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導入効果
受講生の評価も高まり
受講希望者も大幅に増加
東芝ソリューションにBPOを依頼したことによる効果について、湊氏が挙げたのは、まず受講希望者が申し込んでから実際に受講できるまでに要する時間が短縮されたこと。また、開講数が増えたことも、効果の1つであり、具体的には対前年比で40%も増えている。
また、湊氏によると、「もし『エラン』のサイトをBPOでなく、自社内で行うとしたら、純粋にあと2名は従業員を採用しないといけないと思っています」というのだから、コスト面でも大きなプラスになっている。また、「エラン」と同じ規模の受講者に首都圏にある同社の研修ルームで受講してもらおうとすると、コストが約1億2,000万円のプラスになってしまうという試算もある。
そうした目に見える効果と同時に、受講者が「非常にわかりやすい」とか、「スクールで行っているExcelやWordなどの研修プログラムとは違って、講座の内容が仕事にすぐに使えるものになっていることが、実際に受講してみて初めてわかった」などと満足しているのも大きな効果と言えるだろう。
「単なるスキルのチェックだけを受けて、自分ではできると思って派遣先に行ったのに、実務としては全く使えないということがわかり、自信を失ってしまうことが結構あるそうです。このような経験を一度でもしたことがある人は、早く受講しておけば良かったと思うようです」と湊氏。その意味では、これまでより、はるかに理想に近いeラーニングが実現しているとも言えそうだ。
将来展望
両者で運用を工夫し合い
修了率を5%アップしたい
とは言え、画一的なサービスではなく、スタッフ個々へのより充実したサービスを実現するためには、まだまだすべきことはたくさんある。そこで、同社では毎月1回、東芝ソリューションとの間で定例会を実施している。ここでは、受講者数、フォローメールを送信した受講者数、修了チェックの数などを月次で確認し合うと同時に、「その月に見つかったさまざまな課題や問題点をお互いに共有し合い、その場で解決策を一緒に考える時間をできるだけ多く持つようにしています」と湊氏は言う。
言葉を換えれば、東芝ソリューションが持っているeラーニングシステム等に関する専門知識や経験、ノウハウと、同社が持っている人材管理に関する知識、経験、ノウハウを融合させることによって、より実効性のあるeラーニングを運用していくということである。もっとも、湊氏によると「内部の体制を整えていただいたり、採点の部分についてもシステム化できるところはしていただいたりという東芝ソリューションさんの内部の努力により、安定した運用ができています。私共の負担はかなり軽減されています」とのことだ。
そして、大嶋氏は当面の目標について、「受講生の修了率を現在の平均35%から40%へと5%アップくらいはアップしていきたい」「そのためにも、東芝ソリューションさんには私共のお客様であるスタッフを大事にしてくださる気持ちをぜひ持ち続けていただきたいと思います」と語る。
「就業機会の創出によって、社会に貢献する」という企業理念を掲げる同社は、あくまでも「日本で最大の就業者を抱える会社」を目指している。その意味では、BPOを通じた同社と東芝ソリューションの連携は、むしろこれからが本番になると言えるかもしれない。
BPOサービス
東芝グループでは、2001年から他社に先駆けてグループ10万人の「全社教育」のツールとしてeラーニングを活用しているが、そのシステム構築と運用を担当しているのが東芝ソリューションである。それを通じて蓄積してきたeラーニングに関する豊富な知識やノウハウ、経験を積極的に活かして、eラーニング業務を代行するのがBPOサービスだ。eラーニングと言うと、いかにもシステマティックなイメージがあるが、最も重要なのは実はそれに携わる人のマインドなのだ。受講者のためにという熱い思いが通じることによって、初めて実効性のあるeラーニングが実現できるのである。eラーニングをBPO化する際には、決して忘れてはならないポイントの1つである。
COMPANY PROFILE
会社名 | 株式会社リクルートスタッフィング | |
創立 | 1987年6月 | |
本社 | 東京都千代田区内幸町1-2-2 日比谷ダイビル | |
代表 | 代表取締役社長 本原仁志 | |
資本金 | 9億3,940万円 | |
従業員数 | 1,692名(2006年4月現在) | |
事業 | 人材派遣事業、人材紹介(紹介予定派遣)事業、アウトソーシング事業 | |
URL | http://www.r-staffing.co.jp/ (別ウィンドウで開きます) |
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この記事内容は2007年3月に取材した内容を元に構成しています。記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。