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導入効果
快適に検索できる環境が整い
アクセス数は約10倍に急増
新システムでは、検索のレスポンスが大幅に向上した。以前のシステムでは、コード検索でも1分近くかかるケースがあったが、現在は数秒で検索結果が判明。タイムアウトになることがあったフリーワード検索も、10秒以内にはレスポンスが返ってくるという。
とくにスピードの差が顕著だったのは、フリーワード検索で、多くのデータがヒットしてしまうケースだ。例えば特許情報を「発明」というワードで検索すると95%以上のデータが該当してしまうが、以前のシステムでは、それらの膨大な該当データを時間をかけて検索したうえ、すべてを表示しようとするため、結果的に欲しい情報になかなかたどりつけなかった。
「『TX1』は検索、一覧表示、詳細表示といったWeb検索パターンに対して、しっかりと考えて開発されている点がありがたいですね。特許システムのように膨大な数のデータがヒットする場合、一覧表示時にかならずページ換え処理が必要となる。1ページ目より2ページ目が必ず早くなるということがシステムとしては重要です」(赤井氏)
レスポンスが良くなったことで、ユーザーからの評価も上々のようだ。竹田氏は、ホッと胸をなでおろす。
「以前は1日15件前後だったアクセス数が現在は約150件前後になり、一気に約10倍になりました。具体的にユーザーにインタビューしたわけではないですが、新システムが好意的に受け取られていることは、この数字を見ても明らかでしょう」
一方、システム管理面では、高速レスポンスをサーバ1台で実現したことが大きなメリットだろう。
同社では万が一、サーバに障害が発生した場合に備えて、手動で切り替えるためのサーバをもう1台用意して二重化しているが、実質的に稼働しているのは1台のみ。当初に検討した製品に比べて、イニシャルコストやメンテナンスの手間が大幅に軽減されたことは言うまでもない。
将来展望
社内に分散するデータベースを
XMLDBを介在させて情報統合
今回の導入は、XMLデータベースの先行評価という意味合いが強かった。では、その点を先行IT調査チームとしてはどう評価しているのか。赤井氏は、「今回の導入は期待以上だった」と語る。
「期待値のレスポンスが出なければ、さらに開発工程を増やして対策するという想定もしていましたが、結果的にはその必要もありませでした。今回の導入の成功で、XMLデータベースのポテンシャルは十分に評価しています」
この結果を受けて、今後はXMLデータベースを情報統合に活用することを検討しているという。
同社では各部門が独自にシステムを活用し、それぞれにデータベースを持っている。その他、システムには入らないレポートなどの文書ファイルもある。いわばデータが社内部門毎に分散している状態だ。
現場レベルでは、それぞれが自部署のシステムを活用するため、業務は滞りなく進む。ただ、困るのはそれらを統括するマネジメント層だ。判断に必要なデータが欲しい場合、分散したデータベースからそれぞれ抽出して、それらを紐付けなくてはいけない。より迅速かつ適切な判断を下すためには、データベースの統合はぜひ実現させたい課題の1つになっていた。
「各部門に分散するデータベースを、1つの大きなデータベースに統合するのは困難です。ただ、各データベース間にXMLデータベースを介在させることによって、効率的な情報統合が可能になるはず。現在、東芝ソリューションさんにも入ってもらって、その具体的な方法を模索中です」と赤井氏は現在の取り組みを語ってくれた。特許情報検索システム構築を通して築き上げた東芝ソリューションとのパートナーシップが、今後の展開でも大きな貢献を果たすことは間違いなさそうだ。
非定型データの管理に効果を発揮するデータベースとして注目を集めているXMLデータベース。なかでもエンタープライズクラスのシステムに適する特長を持つのが「TX1」だ。XMLデータから構造を自動的に抽出して索引化する構造自動抽出技術「スキーマアナライザ」と、抽出した構造情報と語彙情報を統計的に分析して最適な問い合わせプランを生成する問い合わせ最適化技術「クエリオプティマイザ」を搭載することで、テラバイト級のXMLデータの高速検索を実現。従来のRDBでは格納しづらかったテキストデータなども的確に管理ができる。
COMPANY PROFILE
会社名 | マツダ株式会社 | |
創立 | 1920年1月 | |
本社 | 広島県安芸郡府中町新地3-1 | |
代表 | 代表取締役会長兼社長 井巻久一 | |
資本金 | 1,496億601万8,479円(2007年6月30日現在) | |
従業員数 | 20,395名(2007年4月1日現在)(単独) | |
事業 | 乗用車・トラックの製造、販売等 | |
URL | http://www.mazda.co.jp/ (別ウィンドウで開きます) |
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この記事内容は2007年6月に取材した内容を元に構成しています。記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。