コラム

第2回『備えあれば憂いなし その1〜調達リスクを平常時、災害時に亘り低減するためには〜』


BCPは、災害時に備えた平時の対応も一層重要となります。
これまでに、取引先に連絡を取ろうとしたら異動や組織改編で担当者、住所や電話番号が変わっていたなどして、連絡先を調べ直した経験をされたことはないでしょうか。

災害時は、先ずは一刻も早く取引先の安否や被災状況の確認連絡を行う必要があります。生産設備などに影響があるようなら、さらに状況を詳しく確認しなければなりません。これら初動対応の少しの差が、後の部材確保などに大きく影響してくることもあります。

災害時の調査は、自社で調査をする手間とサプライヤで回答する手間が必要となります。
調査依頼や回答が容易にできないと災害時の影響の把握に遅れが生じ、最悪自社の生産に支障が出てしまいます。
また、取引先が同じ地域に集中していると地震などの災害が発生した際に大きな影響を受けてしまいます。発注先が集中している品目があれば、一つの工場で火災などが起こるだけで自社の生産に影響が出てしまう恐れもあります。

災害情報を監視し調査をする体制があっても、災害のニュースソースにない自然災害や人的災害が発生した場合は災害の影響度調査をすることができません。 サプライヤから報告がない限り、把握しようがないからです。

そのためにも、取引先情報の鮮度を常に維持する、サプライチェーンを見える化して購買の集中度を把握すると共に、災害に弱い地域に取引先が集中していないか位置情報をハザードマップに重ねてリスクを分析する、サプライヤから自発的に報告できる仕組み作り、もしもの時は購買先や部品を変更できるよう検討しておくなどの対策を事前に講じる必要があります。

平時のこうした対応が、災害時のリスクを大きく減らすことに繋がります。

〜次回につづく〜