ニュースリリース

東芝ソリューション、中国銀行にオペレーショナル・リスク管理の
高度化に向けた「事務リスク管理システム」を納入
~「事務リスク管理システム」による損失データ収集を12月より開始~

2006年11月1日

東芝ソリューション株式会社

 東芝ソリューション株式会社(本社:東京都港区 取締役社長:梶川茂司 以下、東芝ソリューション)は、株式会社中国銀行(所在地:岡山県岡山市、取締役頭取:永島 旭、以下、中国銀行)に、オペレーショナル・リスク* 1管理のため「事務リスク管理システム」を納入しました。中国銀行は、12月より本システムによる損失データ収集を開始します。


1.導入の目的と概要

 中国銀行では経営ビジョンである「地域のお客様に選ばれ、信頼される銀行」の実践をすべての活動の指針と位置づけ、新たな法制度等への対応として、コンプライアンス態勢、監査態勢、統合リスク管理の強化に取り組んでいます。


 さらには「ITを戦略的に活用し、お客さまの利便性とサービスの安全性・安定性を追求するとともに効率化を進めます。」を経営方針として掲げ、業務の有効性および効率性を高めることや、財務報告の信頼性を確保することなどを目的とした内部統制が機能するよう、ITを有効かつ効率的に利用・統制しています。


 一方、規制緩和の進展や金融業務の高度化によりオペレーショナル・リスク管理の重要性が飛躍的に高まっており、2007年3月末から施行されるバーゼルⅡ(新しい自己資本比率規制)では、新たに資本賦課の対象となる「オペレーショナル・リスク」を適正に管理し削減することが求められています。

 さらには2008年4月以降の事業年度から適用される日本版SOX法(財務計算に関する情報の適正性を確保するために必要な体制について評価した内部統制報告書を内閣総理大臣に提出)などが成立し、そのため銀行は日常事務で発生するリスクをデータに基づき管理するなど企業の内部統制を整備することの重要性が日増しに高まっています。


 中国銀行では、あらゆる業務にオペレーショナル・リスクが伴うことを理解するとともに、オペレーショナル・リスクを軽減することの重要性を認識し、業務全般に亘る管理体制や各種規程の整備を行っており、従来からお客様の苦情・要望を収集し、事務等で発生したミスの分析に努め、お客様の満足を高める努力を実施してきました。
 さらにオペレーショナル・リスク管理の高度化を目指して、「リスク管理自己評価(Risk Control Self Assessment)」と「損失データの収集」によるリスク管理を実施しており、その損失データの収集をより効果的に実施するため、12月より「事務リスク管理システム」による損失データの収集を開始します。



■中国銀行が今回導入する「事務リスク管理システム」の機能

 ・発生部店からあがってくる各種報告の一元管理(事務事故、苦情など)
 ・事故報告のワークフローと進捗管理
 ・有形資産リスク、人的リスク、法的リスクなどその他リスクの登録機能

 また中国銀行では、オペレーショナル・リスク管理の一方の柱である「リスク管理自己評価(Risk Control Self Assessment)」についても、実効性・効率性を高める施策(システム化など)を検討する予定です。


2.今後の展開

 中国銀行は今後、この度導入する「事務リスク管理システム」により、苦情やミスの事象に加えHOST上のオペレーションログなどを収集し、リスク管理、事務サポートなど異なる視点で自由に分析することや、事務量システムと連携することにより効率化とリスクおよび苦情の関係を多元的に分析することにより効率化、リスク、お客様満足のバランスのとれた営業店事務戦略の実現を目指します。
  さらに、再発防止策の作成を「事務リスク管理システム」で行うことにより、リスクの背景要因を分析し包括的な対応策を立案することや、リスク発生状況だけでなく改善状況ついても経営陣を含む関係者が逐次モニタリング出来る仕組みを構築し、その過程で得られた重要リスク管理指標(Key Risk Indicator)による予防的な注意喚起を可能にします。


■中国銀行が今後導入する「事務リスク管理システム」の機能

データ分析、モニタリング機能
(1)

データ分析、モニタリング機能

 

・各利用部門で目的に応じた多角的な分析
・重要リスク管理指標(Key Risk Indicator)の調査
・予め定めた手順による定型的なレポート作成
・WEB画面での改善状況のモニタリング

(2)

再発防止策作成、モニタリング機能

 

・事故発生部店ごとの再発防止策の策定
・データ分析と連動した改善効果の測定
・発生部店で分析した背後要因から本部による包括的な再発防止策を策定
・WEB画面での改善状況のモニタリング

 また中国銀行では、オペレーショナル・リスク管理の一方の柱である「リスク管理自己評価(Risk Control Self Assessment)」についても、実効性・効率性を高める施策(システム化など)を検討する予定です。


3.東芝ソリューション採用の理由

 ・リスクデータ登録、分析、再発防止作成、モニタリングの内部管理システムをパッケージ提供出来たこと。
 ・事務品質分析のノウハウをもち、収集すべきデータ項目など概念設計がスムーズであったこと。
 ・製造業で培った品質管理手法を改善計画に応用したこと。
 ・システムの採用実績が豊富であったこと。


このように東芝ソリューションは、中国銀行が実効性を重視したリスク管理の高度化を推進し、近い将来オペレーショナル・リスクの先進的計測手法採用を視野に入れた取り組みを行うことにより、ステークホルダーの満足を実現していくことをサポートしてまいります。
以上



* 1 オペレーショナル・リスク

バーゼルⅡ(新しい自己資本比率規制)で初めて明示的に資本賦課をされることが決定されたリスクで、事務リスク・システムリスクなどの総称。





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