PDFファイルの閲覧には、Adobe® Reader™が必要です。ダウンロード(別ウィンドウで開きます)してご覧ください。
運用状況
社会現象を教訓にさらなる増強をてがける
同社と東芝ソリューションによる次期システムへの移行は順調に稼働した。しかし、2005年末の相場の活況や、2006年1月に起こったITベンチャー企業の証券取引法違反事件は、国内外に大きな影響を与えた。「同時ログインが想定以上の件数を超えてしまったため、これ以上システムにログインできないよう、システム制御機能が作動してしまったのです」(オンライントレードシステム統括部長)。正月休みを返上して、同社と東芝ソリューションはさらに倍以上の能力となるようシステム増強に全力を尽くした。「東芝ソリューションが迅速に対応してくれたおかげで、増強にはそれほど時間がかかりませんでした」と当時を振り返る。東芝ソリューションは、危機感、そして「絶対に止められない」という使命感を持って増強にあたった。始めから事態の深刻さについての認識を共有できたことが大きかった、とオンライントレードシステム統括部長は続ける。東芝ソリューションの金融業界での長い経験や技術が生きた例と言える。そうした例は他にも随所に見られる。「ブラウザーのバックボタンや画面内のボタンを二度押しすることで二重注文にならないようにする、セッション管理という機能があります。しかしパッケージ製品を使用してセッション管理機能を強化しようとしたときに期待通りのパフォーマンスが出ませんでした」(オープンシステム基盤設計部課長代理)。そこで、東芝ソリューションが持っている独自のノウハウを生かして、改めてセッション管理機能を一から設計・開発した。セッション管理機能は、オンライントレードの各画面を利用する際に使われる基盤機能であり、これを改定する事はリスクも大きかったが、東芝ソリューションの技術なくして実現は難しかっただろうと、オープンシステム基盤設計部課長代理は語る。
将来展望
オンライントレードの理想形を目指す
「大和証券の戦略として、証券関連サービスの充実による収益の多様化があげられますが、その実現の可能性が開けてきました。『ダイワのオンライントレード』が、大和証券のネットビジネスの共通インフラになっていくと考えています」(オンライントレードシステム統括部長)。同社にとって、オンライン取引には信頼性と安全性の確保が何より優先されるため、東芝ソリューションでは同社のシステムセンターに隣接した場所に専門のシステムエンジニアを50名規模で配置するなど、24時間365日対応できるよう万全の体制を敷いている。ここにも、同社のプロジェクトを完璧にフォローしようという東芝ソリューションの姿勢があらわれている。「東芝ソリューションには、インフラだけでなくアプリケーション分野の開発も担当し始めてもらっており、私たちのコラボレーションも次の段階に入ってきたと思います。やるからには、業界トップを狙いたい」(リテール・フロントシステム開発部課長代理)と、今後も安定稼働を大前提とした「ダイワのオンライントレード」の機能強化に余念がない。この要望に応えるため、東芝ソリューションでは「ダイワのオンライントレード」の進化によって開かれる、オンライントレードの未来を形にしようと奮闘中だ。
証券会社向け オンライントレード基幹システム
エンドユーザーの資産を取り扱うといった性質上、たいへん高い品質水準が求められるミッションクリティカルなオンライントレードの基幹システム。中でも、日本初のインターネットによるオンライントレードシステムとなる、大和証券の「ダイワのオンライントレード(DOT)」の構築・運用に、大和総研と共に携わっている。新たなサービスの追加をはじめ、法令の改正や新設に伴う各種制度改革も頻繁にあり、また単位時間辺りのトランザクション数も膨大なものとなるなど、金融関連の中でも高度なシステムとなる。
COMPANY PROFILE
会社名 | 株式会社大和総研 | この広告をPDFでダウンロード ■雑誌
日経コンピュータ 2007年5月28日号 |
||
創立 | 1989年8月1日 | |||
本社 | 東京都江東区冬木15-6 | |||
代表 | 代表取締役社長 武本 嘉之 | |||
資本金 | 38億9,800万円 | |||
従業員数 | 1,645名(2006年3月末現在) | |||
事業 | システム/システムの企画・開発・コンサルティングから運用に至るトータルソリューション、SI事業、ネットワーク事業 リサーチ/国内外の経済、産業、企業、制度などに関する調査・分析 コンサルティング/経営・年金・情報化に関するコンサルティング、株価算定、受託調査、政策提言 など |
|||
URL | http://www.dir.co.jp/ (別ウィンドウで開きます) |
前を読む |
この記事内容は2007年5月に取材した内容を元に構成しています。記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。