東芝デジタルソリューションズ株式会社

お客さまインタビュー

年間十数万件の権利管理業務を自動化
条件設定のみでシステム化できる
「Eiplaza 特許業務ソリューション 知財管理サービス」

カンパニー:パナソニックIPマネジメント株式会社×ソリューション:「Eiplaza 特許業務ソリューション 知財管理サービス」
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 パナソニックグループの知的財産関連業務を一手に担っているパナソニックIPマネジメント株式会社。その資産管理セクションでは、東芝デジタルソリューションズ(以下、東芝)がクラウドサービスで提供する「Eiplaza 特許業務ソリューション 知財管理サービス」を導入し、複雑な特許の年金管理業務をシステム化することに成功した。

年間十数万件という同社の年金管理業務。ボリュームの大きさと業務の複雑さでシステム化が難しく、手続きを誤れば権利が失効するリスクもあるため、何か良いソリューションがないか探していた。

Eiplaza 特許業務ソリューション 知財管理サービス」は、必要な業務部分のみを取り出して利用できるクラウドサービス。細かく条件設定を行うだけで、自社の業務に合ったシステム構築が可能となり、求めていたシステム化を実現できた。

導入の背景

年間十数万件もの年金管理業務のシステム化を検討

松田 正人 氏

知財管理部 資産管理課 課長

松田 正人 氏

 パナソニックIPマネジメント株式会社は、パナソニックグループの知的財産関連の業務を集約・事業化し、知的財産の積極活用と収益拡大をめざして、2014年にパナソニックの知的財産センターから独立して設立された。国内外の知的財産の調査、出願から維持・管理、利用に関する契約、交渉まで知的財産業務の全般をカバーする他に例を見ない知的財産の専門家集団である。

 グループの中核であるパナソニック株式会社が保有する権利数は国内屈指で、年間特許出願件数は常にトップクラス。それを中心に海外も含むグループ会社全体の知的財産の管理を一手に任されているのだから、同社が関与する案件も圧倒的なボリュームである。

 同社では、特許をはじめ権利化された知的財産の維持管理をしている。また、特許権を維持するために権利者が毎年、各国の特許庁に納付する特許料金(年金)の管理も行っている。管理すべき権利件数は膨大で、業務負荷が大きい点が課題であった。知財管理部 資産管理課 課長 松田 正人氏はこう語る。「国内外の手続きで年間十数万件、毎月一万件弱の作業が発生します。権利を失効させることはあってはならないので、課のメンバーたちは目視を含めて二重三重のチェックをしてきました。案件数の多さもさることながら、精神的なプレッシャーが大きく、この業務をなんとかしてシステム化できないかと考えていたのです」

 年金管理業務は、ただ単に期限の差し迫った権利を選んでお金を払えばいいというものではない。まず、保有を維持すべき権利なのか確認する必要がある上、共同の権利ならば権利会社はどことどこなのか、年金を支払うのはどの会社か、外部機関に納付を委託していないかなどといった確認事項があり、それによって納付手続きが異なる。こうした年金納付に至るまでの“仕分け”が複雑であり、簡単にシステム化できないのが同社の悩みであった。

導入の経緯

複雑な年金管理に対応できるソリューションを求めて

杉浦 久則 氏

知財管理部 資産管理課 ユニットリーダー

杉浦 久則 氏

 同社では以前から、ある海外製の知的財産管理システムを利用している。さまざまな優れた機能を持つ知的財産のトータル管理システムだが、年金に関しては納付の期日管理にとどまり、毎月の対象案件をまとめて抽出するところまでだった。それを担当者がExcel上で仕分けて細かくチェックをしながら、納付書を作成するという一連の作業を行ってきた。業務負荷も高く、人的エラーが生じる可能性があり、業務が属人化する心配もあった。

 そのシステム化のためのソリューション調査にあたっていた同課ユニットリーダーの杉浦 久則氏がある展示会で出会ったのが、東芝が提供する「Eiplaza 特許業務ソリューション 知財管理サービス」であった。杉浦氏はこう述べる。「従来あったトータルシステムとは違って、クラウドサービスの年金業務の部分だけ取り出して使えるというところが魅力でした。仕分けまでできる点がこちらの要望にも合致したので、まずはトライアルしてみることにしたのです」

 杉浦氏は早速トライアルを依頼。その翌月には知財管理サービスの年金管理業務部分について、デモとトライアルが始まった。

導入のポイント

条件設定のみで自社向けにシステム化できることを評価

上埜 かおり 氏

知財管理部 資産管理課 主任知財技師

上埜 かおり 氏

 同社は東芝の担当エンジニアによる体験サイトを使ったデモと試験的な設定トライアルで、知財管理サービスの評価、検討を行った。杉浦氏はその時の印象をこう振り返る。「他にはないシステムだと驚きました。こちらのやりたいことが短時間でできる、それが導入を決めたきっかけでした」

 また、同課 主任知財技師の上埜 かおり氏は、知財管理サービスが持つ特許庁のデータとの連携機能を高く評価した。「従来、人がやっていた複雑な仕分け作業をシステム化できるのはもちろんのこと、年金納付後に特許庁のデータと自動照合してエラーがないか確認できることが最大の決め手でした」と語っている。

 クラウドサービスであるため、知的財産のような情報を外部サーバーに預けてセキュリティ上大丈夫なのかという懸念もあったが、松田氏は「公開情報だけを載せ、非公開情報は内部に置く」という判断で導入を決めた。杉浦氏もクラウドサービスであることの利点を次のように話す。「従来型の知的財産管理システムはスタンドアローンで使っていましたが、それでは初期費用と維持管理の固定費、どちらもかかります。クラウドなら必要な業務だけ気軽に使え、コストもかなり低く抑えられるという魅力がありました」

 このデモ、トライアルの終了後、ただちに導入が決定したのである。

導入の効果

業務の属人化を排し、戦略的提案で事業に貢献

 5月からの3カ月間は試行期間として、人手による管理と並行してシステムを使用し、8月からはシステム中心の管理に切り替えた。導入後も管理項目の追加や変更が可能であり、常にレベルアップしていけるのもこのシステムの特長である。夜間にバッチで大量の権利案件を仕分け処理し、業務開始時にはフォルダー別に抽出が終わっているのだが、時に条件に合致せずエラーとなってしまう案件が出る。そのような時も、理由を解析して条件設定を組み替え、次回は同様の案件が漏れることがないようにできる。松田氏は、「人が経験で得るナレッジをすぐに反映できる柔軟性と自由度の高いシステムです」と表現する。

 システム導入による効果としては、まず、業務の属人化を防止できるということが挙げられている。

 権利の仕分けや各種の確認作業は複雑で専門知識も求められる。知財管理サービスは条件設定により業務フローが組まれているので、主担当者が不在でも、業務を引き継いだメンバーが次に何をしたらいいのかが分かりやすい。松田氏もこれについて、「システム化で年金管理業務のフローが見える化できたのは大きな効果でした」と述べている。

 もちろん、導入によりエラーの発生を最小限にできたことも大きい。「担当者たちは毎月緊張感の中で仕事をします。今回、システム化で人的エラーを防ぐこともできるようになり、安心感が得られたことはとても大きいですね」と松田氏は語る。

 そして、このシステム導入により業務の自動化が図れ、単なるデータ管理部門ではなく、情報を進化させ、連携できる部門として同社のテーマである戦略的な提言と情報提供に今まで以上に人的リソースと時間を割くことができるようになると期待されている。これがパナソニックIPマネジメントの事業目的への大きな貢献にもつながる効果なのである。

「Eiplaza 特許業務ソリューション 知財管理サービス」システム概要図

「Eiplaza 特許業務ソリューション 知財管理サービス」システム概要図の説明画像
将来の展望

知財管理の観点から経営に対する価値ある情報発信

 今後の展開としては、まず知財管理サービスの海外案件対応がある。国内権利の年金管理業務システムは高く評価されているため、権利件数の半分以上を占める海外案件への対応システムも条件設定を始めている。海外案件は国内以上に複雑で権利者、関係先も非常に広い。これに対応する業務のシステム化が進められている。

 さらにもう1つ、松田氏はクラウドで扱う情報の範囲を広げたいと言う。「今は公開情報だけを載せていますが、開示しても差し支えない社内情報まで載せられれば、今はまだ人手でチェックしている事項がシステムで実現可能になり、付加価値を高めることができます」と説明する。

集合写真

(左から)上埜 かおり氏、松田 正人氏、杉浦 久則氏

 また、経営に対する情報発信にも役立てられるようにしたいとも言う。「将来的にその権利が生かせるのか、維持すべきかどうか、そうした資産価値を評価することもやっていきたいですね。何万件もの権利についてそれができれば、経営に対する非常に価値のある情報発信ができますし、知的財産に対する意識も変わるはずです。持っている知的財産を最大限に経営に生かすことが重要です」と語る。

 システムにできることはシステムに任せて、人はもっと新しいこと、もっとクリエイティブな業務にシフトしていこうという考えのもと、同社と東芝の挑戦はこれからも続いていく。



この記事の内容は2017年9月に取材した内容を元に構成しています。
記事内における主な数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。

COMPANY PROFILE

会社名
パナソニックIPマネジメント株式会社
設立
2014年9月1日
代表者
代表取締役社長 足立 和泰
本社所在地
大阪府大阪市中央区城見2丁目1番61号
事業概要
国内外の知的財産の調査、出願・権利化、維持・管理、利用許諾・譲渡・譲受等に関する契約・交渉等 の知的財産業務全般
URL
http://www.panasonic.com/jp/home.html 別ウィンドウで開きます

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