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ヘルプ

資生堂情報ネットワーク株式会社様

 

資生堂の“おもてなし”の心を受け継ぐヘルプデスク

グローバル戦略を見据え、日本国内の百貨店やGMS(総合スーパー)のカウンターサポートシステムにおけるヘルプデスク業務の中国BPO展開で、4割のコスト削減を実現。

導入前
CSSのヘルプデスク拠点が日本国内にあり、今後のグローバル戦略の要となる拠点構築を目指し、中国でのBPO展開を希望。

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導入後
世界を見据え、CSSヘルプデスク業務の中国・大連BPO展開に成功。以前と変わらない高品質の対応を実現、さらにコストを4割削減した。

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導入の背景

グローバル戦略を見据えた、ヘルプデスク業務のBPO
代表取締役社長 岡部 正則 氏の写真ネットワーク推進部長
杉山浩様(左)
代表取締役社長
岡部正則様(中央)
ネットワーク推進部
ネットワーク推進グループリーダー 参事
浜野彰英様(右)

このCSSの企画開発から運用までを一手に担っているのが資生堂情報ネットワーク株式会社(以下、資生堂情報ネットワーク)だ。CSSは開発当初よりグローバル展開を見据え、設計段階から工夫されたシステムである。

「成長市場である中国を含め、経営資源をグローバルで最適配置することを念頭にCSSを開発しています。従来、CSSをサポートするヘルプデスクについては日本で対応していましたが、今後のグローバル展開を見据え、グローバルサポートが可能な拠点を成長市場と位置付けている中国に作りたかったのです。」と語るのは資生堂情報ネットワーク代表取締役社長の岡部正則氏だ。そして、ヘルプデスク業務のさらなるコスト削減も目標の一つに加え、中国BPOプロジェクトがスタートすることになる。

株式会社資生堂(以下、資生堂)は、全国の百貨店やGMSなどに展開している店舗内でお客さまごとの肌にあわせて商品や美容情報を紹介するBC(ビューティーコンサルタント)が活躍している。BCの接客業務をCSSが後方支援し、資生堂の"おもてなし"を実現している。

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導入の経緯

“目の輝き”と“15年間の信頼と実績”が中国BPOを後押し
ネットワーク推進部 ネットワーク推進グループ リーダー 参事 浜野 彰英 氏の写真ネットワーク推進部 ネットワーク推進グループ リーダー 参事 浜野 彰英 氏

ヘルプデスク業務のBPOにあたり、まずはアウトソーシングサービスを展開している複数の企業に声をかけたが、対応面やコスト面で大きな壁にぶつかることになった、とネットワーク推進部 ネットワーク推進グループリーダー 参事 浜野 彰英氏は当時を振り返る。「私たちは、日本国内でグローバルサポート拠点となりうる沖縄にも足を運ぶなど積極的にヘルプデスク業務のBPO先を探しましたが、コスト面で大きな開きがありました。また、社内でヘルプデスク業務の海外BPOを経験した担当者の話も聞き、ヘルプデスク業務を海外で展開させることの大変さを痛感したのです。」

そんな中、中国・大連の東軟集団(以下、Neusoft)へのBPOを提案してきたのが東芝ソリューションだった。「ぜひ大連に行って直接BPOの運用状況を見て欲しいと声がかかりました。ただ、他社ベンダー-の中国におけるBPOの実態を聞いていましたので、当初は心配もありました。」

しかし、東芝ソリューションの案内で実際に中国の大連を訪れ、その心配は杞憂に終わった。「現場の方にお会いしたら、目の輝きが全然違うことに驚きました。一緒に仕事をしたい、と思わせる"やる気"を十分に感じさせてくれました。」この訪問をきっかけに、Neusoftでヘルプデスク業務を展開したいと考えるようになった岡部氏。

ネットワーク推進部長の杉山 浩氏は「昔から資生堂が中国で認知されているという土壌もありますが、ヘルプデスク業務の中国BPOの実現に向けて動き出したのは、東芝ソリューショングループのおかげです。以前からCSSヘルプデスク業務は東芝ITサービス株式会社がしっかりと行ってくれていたので、今回も過去の問い合わせ履歴を体系立てて整理してくれましたし、東芝ソリューションには、Neusoftと15年に渡る長年の信頼と実績があった。また、実際に受ける問合せも、CSS導入当初と比べ高度なものは減り、シンプルな問い合わせが中心だったことも十分に中国BPOが実現できると考えた一因でした。」と語る。

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導入のポイント

成功の裏にある“おもてなし”への理解と“資生堂基準”
大連のBPOセンターで対応するスタッフの写真大連のBPOセンターで対応するスタッフ

今回の中国BPOは、2008年頃に始まったCSS開発プロジェクトにおけるプログラム製造の中国BPOに端を発している。2009年4月よりCSSを国内店舗に導入、国内でヘルプデスク業務がスタート。2011年3月頃から、ヘルプデスク業務のBPO展開を推進するプロジェクトが立ち上がった。同年5月にはヘルプデスク業務リーダー2名をNeusoftから日本に招いて75日間の研修を実施、その後、彼らが大連に戻って実際のオペレータを交えた教育研修を行った。そして、2011年9月よりテスト店舗でカットオーバーを迎えることになったのである。

「日本での研修で、CSSの理解に加えて資生堂が掲げている"おもてなし"の文化と、現場の状況をしっかり理解してもらうことを意識したことがスムーズな展開に繋がりました。化粧品業界において店頭での接客には万全を期さねばなりません。BCが店頭において、どのような状況下で問い合わせをしてきているのか、現場が抱えている様々な心理状態の中でどう伝えるべきなのかなど、相手の立場に立った応対の必要性を学んでもらいました。」

今回の成功要因の一つに、資生堂情報ネットワークがヘルプデスクの評価軸をノウハウとして持っていたこともある。「別システムのヘルプデスクの運用実績があったことにより、資生堂グループでヘルプデスクに対する品質維持をどうするのか、改善要望への対処法など、さまざまなノウハウがあったのです。これが品質面での基準、いわゆる資生堂のSLA(Service Level Agreement)になり、中国での展開の際に役立てることができました。」と岡部氏。

また、東芝ソリューションがCSSのヘルプデスク業務を国内で担当する中で、業務の標準化やその対応方法などを体系化したことも今回のプロジェクトがスムーズに進んだ大きなポイントになっている。浜野氏は「東芝ソリューションとNeusoftが以前から一緒にビジネスをしていたからこそ、スムーズに展開できたと考えています。

“おもてなし”の心を、既に我々と東芝ソリューショングループが共有していましたので、それを一緒になってNeusoftに伝えることができたことが大きいですね。」と言う。

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導入の効果

グローバル戦略の基盤構築とコストの大幅削減
ネットワーク推進部長 杉山浩 氏の写真ネットワーク推進部長 杉山浩 氏

今回のBPO展開の成功により、2011年よりスタートした新3ヵ年計画の「アジアブレイクスルー戦略」をまた一つ実現することとなった。そして、30%以上のコスト削減にも成功した。現場で働くBCからも高い評価を得ており、以前と変わらない対応に満足の声が挙がっているという。

岡部氏は「資生堂が大切にしている"おもてなし"の心を、日中の関係者全員がしっかりと理解し、同じ意識を持って、同じ方向を向いて仕事を進めることが出来ました。理想的なBPO展開だったと思います。」と語る。

また、杉山氏は、東芝ソリューションがグループの総力を挙げて今回の提案を行ったことを高く評価している。「CSS構築の時から、店頭情報端末の開発やリモートでのシステムバージョンアップ環境など様々なインフラを整備してもらっています。もちろん、当初からオフショアを意識しながらFAQのDBを整備するなど、我々が見えていない部分もしっかりやってくれていました。CSS端末の開発からヘルプデスクまで、すべて東芝ソリューショングループがワンストップでサポートしてくれていたので、大変感謝しています。今回、彼らとNeusoftとの良好な関係に驚かされましたし、中国の東芝東軟情報システム社の存在も私たちに安心感をもたらしてくれました。やはり、東芝ソリューションの存在がなければ中国でのBPOは難しかったでしょう。」

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将来展望

ノウハウを継承できるプロセス作りに邁進、情報活用の仕組みも模索
代表取締役社長 岡部正則 氏の写真代表取締役社長 岡部正則 氏

岡部氏は、「今後については、中国の店頭には情報機器が複数種類あるので、これらを集約し、運用や保守についてコストや品質を含めてしっかりと検討する。またそのノウハウを次に生かすプロセスを考え、そのノウハウを新たなビジネスに活用する仕組みを作るなど、積極的なチャレンジを続けていきたい。」と考えている。

「大きなマーケットとなる都市にサービス拠点を配置し、現地の人たちがブラッシュアップしていけるような仕組みをしっかりと構築したい。システムを作る際には開発と運用サポートがセットとなるので、投資効果を高めていくためにもNeusoftは重要なカギとなります。中国の東芝東軟情報システム社をはじめとし、東芝ソリューショングループには今後も協力して欲しいですね。」と岡部氏。

また、店頭情報機器にはビッグデータとなる大量の顧客情報が蓄積されており、これらの情報をいかに活用していくのかも今後の課題とのことである。岡部氏は言う。「将来は、お客さまの視点でどのような仕組みが最適なのかクラウドも含めて検討しながら、資生堂が目指す"おもてなし"を提供できる仕組みをグローバルに構築していきたい。」

資生堂情報ネットワークと東芝ソリューションの挑戦はこれからも続いていく。

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お客様の企業情報

会社名:
資生堂情報ネットワーク株式会社
設立:
1996年10月
代表者:
代表取締役社長 岡部 正則
本社所在地:
東京都港区東新橋1-6-2
導入プロダクト:
アウトソーシングサービス(BPO)

この記事内容は2012年2月17日に取材した内容を元に構成しています。記事内における数値データ、組織名、役職などは取材時のものです。

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