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大阪府様

 

大阪府の調達業務を強力にサポートする電子調達システム。システム刷新で運用保守コストを削減し、府の財政に大きく貢献。

大阪府は、「電子入札」や「電子申請」、「業者情報」、「調達業務支援」からなる総合的な電子調達システムを刷新。実績豊富な東芝ソリューションの電子調達システムを活用することで運用保守コストを大幅に削減。年間およそ5,500件もの調達案件を円滑に処理できる強固な電子調達基盤を作り上げた。

大阪府
導入前
他部門から引き継いだ「工事契約システム」に「電子入札システム」などを加えた「電子調達システム」を段階的に構築。制度変更が発生するたびに繰返し改修・拡張しながら運用してきた。さらに「行政文書管理システム」や「財務会計システム」など、他システムとの連携を行うことでシステムが複雑かつ肥大化し、管理コストの増大が課題に。そこで、既存システムのリース満了と電子入札(コアシステム)の新暗号化アルゴリズムへの移行のタイミングに合わせ、システムの刷新を計画。

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導入後
東芝ソリューションが提案した「アジャイル開発に基づいた考え方」を開発工程に取り入れる等の工夫により、短納期ながら計画に従ってプロジェクトを進め予定日に遅れることなく本番稼動を開始した。当初の課題であったシステムの複雑化、肥大化を解消し運用保守コストを大幅に削減。大阪府の財政に大きく貢献した。

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システム刷新の背景

管理コスト軽減を目指した電子調達システムの刷新プロジェクトがスタート
総務部 契約局 副理事 野口 雅昭 氏総務部 契約局
副理事 野口 雅昭 氏

大阪府は、都道府県の中で2番目に小さい面積ながら、東京都や神奈川県に次ぐ880万人を超える人口規模を誇り、西日本における行政や経済、交通、文化の中心的な役割を担っている。財政構造改革をはじめ、府庁改革や政策創造、地方分権改革などを2014年の府政運営に関する基本方針に据え“大阪の再生”実現に向けた様々な施策を展開している。災害に強く安全・安心なまちづくりを目指した減災・治安への環境整備をはじめ、セーフティーネットの構築、産業政策、環境・エネルギー、教育、まちづくり・都市基盤、都市魅力の発信など重要な政策課題に取り組んでいる。

今回、大阪府は新たに電子入札や電子申請、業者情報、調達業務支援からなる総合的な電子調達システムの刷新を計画。2011年、システム環境のリース満了を控える中で管理コストの更なる削減を目指したプロジェクトを新たにスタートさせた。

大阪府では、2002年より電子入札に対応するため、土木部が運営していた工事契約システムが持つ機能を含めた電子調達システムの構築を開始。2003年より順次運用を行ってきた。「その当時の発注業務は、工事等を手掛ける各部局が直接行っていましたが、より一層の公正・公平な入札環境を整備するべく、発注部局から独立組織として、入札・契約事務を行う契約局が2005年に設置されました。この契約局での取り組みの柱となったのが、電子入札による一般競争入札によって業者を選定する仕組みを作ることだったのです」と語るのは、総務部 契約局 野口 雅昭 副理事だ。

そして2007年には発注業務を原則として、電子入札による一般競争入札に切り替えた。しかし、電子入札の要となる調達業務支援システムは、土木部から引き継いだシステムをベースに、制度変更のたびに改修・拡張しながら運用を続けてきたものであり、また、庁内の決裁文書などを管理する行政文書管理システムや財務会計システムとも連携されていたために、システムが複雑化・肥大化していたという。「あわせて、2014年には電子調達システムそのものがリース満了を迎えるタイミングでした。また地方公共団体認証基盤(LGPKI)や政府認証基盤(GPKI)、民間認証局等において電子証明書の発行で利用する暗号化アルゴリズムを変更することとなり、電子入札システムそのものの改修も必要となっていたのです」(野口氏)。

これらの要件が重なるタイミングが明確だったことで、2011年には契約局において電子調達システム刷新の検討を開始。保守運用コストの削減を大きな柱に、システムの改良へと舵を切ることになる。

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導入の経緯

システムの複雑化・肥大化等の課題解決をめざして

電子調達システムは、大阪府の調達業務における透明性・客観性の確保・競争性の一層の向上、コスト削減、事務の効率化を図ることを目的として導入された。しかし、従来の電子調達システムは、契約先のシステムインテグレーターのもと工事契約システムの流れをくむ調達業務支援システムと、後から構築した電子入札システムとが異なるベンダーの手によって開発されたことで複雑化。それゆえ、保守運用コストを圧縮すること自体が難しい状況にあったと同局 総務委託物品課 総務・システムグループ 課長補佐 柴田 一男 氏は分析。

そこで同局の関係者が一丸となり、システム開発や機器リース、運用保守業務を一括調達することで5年間のトータルコストの削減を図ることを計画。システムの信頼性や安定稼働性、継続的なサポートが可能な長寿命性、将来的な変化に対する柔軟性の確保に加え、情報セキュリティ対策など、システムに必要な要件を詳細に定義した。

調達に当たっては、コストの低減を図り、より優れたシステムを調達するため、総合評価方式による一般競争入札を実施。自己導入方式やASPによるサービス方式など事業者に柔軟な企画提案をさせ、価格面と企画提案の双方を評価することとした。

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導入のポイント

財務会計システム連携における実績を入札要件に、システムを構築
総務部 契約局 野口 雅昭 副理事

大阪府には、発注部局が入札案件を登録し、実際に落札した後の契約管理を行う「調達業務支援システム」がある。このシステムは、入札案件の起案文書及び契約文書を管理する「行政文書管理システム」や、落札業者が決定し契約締結時の支出負担行為などの会計情報を管理する「財務会計システム」、また「土木積算システム」など他部局が管理するシステムとの連携が特徴の1つとなっている。そのため、今回の入札にあたっては、システム連携に関する実績も入札参加の要件とし、事業者選定のための大きなポイントの1つに挙げた。

さらに、今まで庁内で培ってきた入札・契約事務との整合性を図るため、従来通りの操作性を踏襲することを電子調達システムの仕様に含めたと野口氏。これまでの操作性を堅持することは、職員や入札に参加する事業者を混乱させないという意図でもあった。

このように、同局では、コスト的にも運用的にも、従来と比較してより良いものを導入するための道筋をつけた。そして結果として、入札に参加した事業者の中で、もっとも総合的に評価の高かった東芝ソリューションが、大阪府の電子調達システムの基盤作りを行うことになったのである。

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導入の効果

事業者18,000、年間5,500件の調達案件を処理する電子調達システム

大阪府の電子調達システムは、大きな4つのサブシステムに分かれている。(下図参照)まず、入札に参加したい事業者は「電子申請システム」を利用して入札参加資格審査申請を行う。大阪府は申請された事業者の審査及び等級区分の格付けなどを行い「業者情報システム」に事業者情報としてデータベース化する。案件を調達する際には、職員は「調達業務支援システム」へ案件の登録を行い、その案件が「電子入札システム」によって一般の事業者に公開されることとなる。電子入札システムで公開された入札要件を満たした事業者は入札に参加でき、開札後、落札決定がなされた段階で再び「調達業務支援システム」に確定データが流れることで、調達手続きのライフサイクル全般を管理することが可能となる。

電子調達システム

現状では、およそ18,000にも及ぶ事業者が大阪府への入札参加資格を有しており、日々の入札に参加している。また、府庁内では、契約局の職員のみならず、多くの職員が調達業務の際に電子調達システムを利用している。2013年実績では、およそ3,500件の電子入札含め5,500件程度の調達を電子調達システムにより実施している。

「システム開発時には、東芝ソリューションからアジャイル開発に基づいた考え方を開発工程に取り入れる提案を受けて電子申請システムを構築していった」と都市整備部 事業管理室 技術管理課 技術情報グループ 西田 浩 氏(当時は同局 総務委託物品課 総務・システムグループ システム企画総括主査)は当時を振り返る。

「これまでは同じような機能のプログラムでも、それぞれプログラムを製造し1つ1つテストをするという非効率的なつくりでした。電子申請は様々な申請画面が多数あるので、上流工程で画面を一つずつ確認しながら開発を進めていくアジャイル的な開発方法を用いてプロトタイプを作成することを提案いただきました。結果として納期通りに稼動させることができたことは、大きく評価に値します」(西田氏)。

プロジェクトでは、サブシステムごとに担当者を割り当て、月1回の全体ミーティングの中で情報を共有しながら意見交換を行っていったという。また、開発期間が1年半と大規模システムの再構築としては比較的短いことに加え、旧、新システムのベンダーが変わるという厳しい条件のもとでのプロジェクトであったが、各案件の入札契約事務は当初に定められたスケジュールに沿って進められているため、稼働の遅延が絶対に許されないものだった。野口氏は「官公庁の場合、まずは予算措置をしないと仕事に着手できません。どうしても更新時期に近づかないと予算がつきにくく、結果として短納期でお願いせざるを得ないのです」と事情を説明する。そんな状況の中、東芝ソリューションに対して「無理を承知でお願いしたのは、不具合の早期発見と仕様の行き違いを修正できるよう、府で行う試験期間をできる限り長く確保させてもらうことでした」と柴田氏。結果として「ベンダーやシステムが大きく変わったにも関わらず、本番当日からきちんと稼動させることができました。」と同局 総務委託物品課 総務・システムグループ システム運用総括主査 永田 一義 氏は言及する。また、「予定していた時期にシステムの切り替えが成功しました。非常にありがたく思っています」と柴田氏の評価も高い。

当初の目的だったコストについては、5年間の契約で大幅な削減に成功、「これまで通りの機能を確保しつつ、新たな要望も取り入れていただいた中で、大きなコスト削減ができました。大阪府の財政に大きく貢献することができたと考えています」と野口氏は高く評価する。

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将来展望

ミス防止の仕組みとナレッジの継承にも期待
大阪府 総務部契約局のみなさま総務部契約局のみなさま

野口氏は「入札や契約などの業務は、一つ一つのステップが相手方との権利義務を発生させるものであり、ミスは本当に許されません。すでに思いつくものはシステム実装していますが、システム上の工夫によって、さらにミスの防止等につながると判断されるようなことがあれば、積極的にシステムに反映していきたい」と今後について語る。

また、同局 総務委託物品課 総務・システムグループ システム企画総括主査 須山 上律王 氏は「現状の対応についてはレスポンスよく行ってもらっていますが、官公庁では3〜4年ごとに人事異動が発生するため、いずれシステムがブラックボックス化していく可能性もあります。開発元である東芝ソリューションでもしっかりとナレッジを継承してもらい、このシステムを上手に引継ぎしていけるようにお願いしたい」と今後の体制について要望している。

東芝ソリューションの電子調達システムは、年間5,500件を超える調達案件を円滑に処理するための基盤として、今日も大阪府の調達業務を支えている。

本事例への取り組み記事(社員インタビュー)はこちら

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お客様の企業情報

名称:
大阪府
代表者:
知事 松井 一郎
所在地:
大阪府大阪市中央区大手前二丁目1番22号
概要:
東京都や神奈川県に次ぐ880万人を超える人口規模を誇り、西日本における行政や経済、交通、文化の中心的な役割を担う地方自治体。
URL:
http://www.pref.osaka.lg.jp/別ウィンドウで開きます
導入プロダクト:
電子調達システム

この記事内容は2014年8月6日に取材した内容を基に構成しています。記事内における数値データ、組織名、役職などは取材時のものです。

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