ニュースリリース

2017年11月2日

東芝デジタルソリューションズ、画像を用いた検索で類似した商標を検索・抽出する「類似画像検索技術」を開発
~ デザイン画やマンガなど線画を対象に、画像処理とAIによる類似画像の検索・抽出を実現 ~

東芝デジタルソリューションズ株式会社

 東芝デジタルソリューションズ株式会社(神奈川県川崎市 取締役社長 錦織弘信 以下、当社)は、画像を直接検索に用い、登録された画像の中から、類似した画像を検索・抽出できる「類似画像検索技術」を開発しました。

 当社は、デザイン画やマンガなど、直線や曲線で描く画像である“線画”を対象とし、これまで難しいとされてきた複雑な背景に埋め込まれた画像の識別と、AI(人工知能)を用いた類似性の判断を可能にし、類似画像検索を実現する技術、「類似画像検索技術」を開発しました。
 「類似画像検索技術」は、広く“線画”を対象としており、適用分野としては、企業や商品の商標登録やロゴ、マーク、エンブレムなどのデザインの際に、類似していないかの事前調査に利用するなど、デザイン画やマンガなどの意匠や著作物などに関連したさまざまな分野での活用が考えられます。

 これまで商標の調査業務では、図形分類注1などの専門知識を必要とし、ユーザーの負担や検索対象から漏れてしまうリスクの発生など、多くの課題がありました。当社が開発した「類似画像商標検索技術」は、画像を直接検索に用いることで、商標調査業務の負担や、類似発見漏れの発生が低減でき、複雑な背景に埋め込まれた部分的な画像も検出できるため、より精度の高い検索が可能になります。さらに、過去の類似判断結果で得られた結果をAIで学習させることで、類似判定の精度を向上させることができます。

 当社は、今後も長年培ってきた画像処理技術およびAI技術を、大阪府立大学(黄瀬浩一教授、岩村雅一准教授、岩田基准教授)との共同研究の成果と融合し、「類似画像検索技術」でAIによる「気付き」を与え、調査業務に関わる人の判断を支援していきます。

以上

「類似画像商標検索技術」は、2017年11月8日(水)-10日(金)に東京・北の丸公園で開催される「2017 特許情報フェア&コンファレンス」の当社ブースにて参考出品致します。 ■2017 特許情報フェア&コンファレンス
https://www.pifc.jp/2017/(株式会社 日本工業新聞社)

図:「類似画像商標検索技術」の技術イメージ

図:「類似画像商標検索技術」の技術イメージ

注1
図形分類:図形分類は、ロゴなどの図形商標の類似調査を行う際に利用するもので、図形の要素が分類されている。
ウイーン分類、細分化ウイーン分類(図形等分類表)などがある。