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導入事例 京王電鉄株式会社

Innovation Report / 電力の安定供給を確保し鉄道の安全を支える

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選定ポイント

豊富な実績と技術力を評価

【写真】鉄道事業本部 車両電気部 電力指令長 桐生 守 様
鉄道事業本部 車両電気部
電力指令長 桐生 守 様

電力管理システムの入れ替えの準備が始まったのは、2003年5月だ。当時のシステムは耐用年数の20年が近づき、更新時期が迫っていた。「従来のシステムは手動で操作するシステムだったので、2重3重のチェックをしても人的ミスの可能性が残りました。また、自社配電網の状況把握、不測の事態への対応には、それなりの経験が必要でした」と桐生守鉄道事業本部車両電気部電力指令長は当時を振り返る。これらの課題を解決するために、変電所の監視や制御、電力管理の機能を洗い出し、いくつかの企業の提案を比較した結果、東芝と東芝ソリューションに決定した。決め手は、東芝の鉄道業界での豊富な実績だった。「鉄道会社のシステムは、他社と殆ど互換性はありません。それだけに納入実績が多いということは、さまざまな環境にも柔軟に対応できることの証明です」と樋木課長補佐は、東芝を選んだ理由を語る。

運用状況

Webをベースにした保全計測システム

【写真】鉄道事業本部 車両電気部 電力課 主任 松永 隆 様
鉄道事業本部 車両電気部
電力課 主任 松永 隆 様

京王電鉄と東芝は、2003年8月からの16ヵ月を費やして徹底的にシステムの仕様を検討した。その中で、東芝は保全計測に役立つデータも収集できるシステムを提案した。「私たちの意向をくみ取った非常に有意義な提案でした」と松永隆鉄道事業本部車両電気部電力課主任は評価する。そして、電力管理システムに保全計測システムを付加した、電気鉄道向け「電力管理・保全計測統合システム」が誕生した。新たに加わった保全計測システムは、専用のWebサーバーとデータベースサーバーによって、同社の19ヵ所の変電所を自動で常時監視して情報を蓄積する。「以前は、電力指令からは変電所で異常が起こっても、大まかな内容しか把握できず、緊急出動して、現地で状況を確認するしかありませんでした。しかし、今は電力指令や保守現業で変電所の詳細な状況が把握できるようになりました。緊急出動する段階でどの部品や工具を持っていけばいいのかが判断できるので、事故時の確実かつ迅速な対応が可能になりました。」(松永主任)。加えて、夜間、電気を止めて行われる保守点検作業を管理する仕組みも整備された。鉄道会社は、変電所設備、電車線設備、高圧配電設備、駅・車両基地の電源設備などの保守点検や電線に近接する施設改良工事を列車運行の終了した夜間に行なう。同社の場合、毎日20〜30件にも及び、工事件名ごとに必要な個所の電気を止めて作業する。以前は、電力指令側と現場の作業員が電話で確認しながら行なっていた。「作業監督者と確認しながら、操作卓のスイッチを操作して電気を止めたり流したりする作業は、電力指令員に大きな負担をかけていました。高圧電流なので、人命にかかわりかねません。幸いそのような事態は起きていませんが、改善しなければならない作業でした」と桐生電力指令長は話す。「その予防のために、電話による音声応答システムなどの支援機能を追加しました。作業現場からもノートパソコンでネットワークに入り保守に必要な情報や運用状況などを確認でき、今まで以上に安全に作業できるようになりました」と、評判はいい。

現場のニーズをくみ、電力管理対策を進化させる機能

【写真】京王電鉄株式会社

保守以外でも、安定して電力を供給するための機能が、新システムには盛り込まれた。変電所の制御用通信回線を二重ループ構成で、信号を常に2本の回線で送り、どちらかが止まっても必ずデータが届くようになった。さらに、変電所の遠隔制御装置にもバックアップ機能が備わった。これは、変電所をいくつかのグループに分け、グループ内の変電所であれば、変電所からでも制御できるというものだ。これにより何らかの原因で指令所からの制御ができなくても、変電所から他の変電所を制御できるようになった。事故発生時の復旧のための手順や変電所の制御を支援する登録指定機能など、さまざまな自動制御機能で人的ミスの抑止策も施された。中でも、教育訓練に活用できるシミュレーション機能は高く評価された。「ベテランしか経験していない対処法を共有することが、これまでの大きな課題でした。新しいシステムでは、実機を使って本番と同じ環境で訓練できるので、スタッフ全体のスキルの底上げが期待できます」(樋木課長補佐)。

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