペレータの作業時間・負担軽減と欠陥検出力の強化を実現します。

 「PTP外観検査装置BLISPECTOR®」は、製薬会社のPTP包装シートの生産ライン上に、カメラと照明を設置し(図1)、ラインを流れる包装シートを撮影することで、錠剤の欠け・カプセルのへこみ・シートへの異物混入など、さまざまな欠陥(図2)を、自動で画像検査するシステムです。これまでは、錠剤・カプセルを登録する際、形・大きさ・色などの特徴に合わせた品種設定作業が必要で、「設定に時間を要する」、「オペレータの感覚や経験則で設定するため設定値がばらつく」などの課題がありました。このため、2018年6月に機能強化を行い、撮影画像から錠剤・カプセルの形・大きさ・色などの特徴量を自動で検出・測定し、良品・不良品の判定基準値や検査範囲を自動的に登録する「自動品種設定機能」を、透過光検査注2図1左)に適用しました。

 このたび、要望の多かった反射光検査注3図1中央・右)にも、「自動品種設定機能」の適用範囲を広げました。これにより、アルミシートでのシール(封印)工程前(図1左)だけでなく、シール工程後(図1中央・右)での品種設定の自動化も可能となり、生産ラインのあらゆる箇所に設置した検査装置で、作業の効率化と検出力の強化を図れます。

 当社は今後も、製造現場向けのさまざまな画像処理検査装置の提供・改良により、お客さまの生産ラインの品質向上、保守作業の効率化をサポートしていきます。

図1.生産ラインへのPTP外観検査装置の設置イメージ 左(青):透過光照明、 中央(紫)・右(緑):反射光照明

図1.生産ラインへのPTP外観検査装置の設置イメージ
左(青):透過光照明、 中央(紫)・右(緑):反射光照明

PHP*包装ライン設置イメージ

■シート打ち抜き前検査の設置例

図1.製造ラインへのPTP外観検査装置の設置イメージ

図1.製造ラインへのPTP外観検査装置の設置イメージ:シート打ち抜き前検査の設置例(シール前)

図1.製造ラインへのPTP外観検査装置の設置イメージ:シート打ち抜き前検査の設置例(シール後)

■シート打ち抜き後検査の設置例

図1.製造ラインへのPTP外観検査装置の設置イメージ:シート打ち抜き後検査の設置例

図1.製造ラインへのPTP外観検査装置の設置イメージ:シート打ち抜き後検査の設置例(抜き打ち後)

図1.製造ラインへのPTP外観検査装置の設置イメージ

  • 図2.PTP外観検査装置で検出する欠陥の例:錠剤
  • 図2.PTP外観検査装置で検出する欠陥の例:カプセル
  • 図2.PTP外観検査装置で検出する欠陥の例:シート表面

図2.PTP外観検査装置で検出する欠陥の例

「PTP外観検査装置BLISPECTOR®」の特長

  • 錠剤異物、シート異物、錠剤の割れ、欠けに加え、しわ、シール不良も同一カメラで検査可能
  • 生産時の照明ばらつきや撮影画像の位置の変動を自動的に補正して検出(透過光検査のみ)
  • 品種設定の自動化を実現
  • シール前の透過光/反射光一体型検査、シール後の可視光(カラー)、近赤外光一体型検査による省スペース化を実現
  • 価格は最小構成で1,500万円~(税別)
  • お客さまの製造工程・検査対象・内容などに合わせてカスタマイズ可能

「PTP外観検査装置BLISPECTOR®」の「第21回 インターフェックス ジャパン」への出展について

当社は、7月3日(水)~5日(金)、東京ビッグサイトで開催される「第21回 インターフェックス ジャパン」に「PTP外観検査装置BLISPECTOR®」、「ウェブ外観検査装置M9300」を出展いたします。
https://www.toshiba-sol.co.jp/event/detail/20190703-0705.htm

  • 注1 PTP(press through pack):錠剤やカプセルを、容器状のプラスチックとシート状のアルミでパックした包装で、薬の劣化・変質・破損を防ぐ。
  • 注2 透過光検査:錠剤・カプセルのシルエット(影)をカメラで撮影できる。
  • 注3 反射光検査:錠剤・カプセルの表面の様子をカメラで撮影できる。
    本装置は、可視光(人の目で見える通常の光)と近赤外光(対応波長が比較的短い赤外光)に対応

以上