導入ポイント
成功の裏にある“おもてなし”への理解と“資生堂基準”
大連のBPOセンターで対応するスタッフ
今回の中国BPOは、2008年頃に始まったCSS開発プロジェクトにおけるプログラム製造の中国BPOに端を発している。2009年4月よりCSSを国内店舗に導入、国内でヘルプデスク業務がスタート。2011年3月頃から、ヘルプデスク業務のBPO展開を推進するプロジェクトが立ち上がった。同年5月にはヘルプデスク業務リーダー2名をNeusoftから日本に招いて75日間の研修を実施、その後、彼らが大連に戻って実際のオペレータを交えた教育研修を行った。そして、2011年9月よりテスト店舗でカットオーバーを迎えることになったのである。
「日本での研修で、CSSの理解に加えて資生堂が掲げている"おもてなし"の文化と、現場の状況をしっかり理解してもらうことを意識したことがスムーズな展開に繋がりました。化粧品業界において店頭での接客には万全を期さねばなりません。BCが店頭において、どのような状況下で問い合わせをしてきているのか、現場が抱えている様々な心理状態の中でどう伝えるべきなのかなど、相手の立場に立った応対の必要性を学んでもらいました。」
今回の成功要因の一つに、資生堂情報ネットワークがヘルプデスクの評価軸をノウハウとして持っていたこともある。「別システムのヘルプデスクの運用実績があったことにより、資生堂グループでヘルプデスクに対する品質維持をどうするのか、改善要望への対処法など、さまざまなノウハウがあったのです。これが品質面での基準、いわゆる資生堂のSLA(Service Level Agreement)になり、中国での展開の際に役立てることができました。」と岡部氏。
また、東芝ソリューションがCSSのヘルプデスク業務を国内で担当する中で、業務の標準化やその対応方法などを体系化したことも今回のプロジェクトがスムーズに進んだ大きなポイントになっている。浜野氏は「東芝ソリューションとNeusoftが以前から一緒にビジネスをしていたからこそ、スムーズに展開できたと考えています。
“おもてなし”の心を、既に我々と東芝ソリューショングループが共有していましたので、それを一緒になってNeusoftに伝えることができたことが大きいですね。」と言う。
前を読む | 続きを読む |