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[第21回] 仕事への誇り

2019.3.20

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仕事への誇り

『苦労は買ってでもせにゃあきませんな』 学歴がない、体が弱い、貧乏だったの3条件があったればこそと松下幸之助はふり返っている。できることなら、失敗や苦労は避けたいものだと思ってしまうが、先人たちの言葉を借りると、どうもそうではなさそうだ。自分自身の会社生活を振り返ってみると、やったことに対して失敗もあったが、後悔は少ないように感じている。しかし、やらなかったことに対しては、いつまでも後悔がつきまとう。やっていたらもっと変わっていたのではないかという思いがどこかにあるからだろうか。「失敗や苦労があったればこそ、今の自分がある」と言える人には敵わない。

さて、仕事を楽しむ、そして変化を活かすをテーマに、自身の体験を通してお話ししてきたが、今回が最終回となる。

仕事への誇りを感じていますか

東芝日野工場でビジネス電話を一緒に担当した仲間たちが集まって同窓会が開かれ参加したことがある。当日は、既にリタイアした先輩から現役のメンバーまで含め約90名が参加した。電気・ソフト・機械設計、製造技術・管理部門、営業部門等から懐かしいメンバーが集った。小生は約20年間この仲間の中で主に電気設計を担当していた。

「現在は一人ひとり、さまざまな分野で奮闘しているはずだ。苦い思い出や叱られた経験もたくさんあっただろうに・・・」同窓会といえども、どうしてこれだけたくさんのメンバーが集まったんだろうか。

懐かしい参加者と近況を交わして気づいたことがある。新しい商品を開発し、どこにも負けない高品質への飽くなき追及、円高に対抗するため1円を下げるための血のにじむような価格交渉、北米マーケットの開拓、その結果、北米でProduct of the Yearを受賞等など。

「仕事への誇り」「仕事の醍醐味」「苦楽を共にした同志」「一緒に流した汗や悔し涙」「みな家族だ」「寝食を共にした」「仕事の醍醐味を教えてもらった」「楽しかった」「やりがいがあった」「いい仕事をさせてもらった」と感じている人が多いことに気づいた。

仕事に対する大切なもの、忘れかけていた大切なものを教えてもらった。「仕事への誇りは時が過ぎても決して消えることはない」ということを。

小生には仕事に対する大切な原点を思い巡らすために訪れる場所がある。東芝未来科学館の「東芝1号機ものがたり」展示だ。日本語ワープロ1号機の前で流れる「地上の星」の歌を聞きながら「プロジェクトX」の映像を見ると奮い立つ。小生が東芝へ入社しようとしたきっかけが、総合研究所(当時)で見学した日本語ワープロだったからかも知れないが・・・。

レジュメに書いた「仕事は三人前」で伝えたかったことも、自分さえ良ければではなく、チームで働くからには後先の仕事を担当してくれる人のことにも思いを巡らせることで、仕事の質を上げ、気持ち良く仕事をしていこうということである。

いよいよこれからが本番

その後「スタッフも内向きではなく、お客様からお金をいただけるような仕事を目指そう」との号令のもと、人材開発部門から現職へ異動した。

これまでの設計開発部門や人材開発部門に比べて、お客様と接する機会も格段に増えた。お客様の人材育成を支える現部門のメンバーが人材育成に熱くなくてどうするのかとの思いから、自身の拙い経験を通して少しでも人材育成に関わる現場の思いを伝えたいと筆を執り始めたが、その思いは今もいささかも変わらない。

先日、お客様と人材育成について熱く語る機会をいただいた。その場には会社を横断して人材育成について考えるプロジェクトメンバーが参加されていた。打てば響くような人材育成に熱い方との会話は、私にとっても楽しい時間だ。

人材を見つけ、育てるポイントは、相手のちょっとした言葉や行動などに気づき、その変化を見逃さず、自分の言葉で相手に伝えられるかにかかっている。そのためには常に自身の目が曇らないよう感度を高めていかねばならない。
昨日の自分より今日の自分がどれだけ成長できたのかを日々問い続けたい。

人間力を発揮する本番は、いつでも、どこでも、誰にでも。

東芝デジタルソリューションズ株式会社
インダストリアルソリューション事業部 HRMソリューション部
真野 広