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  • フィールドサービスCRMソリューション FS-SQUARE™

株式会社荏原フィールドテック様

 

長年のサービス作業で培ったデータを有効活用し、提案型営業を推進する新サービスシステム

国内半導体製造会社へ納入した機器・装置のメンテナンス業務に関わる情報を電子化し、一元管理する「新サービスシステム」を構築。報告書や見積書の詳細情報などを共有し、顧客へのサービス品質の向上を実現。

導入前
各拠点で独自に作成されていた顧客情報やメンテナンス作業記録のフォーマットを統一し、効率的に活用・管理したかった。また、保守ノウハウの情報共有により、顧客への有効的な提案をしたかった。

↓

導入後
作業報告書、見積書のフォーマット統一と情報の一元管理を実現。故障箇所や要因を入力すれば過去の対応内容などが閲覧できるようになり、蓄積されたデータを生かすことが出きるようになった。

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導入の背景

提案型の業務スタイルへの転換目指し情報活用の仕組みを
勝又 和樹 氏の写真代表取締役 勝又 和樹 氏

CMP装置、ドライ真空ポンプ、排ガス処理装置といった半導体製造用機器・装置の販売、試運転調整、保守、カスタマーサポート全般を手がけている荏原フィールドテック。同社は、1997年に荏原製作所の半導体製造部門から分離独立する形で発足した企業だ。現在、荏原グループ内で、精密・電子事業カンパニーの関連会社として、確固たるポジションを築いている。

CMP装置は、半導体の製造過程で、ウェハー表面の凸凹を削り平坦化する装置。ドライ真空ポンプは半導体プロセスに必要な真空を作り、排ガス処理装置は半導体製造で発生するガスを処理する。

高い性能で定評のある荏原製作所の精密機器関連製品を扱い、特に半導体製造用機器・装置のメンテンスでは強いサービス力を持つ荏原フィールドテックは、提案によって顧客とのコミュニケーションを増やし、的確でスピーディーな質の高いサービスを実現する「提案型営業の強化」を推し進めている。

「当社が発足して15年。装置のメンテナンスや改造に関するノウハウはかなり蓄積されています。どんな提案をしていくのかは、この過去のメンテナンス情報が頼りになる。宝の山をどのようにスタッフ全員で共有していくかが課題となりました」と語るのは、CS一課 課長の田口泰二郎氏だ。

それまで、同社では顧客のメンテナンス情報に関して全国各地の拠点ごとに、作業報告書という形で記録していた。しかし、それらを記述するフォーマットは各拠点ごとに作成されており、さらに一部には手書きで処理するケースもあったため、実務的にも経営的にも一元的な管理をしたいと考えていた。

CS一課 主任の清水 覚氏は次のように語る。「まずは、作業報告書と見積書の内容を可能な限り統一し、書き込まれた内容をデータベースで検索し、閲覧ができる仕組みが必要だと思いました。トラブルの解決策といった貴重なノウハウを、社員が共有し活用することで、お客様の業務を滞りなく再開できるようにすることを目的に、検討をしようということになった」

2011年春、目指す仕組みを実現するプロジェクトが動き出した。

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導入の経緯

各拠点の作業報告書、見積書の統一を図る
田口 泰二郎 氏の写真CS統括部 CS一課 課長
田口 泰二郎 氏

2010年から2011年にかけて、ソリューションの検討が進められ、東芝ソリューションのフィールドサービス向けのCRMソリューション「FS-SQUARE」が採用されることになった。「FS-SQUARE」は豊富な標準機能をもち、情報共有によるフィールドサービス業務の一貫対応を可能にするパッケージだ。

荏原フィールドテックでは、作業報告書、見積書のフォーマットを統一するために全国各地の拠点のスタッフにヒアリングを開始、さまざまな意見を集約した。

「作業報告書は、記述のパターンがまちまちだったのですが、これを「FS-SQUARE」にトラブルが起こった内容、対応作業の内容、そして結果といった項目ごとに入力してもらうようにするなど、後からデータとして生かせる形にしました。また、見積書も拠点や部門ごと、あるいは顧客によって、細目にわたり記述する場合と、おおまかにする場合がありますが、できるだけ、それぞれのパターンに対応できるようにしました」(田口氏)

また、標準で装備されていない機能も加えられた。代表的なものが、「FS-SQUARE」で入力された情報を、Excelデータに出力する機能だ。通常はインターネットを介してシステムにログインして、入力や閲覧を行うが、Excelで自分なりの整理をし、提案内容を深めたい、という要望が多数集まり、このような機能が加えられた。

「それから、顧客ごと、トラブル内容ごと、製品ごとにデータを検索できる機能も東芝ソリューションさんに手伝ってもらい、構築しました。トラブルの内容を入力すると、それに関連する作業内容が閲覧できます」(清水氏)

こうして、新しいサービスシステムは「i-Support」と命名され、2012年5月から稼働を開始した。

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導入のポイント

現場のリサーチ、意見集約が開発スピードに好影響
清水 覚 氏の写真CS統括部 CS一課 主任
清水 覚 氏

田口氏と清水氏は、これまでの経緯を振り返り、次のように話す。「今回は、作業報告書から見積書作成までの業務プロセスをパッケージソフトによって一元管理する、ということを念頭に絞り込みましたので、大きな壁に突き当たることは少なかった。各拠点のスタッフの意見を集約するのは大変でしたが、ボトムアップの開発プロセスが功を奏し、貴重で有益な意見が届いています」(田口氏)

「パッケージソフトということもあり、工夫すればできるようになる要望と、どうしても対応が難しいという要望があり、ボトムアップの方法論で、開発のときから各スタッフにそれを理解してもらえたのではないかと思います。もちろん、今後も現場からの改善提案に耳を傾けていくつもりです」(清水氏)

同社では、以前に同様のシステムを導入しようとしたことがある。しかし、このときは、理想に近づけるべく、広範で多様な機能をシステムに持たせようとしすぎたため、実現までは至らなかった。このような経験を踏まえ、最初から全ての業務を網羅するのではなく、明確にターゲットを決め、報告書と見積書についての一元管理を目指したところが導入成功に繋がったのである。

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導入の効果

ノウハウの共有が進み、迅速、的確なサービスが実現

半導体製造用機器・装置は、同じ製品でも顧客の事情に合わせたカスタマイズを行って出荷される。また、顧客側で改良改善の改造をすることもある。従って、メンテナンス作業においても、個別の製品ごとの知識やノウハウが必要である。

「i-Support」は、こうした顧客ごとの事情に細かく対応したメンテナンス計画を提案することに威力を発揮しているという。

「お客様ごとに故障率を割り出し、定期メンテナンス計画を提案するということも可能です。お客様にとっては、装置そのものがユニークなものなので、自社向けに組まれた提案は大変喜ばれます」と田口氏は話す。

さらに、顧客から許可を得られれば、作業をするクリーンルーム内で、報告書の入力が可能となり、業務効率の改善も見られるようになったという。

また、これまで蓄積されたデータから、類似したトラブル案件を「i-Support」で閲覧し、迅速に対応できたというケースも各所で出てきつつあるという。製造装置のトラブルが即、製造コストに跳ね返る半導体業界では、装置トラブルはできるだけ早く解決するというのは必須だ。こうした顧客の要望に応えるためのノウハウを誰もが生かせる仕組みが「i-Support」なのである。

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将来展望

進化の途中。情報の一元管理、共有化さらに進める
株式会社荏原フィールドテック様の写真株式会社荏原フィールドテック様
清水氏(左)田口氏(右)

「i-Support」の今後の展望について、田口氏は次のよう話す。「このシステムはまだ進化の途中です。利用しているユーザーからの意見、要望について検討しながら、改善していきたいと考えています。また、他システムとの連携なども検討材料だと思います。『i-Support』がもっと幅広い業務に活用されると良いと考えています」

また、作業の受付や作業指示など業務のプロセスをすべて網羅するシステムとして、「i-Support」を改善したいともいう。顧客への提案内容なども、「i-Support」で一元管理できるようになれば、客先の要求を高いレベルで実現することでお客様に満足いただければ、客先の最良のパートナーになれる。

「データの一元管理ができるようになったことで、全国の作業状況が把握しやすくなったことも大きな効果の1つだといえます。入力項目が以前と違うため、稼動当初、現場は戸惑ったこともあったかと思いますが、今ではメンテナンスノウハウの質が、稼働後あきらかに上がっているという声が聞かれます。今後もシステム改善を進め、さらなる効果を実現したいですね」

荏原フィールドテックでは、「i-Support」の進化を進めながら、グループ各社にもこのシステムの導入を呼びかけていきたいという。「i-Support」がプラットフォームとなって、受注から、製造、販売、そしてメンテナンスという一貫した業務プロセスの情報を一元管理する仕組みができあがれば、さらなる経営革新が期待できる。

今後も東芝ソリューションは、荏原フィールドテックの新たなチャレンジを支えていくだろう。

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お客様の企業情報

会社名:
株式会社荏原フィールドテック
設立:
1997年
代表者:
代表取締役 勝又 和樹
従業員数:
211名
資本金:
1億円
本社所在地:
神奈川県藤沢市本藤沢 4−2−1
事業内容:
ドライ真空ポンプ、CMP装置、各種めっき装置、その他 半導体産業用各種機器・装置の販売及び試運転調整、保守等カスタマーサポート全般。
導入プロダクト:
FS-SQUARE
URL:
http://www.eft.ebara.com/別ウィンドウで開きます

本記事は2012年8月23日に取材した内容をもとに構成しています。記事内における数値データ、組織名、役職などは取材時のものです。

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