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導入事例 静岡地方税滞納整理機構

約40万件の軽自動車関係税の申告書処理事務を一元化 現場の声を生かしたOCRソリューションで業務効率を向上

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開発ポイント

各自治体とのコミュニケーションが重要
要望をくみ取りながらシステムにも工夫を

軽自動車関係税申告書データエントリーシステムの開発ポイントは何といっても、各市町にシステム利用を受け入れてもらうためのコミュニケーションと、県と市町の双方が使いやすいものにするさまざまな工夫だ。

まず、機構から送るデータの内容の問題だ。そこで、課税データを作成するのに最低限必要な、個人を特定するための納税義務者のカナの氏名と生年月日、車両を特定するための車両番号、車台番号、課税する市町を特定するための主たる定置場の情報に、データ化する項目を絞った。しかし申告書には住所や車種、車両の排気量など多くの情報が記入されている。これらは費用対効果と効率性を考え、データ化はしないこととした。

しかし、市町の担当者から、これらの項目もテキストデータ化してほしいという要望が上がったのだ。


【写真】富士市財政部市民税課 市民税第2担当 主幹 小出雅一 様
富士市財政部市民税課
市民税第2担当 主幹
小出雅一 様

「確かに、ミスを防ぐためにはチェック項目が多い方がいい、という考え方もあります。しかし、今回は課税データを作成するのに最低限必要な項目のみということで各市町に説明を重ねました。データ化する項目を増やしたとしても、最終的に市町の税システムへの取り込み結果と申告書の画像データを突き合わせてチェックするため、必要項目のみで問題はないのです。従来入力していた項目については、申告書を確認するには書庫を探さなければならないという理由から多くの項目を税システムへ入力していましたが、新たなシステムでは申告書を簡単に検索・表示できるので、従来のようなデータ化の必要もないと説明しました。実際に私も県庁に来る前は、富士市の税務業務の現場にいましたので、こうした要望については予測ができていたのです。また、漢字の氏名や住所の項目もデータ化の希望がありましたが、これは『市町が持つ住民基本台帳のデータと照らし合わせて個人特定に使用するのみで、軽自動車の課税データとして直接使用することがない。項目が多くなると読み取りのスピードも遅くなりますし、チェック作業も増えていく。市町での税システムへの取り込みエラーも増えていき、結果作業量が増大する』ということも併せて説明しました」(小出氏)

入力に関する省力化について、東芝ソリューションのアイデアを生かすケースがかなりあったとも小出氏は話す。申告書に書かれている名前は個人だけでなく法人であることも多い。では、その入力をどうするか。

この問題は各市町が持っている法人データを配布ツールに一度全部取り込ませるという、東芝ソリューションのアイデアが採用され、好評を得た。また、機構側のデータ修正画面でも東芝ソリューションのさまざまなノウハウが生かされている。

「われわれのシステムの画面は申告書のイメージ通りになっています。つまり、申告書の余白に修正データを入力しているようなイメージなので、ミスも少なくなるのも納得できます」と小出氏も満足気だ。また、小出氏は東芝ソリューションが長年培ったノウハウにも高い評価を与えている。「『配布ツール』では、税システムに取り込んだ結果のリストとスキャンされた申告書の画像データを照合するときなども、画面が素早く切り替わるので満足しています。また、一般市民から問い合わせがあっても書庫へ行って大量の申告書の中から探し出す必要がありませんので、素早く対応することができます」

この他、各市町側に対する工夫や配慮もある。配布ツールには大量のデータを印刷できる機能を持たせている。「市町によっては、近年中に税システムの入れ替えを予定していることから、現状のシステムでは機構で作成したデータを市町のシステムに取り込むための改修が行えないところがあります。そこで税システムのリニューアルまでは申告書の画像データを紙に一括で印刷し、従来通り手入力での作業ができるよう配慮しました」(小出氏)。


[図をクリックして、拡大図を別ウィンドウで見る]


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将来展望

各市町の意見を積極的に取り入れて
システムのブラッシュアップは続けたい

松村氏は「今後もシステムのブラッシュアップは継続していきたい」と話す。もちろん、個別の要望というよりも県や市町全体に利する改善提案だということだろう。今回のシステム導入では、継続的に県や各市町に応分の負担が生じる。

しかし、システムを利用することで、これまでの軽自動車関係税の事務作業が一元化し、各市町の現場の人件費も含めた申告書1件当たりの市町経費が4分の1にまで軽減されることを考えれば、コストは大幅に改善されることになるわけだ。「とはいえ、改善できるのだから合わせてください、という進め方ではうまくいきません。われわれは2年という時間をかけて粘り強く説得しました。そこには、市町が難色を示す理由をくみ取り、『このようにすれば問題はないはず』という具体的なソリューション提案が必要になります」と松村氏も語るように、説得の仕方も重要になってくる。

さらに小出氏のように現場の業務をよく知るスタッフがいたことは短期の開発、各市町への説得に大いに貢献したといえる。小出氏はこのことについて次のように話す。

「利用する側のことだけを分かっているだけではダメで、なぜこのようなシステムが必要なのかを理解し、コストに関する厳しい目も持たなくてはうまくいかないと思います。今後の改善においても双方の目を持って提案していきたいと思っています」

Solution Focus

OCRソリューション

光学式文字読取装置を活用した業務ソリューションの1つ。手書き帳票の入力処理、FAXを利用したエントリーシステム、活字ドキュメントのテキスト化など、多様なニーズに対応する。読取装置の高い識字能力も求められるが、それをベースにした業務効率化のためのソリューションが重要になる。データ修正作業やチェック作業に関しても業務負担を軽くする工夫が要求されるため、豊富な導入実績がモノをいう。

COMPANY PROFILE

団体名 静岡地方税滞納整理機構
所在地 静岡県静岡市葵区追手町9番18号
代表 川勝平太(静岡県知事)
徴収等実績 100億4千万円(2008-2010年度)
職員数 17名
URL http://www.shizu-zei-kikou.jp/ (別ウィンドウで開きます)
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この記事は、2011年4月に取材した内容をもとに構成しています。記事内の数値、組織名、役職などは取材時のものです。


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