ニュースリリース

2017年10月30日

ソフトウエア開発のソースコード資産から保守や派生開発に必要な情報を抽出する
組込み開発ツール「仕様抽出ツールSpecGen™」の販売開始について

東芝デジタルソリューションズ株式会社

 東芝デジタルソリューションズ株式会社(神奈川県川崎市 取締役社長 錦織弘信 以下、当社)は、組込みソフトウエア開発で蓄積された膨大なソースコードの仕様情報管理の新たな手段として、当社独自のソースコードの構造解析技術を基にした開発ツール「仕様抽出ツールSpecGen™(スペックジェン)」の販売を開始します。

 組込み用ソフトウエアは、ハードウエアの進化や市場の要求拡大に伴う機器製品の高機能化に追随するため、常に機能の追加、改善、成長し続けることが求められています。このような継続的なソフトウエア開発においては、設計情報としてドキュメント化されない仕様情報がソースコード内に埋め込まれるなど、設計・製造資料とソースコードが一致しない状況が発生します。それによって、膨大なソースコードを前に、全体の仕様の理解・把握が困難となります。その結果、ソフトウエアの品質低下を招くだけではなく、保守や派生開発における改修規模、試験規模の見積もりの精度に影響を与え、予想を超えるコストの発生や完成までの工期の増大につながるリスクを生みます。

 「仕様抽出ツールSpecGen™」は、ソースコードの構造解析技術を用いて、蓄積されたソースコードからシステムやモジュールの仕様情報を自動抽出・見える化し、ソフトウエアの全体像の把握や整合性の確認をしやすくすることにより、ソフトウエア開発期間の短縮や品質確保を支援する組込み開発ツールです。
 設計製造資料などにドキュメント化されていない情報も含む仕様情報を、ソースコードから抽出・見える化することにより、既存のソースコード資産の全体の理解と把握を促し、ソフトウエアの保守や派生開発における品質や、作業に必要となる体制、期間、コストの見積もり精度を向上させ、組込み用ソフトウエアの継続的な成長を強力に支援します。また、抽出した仕様情報を客観的に把握できるドキュメントを自動生成することで、会社間や組織間での仕様のすり合わせや、整合性確認にも有用な情報確認手段となります。

■「仕様抽出ツールSpecGen™」の特長

  • ●組織間/会社間の仕様摺りあわせと整合性確認に利用可能な情報の自動生成
    構文解析に分岐・ループの構造解析を加えたソースコードの構造解析技術により、既存のソースコードを機械的に処理し、ドキュメント化されていない情報も網羅した仕様情報を生成
  • ●複数のモジュールを束ねたシステムレベルの可視化
    ソースコード解析結果から、モジュール単位の機能構成と、複数モジュール間の信号受け渡しを俯瞰したグラフ及び帳票を生成
  • ●モジュール間を繋ぐ情報の流れをデータフローとして可視化
    ソースコード解析結果から、各モジュール間で受け渡しされる信号の流れを、信号生成に関わる決定表、ロジック図とリンクしたデータフロー図として生成

 今後、「仕様抽出ツールSpecGen™」を活用したお客様のソースコード資産から仕様情報抽出作業を行うエンジニアリングサービスや、既存のソースコード資産を有効活用したモデルベース開発への移行を支援する機能、サービスを提供していく予定です。

図1:「仕様抽出ツールSpecGen」の利用イメージ(1)
図1:「仕様抽出ツールSpecGen」の利用イメージ(2)

図1:「仕様抽出ツールSpecGen™」の利用イメージ

SpecGenは、東芝デジタルソリューションズ株式会社の商標です。

以上