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北海道銀行様

 

イメージファイリングで文書管理の効率化・集中化・堅確化を実現

営業店OCRを活用して重要文書をイメージファイリング、センターに集中保管。文書管理の負荷を軽減し、営業店の業務効率化、顧客業務対応の向上にも貢献。

北海道銀行本店
導入前
営業店で取り扱う金融商品・サービスの多様化、個人情報管理の厳格化に伴い、多量の重要文書を効率的に管理することが急務であった。営業店では、保管スペースが限られており、文書の検索や棚卸作業にも大きな負担があった。

↓

導入後
為替用に設置した営業店のOCRスキャナを活用し、異なるサイズや色、紙厚の文書を仕訳不要で同時に読取処理を行う。イメージデータを一元管理し、営業店業務を大きく効率化。現物は堅確にセンター集中保管、他行との共同利用によるシェアードサービスも開始。

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導入の背景

北海道NO.1地銀の文書管理術に集まる耳目
取締役専務 執行役員 佐賀山 博 氏取締役専務 執行役員
佐賀山 博 氏

キャッチフレーズに「どさんこバンク」を掲げ、地元に根を張った地銀ならではの温かみのある行風で広く道民から愛される北海道銀行。窓口での行員一人ひとりの姿勢だけでなく、中小企業の人材育成を支援する基金の設立や、地域企業が抱える経営上の問題や課題の解決をサポートする研究所を立ち上げるなど、全行を挙げて北海道の発展に尽くす頼れる存在だ。

同行では、業務の効率化を目指し、様々な業務改善に取り組んできた。中でも文書管理業務の見直しは、業界内でもひときわ注目を集めているという。これは、2012年から、行内で扱う帳票類のうち主要な1,300種超・14業務領域に関わるドキュメント類を、全営業店に導入したOCRスキャナ*1でイメージファイリング化し、行内で情報共有・一元管理するソリューションである。これにより各営業店では事務処理業務の負担が軽減され、行員は本来の業務への注力や更に進んだお客様対応ができるようになった。

「ほしみ文書管理センター」の内部「ほしみ文書管理センター」の内部

また、4階建・延床面積2,550u、段ボール箱換算で約68,000個の収容スペースを有する「ほしみ文書管理センター」を小樽市に建設。一定期間を過ぎた帳票類を一括管理し、各営業店の台帳登録簿書の所在や保管状況をシステムで一元管理する体制にまで進化させたのである。

*1 OCRスキャナ/Optical Character Recognitionスキャナ。手書きや印刷の文字を光学的に読み取り、PCなどで扱える文字データに加工できる。

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導入の経緯

いち早く為替業務からイメージ管理に着手
総合事務部 調査役 百井 元幸 氏総合事務部 調査役
百井 元幸 氏

「きっかけは2005年にまで遡ります」と総合事務部の麻田元治部長は振り返る。「当時の為替システム業務は、大量の為替帳票の入力作業や管理が煩雑でした。システム改善に向けて注目したのが、OCRスキャナです。数社の製品を比較検討しましたが、決め手になったのは質や大きさの異なる紙、印刷や手書きの文字が混在していてもしっかり読み取り、エラー帳票を自動選別できることでした」。同行が採用した東芝ソリューション製のOCRスキャナは、為替OCRシステムとして最初は3店舗、その後全体の1割強にあたる15店舗へ導入され、1年強かけて全店に設置。為替に加え融資や財務諸表関連の帳票や書類をイメージ化してデータ転送、一括処理・管理する体制が構築された。

これに手応えを得た北海道銀行は、本格的な文書管理システムの構築に乗り出す。「OCRスキャナ自体のポテンシャルにはまだ余裕がある状態。経営資源として全体最適化を図る観点からも、現在運用中の文書管理システムにつながる進化は必然でした」と佐賀山博取締役専務執行役員・リスク管理部門長は語る。そして2007年、より高度な文書管理処理を目指し、社内プロジェクトが立ち上がったのである。このプロジェクトがスタートした背景には、営業店業務の効率化があった。

「帳票類の受渡ルールの徹底や保管倉庫の管理などチェック体制の厳格化を図りましたが、人がベースの業務や管理に限界を感じていました。営業店では、金庫など保管スペースが限られている店舗があり、また、古い帳票類を探し出すのに多大な時間と労力が費やされることもありました」と総合事務部の百井元幸調査役は明かす。

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導入のポイント

一歩押し進め、OCRスキャナを活用しイメージファイリングを強化
総合事務部 上席調査役 柏葉 秀樹 氏総合事務部 上席調査役
柏葉 秀樹 氏

銀行は大切な個人情報や資産を預かる業態だけに、帳票の種類によっては10年間、中には永久保存が義務付けられているものもある。一方、法令などで明確に保存年数を決められていないために、それぞれの金融機関が口座の利用期間や解約日などを起点に基準ルールを決めてストックする帳票類もあるなど、判断に委ねられている部分もある。近年は銀行で取り扱える商品やサービスが多様化したことに加え、度重なる法令改正への対応や個人情報の取り扱いなどで、各種帳票類の処理・管理はますます増加・複雑化する傾向にある。このような状況下、同行は営業店業務の負担軽減と、従来からの文書保管のリスク管理強化を段階的に進めるため、前出の為替OCRシステムの有効活用を決断。

「広大な北海道を営業基盤にする私たちにとって、業務の効率化・集中化・堅確化を推し進め、本店・支店双方からデータ閲覧できるイメージファイリング機能を持たせたいと考えていました」と総合事務部の柏葉秀樹上席調査役が話すように、2008年にいち早くこの課題に取り組み、全店規模での文書管理システムを構築した。法令で電子保存が認められた本人確認記録票に加え団体預金者区分チェックシートをイメージファイリング。FAXの代替としてスキャナの送信機能も活用し、既存の各種業務システムと連携させた。これは、一部業務をアウトソースしていた投資信託業務を内部処理することにもつながる。

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導入の効果

さらなる進化に向け新施設立ち上げを決断
総合事務部 森本 廉 氏総合事務部
森本 廉 氏

OCRスキャナ導入によるイメージファイリングで一定の成果を得た同行。「その後も引き続き、文書管理はデジタル化によるイメージ処理を進め、現在では14のメニューをひとつのスキャナで処理できるようになっています」(麻田氏)。しかし、日々、発生し続ける大量のドキュメント類の保存という大きな課題は、まだ残っていた。「各営業店では、本当に様々な伝票や帳票が発生します。例えば、通帳の再発行依頼書。その場で再発行したから破棄できるというものではありませんが、特に明確な規定がないため、何年保存するのか、永久保存するのかなどは、各銀行で取り決めていたりします。私たちは解約日ベースで捉えているため、長期にわたる現物(紙の帳票類)保管としていました。それらの考え方をあらためてひとつひとつ精査するところから着手し、現物、マイクロフィッシュ*2、デジタルイメージ、のどれで保存するのが良いのかと主要な約1,300種に及ぶ帳票類の取り扱い方法を再仕分けしました。業務ごとにばらつきのあったルールも標準化しました。各部門の関係者の間で議論は紛糾しましたが、業務の効率化・集中化・堅確化で道民へのサービス向上を果たすという軸をぶらすことなく、ひとつずつ決めていきました」(佐賀山氏)。

ITによる効率化だけを追求できない現場業務を抱える金融機関において、同行の試みは注目を集めた。「全部イメージファイリングした後、現物保管は標準ルールに則り一括保管する、そのために文書管理センターという新たな器を設けることにしたのです」と総合事務部の森本廉氏が同行の英断を明かす。

ベンダーの垣根を超えるSlerの実力で、銀行が抱える課題解決
同銀行で導入したOCRスキャナでは、様々な形の帳票をまとめて素早く読み込むことができる。同銀行で導入したOCRスキャナでは、様々な形の帳票をまとめて素早く読み込むことができる。

「増え続ける帳票類=現物の集中保管管理をポイントに、多くの個人情報をはらむ重要な文書類の保管リスクの管理強化を果たすため」(麻田氏)、2012年に小樽市に「ほしみ文書管理センター」を建設したが、「なくしたくてもなくせない、ミスしたくてもミスできないシステム」(佐賀山氏)と言うように、一定期間を過ぎた帳票類を一括管理するだけでなく、各営業店の台帳登録簿書の所在場所や保管状況をシステムで一元管理する体制にまで進化させた。各営業店では窓口業務終了後の15時以降に取り組んでいた帳票類の登録や検索確認、保存、廃棄といった作業に要する負担の大幅軽減と保管スペースの縮小を実現したのである。「当初の狙い通り、スタッフが本来業務により注力できる環境に整えられたのがなにより。営業店の増改築や新規出店時には従来の保管スペース分を省け、低コストでコンパクトな店舗にできることも大きな副次効果」(麻田氏)と文書管理システム構築の成果を評価する。

このようなシステム構築による業務改革を進め、年間4,000万円規模のコスト圧縮を達成した。

これら一連の文書管理システムの機能向上による進化を、当初の為替システム導入から支えてきたのが東芝ソリューションだ。「電算室と呼ばれていた時代からいち早くIT化を進めていた金融機関のシステムは、いまや巨大で複雑なものになっていますが、私たちの場合もまさにそうでした。そんな状態の中、ひとつの業務システムから拡張・連携していく手腕はたいしたもの。私たちの業務への理解はもちろん、北海道銀行の考え方への理解も深めながら、ベンダーの垣根を超えるSIer*3の実力を垣間見ました」と佐賀山氏は評価する。

*2 マイクロフィッシュ/マイクロフィルムの一種。葉書程度の大きさのフィルムシートに文書などドキュメントを縮小撮影した複数画像を並べて記録する媒体。

*3 SIer/エスアイアー。個々の業務システムなどを1つにまとめ上げ、それぞれの機能が正しく働くように統合させるシステムインテグレーション(SI)を行う人・業者のこと。

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将来展望

他行との共同利用まで視野に入れ展開中
総合事務部 部長 麻田 元治 氏総合事務部 部長
麻田 元治 氏

このような取組みによりシステム改革を行ってきた同行だが、今後もさらなる進化を遂げる考えだ。「私たちだけでなく、道内の他の地銀をはじめとした他の金融機関でも、同様の課題を抱えているところは少なくないと聞きます。ほしみ文書管理センターで蓄えた帳票類取扱ノウハウの活用という観点から、マルチユーザーの共同利用によるシェアードサービスの展開も模索しています」(麻田氏)など、同行内だけでなく北海道全体、さらには金融業界全体へのベネフィット提供まで効果を波及させていこうとする構えだ。そんな同行が抱く大志の実現に向け、引き続き東芝ソリューションも強力にバックアップし、同行を支援する。北の大地から発信される新たな業務改革の行方に、今後も目が離せそうにない。

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お客様の企業情報

会社名:
株式会社北海道銀行
設立:
1951年3月
頭取:
堰八 義博
所在地:
札幌市中央区大通西4丁目1番地
概要:
預金業務、貸出業務、為替取引、外国為替業務ほか普通銀行業務全般
URL:
http://www.hokkaidobank.co.jp別ウィンドウで開きます
導入プロダクト:
文書管理システム

ここに掲載しているコンテンツは、日本経済新聞 電子版広告特集「先端企業が挑み続けるイノベーションの姿」として、2013年3月〜2015年3月まで掲載されたものの転載です。
2013年2月14日に取材した内容を基に構成しています。コンテンツ内における数値データ、組織名、役職などは取材時のものです。

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